アニメ「ふりふら」金髪王子役の島﨑信長が明かす カバディと“体育会系”な男子高時代
声優のきっかけ「今ある熱い思いや信念は後天的に育ったものでした」
――自身が10代だったら、この作品をどう見ましたか?
「僕も、朱里ちゃんや由奈ちゃんみたいなかわいい子とときめきたいなとは思うでしょうね(笑)。男子高だったので、余計に共学に憧れます。高校の時の僕が見たら、『由奈ちゃん、めっちゃかわいい』と思うかな(笑)」
――男子高時代の思い出は?
「吹奏楽部だったんですけども、結構、体育会系でした。部内で流行ったのは(インドの国技の)カバディ。『カバディ、カバディ』と言っている間に攻撃できるんですけども、肺活量を使うんです。本気でカバディをやるなんて、そんなにない人生経験。あとはマラソン大会。必ず脱ぐやつがいました(笑)」
――どうして男子校に?
「歯医者を目指していたので、歯学部の大学に入るため地元の進学校に行きました。今思えば、共学に入っておけば。歯科医も夢ではなかったんです。父が歯科技工士で、『将来は歯医者になれば』と勧められて。でも、押し付けられたわけではなく、父は僕の幸せを考えて、そういってくれたんですね」
――声優になることが夢だった?
「それも、強い思いではなかったんです。高校生の時に母がタレントオーディションに応募して、たまたま最終審査まで残ったんです。その時に普通に勉強して、普通に会社に入る以外の道が生まれた。これまた、情けないんですけど、一番の決め手は浪人中の逃避。勉強したくないし、次の年に受かるかどうか分からない。そんな時にアニメ、声優への興味が膨らんでいった。
でも、最初はそんな確固たる信念はなかったんです。ちょっと面白そうで、ちょっと楽な方に行くみたいな感じ。それで、(声優プロダクションの)『81プロデュース』のオーディションに応募したら、最後まで残った。それも最後の2人のところで落ちちゃったんですけども、『何もしていなかったのに、ここまで残れたから、本気を出したらいけるんじゃないか』と(声優養成所の)青二塾に通い始めたんです。今ある熱い思いや信念は後天的に育ったものでした」
――アフレコで印象深かったことは。
「由奈ちゃん役の鈴木さんとの掛け合いかな。鈴木さんはアニメのアフレコはほぼ初めてで、だからこそ、真っすぐで、自分でも思いがけない気持ちが引き出された。想定していた時よりもめっちゃかわいいって気持ちがこみ上げてきました。アフレコって、マイク前の雰囲気だけではなく、いい関係性の中で生まれる。みんなが鈴木さんに対して兄、姉のような感じで接していました」
――役作りのルーティンを教えてください。
「僕が好きなやり方は、役についての材料集めて、芯の部分は自分の中で作って、あとはマイクの前で感じたことを肉づけしていくというもの。10年ぐらいやってきて、最近やっとできてきた気がします。その人物として普通にしゃべる。ただ、これも作品ごと、キャラクターごとにやり方は変わると思うんです。同じ設定、同じプロフィール、同じ見た目のキャラクターがいたとしても、作風やバランスによって、芝居は変わる。声から作る作品もあるだろうし、子ども向けの作品であれば、ダイナミックに分かりやすくやろうとか、大人向けの作品だったら、怒っているんだけど、笑っているように聞かせるとか……。結局一つ一つの作品、役に真摯に向き合っていくことだと思っています」
□島﨑信長(しまざき・のぶなが)12月6日生まれ、宮城県出身。青二プロダクション所属。主な出演作品は、「Free!」(七瀬遙)、「ダイヤのA」(降谷暁)、「ソードアート・オンライン アリシゼーション」(ユージオ)など。2013年、「第7回声優アワード」で、新人男優賞を受賞。