免許更新の講習で外国人に配慮か 「寝てる外国人にはお咎め無しでした」 免許センター「誤解を招く言動あった」

千葉運転免許センター(千葉市)で、運転免許更新の講習中、講師を担当する指導員から「外国の方はただ映像見てるだけでいい」といった趣旨の発言があったと訴えるSNS投稿が、波紋を広げている。投稿者によると、指導員は「日本語が分からないと思うから」などの理由を口にしたといい、ネット上では講習の運用に疑問の声が上がっている。免許の更新は、交通ルールや安全運転の意識を再確認する重要な機会でもある。違和感を抱いたという投稿者に話を聞いた。

千葉運転免許センターで指導員の講習が物議に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
千葉運転免許センターで指導員の講習が物議に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

千葉運転免許センターの免許更新講習 SNSで問題視

 千葉運転免許センター(千葉市)で、運転免許更新の講習中、講師を担当する指導員から「外国の方はただ映像見てるだけでいい」といった趣旨の発言があったと訴えるSNS投稿が、波紋を広げている。投稿者によると、指導員は「日本語が分からないと思うから」などの理由を口にしたといい、ネット上では講習の運用に疑問の声が上がっている。免許の更新は、交通ルールや安全運転の意識を再確認する重要な機会でもある。違和感を抱いたという投稿者に話を聞いた。

「ねぇ今千葉の幕張免許センターにいるんだけど講習で担当が

『外国の方は日本語わからないと思うからただ映像見てるだけでいいです、日本人はまじめに話し聞くように』

だって。

おかしくない?
日本語わかんないで日本のルールで運転すんの?

 かなり高圧的な教官だったけど外国人には別人かと思うくらい優しくて、適正シートの記入とかも書かなくても良いと言っていたし寝てる外国人にはお咎め無しでした」

 Xで訴えたのは、千葉在住の女性。千葉運転免許センターに講習を受けに行った際に、男性指導員の発言や行動に不信感を覚えたという。

 更新講習は、1つの部屋に違反があった人と初回更新の人が集められた。女性は受講者全員を細かく確認していないが、2~3人の外国人が講習を受けていたとのことだ。

「前の席にドレッドヘアの外国人女性が座っていて、指導員が話しかけると、日本語も英語も分からないといった返事をしていました。後方にアジア系の受講者がいたようです。指導員とのやりとりを聞いて分かりました。2時間あった講習の中で、『外国の方は日本語が分からないから見ているだけでいいです』という発言は冒頭部分でありました」と明かした。

 全体の進行について、「過失割合や交通違反の点数などグラフや数字は日本語で説明されました。日本人の受講者が顔を下げているだけでもすかさず注意されるのに、前の席の外国人女性が爆睡していても何も言われていませんでした。休憩を挟んで、〇×で答える適性シートを記入する時間があったのですが、指導員は外国人受講者には『分からないなら書かなくていいから』といったことを言っていて、対応に差があるんだなと思いました。最後に、交通マナー確認や交通事故遺族のメッセージを紹介するビデオ映像を見ました。外国語の設定が選択できる形になっていたのですが、指導員はドレッドヘアの女性が英語が分からないと言っていたのに、結局英語でビデオを流しました。音声・ナレーションは日本語で、字幕などは英語でした。『これでは講習の意味がないじゃん』と、おかしいなと思いました」と振り返る。

 男性指導員の振る舞いについて、「入室の際に私が席を間違えた際に『そこじゃない、立て、君ここ』と言うなど、威圧的な態度でした。指導員は『これ以上、事故を起こしてほしくない』『みんなにはゴールド免許になってほしい』と熱意のある言葉を投げかけていました。厳しさを持って指導しているのは伝わりましたが、何も考えずに分からずに2時間座っているだけでクリアできちゃうのには矛盾があるのではないかと思います。手数料のお金さえ払えば、免許が更新されて運転できちゃう。あきれてしまう気持ち、怒りを覚えました」と話す。

 今回の投稿は物議を呼んでおり、ネット上では、「酷い話ですね」「それは最悪です」「教習所でもそんな感じでしたよ」「埼玉の免許センターもそれでした!」「これは、流石にダメかと」「めちゃくちゃ過ぎます」など批判が寄せられている。

 女性は3年前に初めて免許を取得。仕事上、毎日運転をして高速道路を走っているという。昨今の交通事情について、「高速道路の路肩に寄せて停車している外国人をよく見かけます。田舎の道で、なぜかトランクを開けてそこに座っている外国人もしょっちゅう見ます。明らかな猛スピードの運転、過積載と思われるトラックを見たこともあります。もちろん外国人の方も母国で運転を教わって基本的なことは分かっているのかもしれませんが、左側通行・右ハンドルなど日本の交通ルールもあります。このような免許更新の状況では、不安になります」と複雑な心境を口にした。

運転免許センター「『事故を起こさせない』『違反をさせない』を目的に分かりやすく指導」

 千葉運転免許センターはENCOUNT編集部の取材に対し、男性指導員に聴取をしたうえで、外国人受講者がその場にいたことを確認したことを明かし、「『日本人はまじめに話し聞くように』ということは言っていません。『外国の方は日本語わからないと思うからただ映像見てるだけでいいです』という発言は確認できず、分かっておりません。どの発言の何を指すのか分かっていませんが、誤解を招くような言動があったようなので、そうであれば、今後はより一層に言葉を選びながら引き続き適正に指導していきます」と回答した。

 また、「外国人受講者が席を立ったり休憩の時にトイレに行って帰って来ないこともあるので、普段から帰ってくるように、しっかり聞くようにという説明を何度もしているという事情はあると聞いています。免許更新は、日本語をある程度分かっている外国の方が受けに来ています。映像を見せる際には字幕を付けるなど外国の方にも分かるように講習を行っています。『事故を起こさせない』『違反をさせない』ことを目的に、日本人も外国人も同等のレベルの講習を行っており、これからも外国の方にも分かりやすく指導をしていきます」とコメントした。

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