『淋しい熱帯魚』から36年…活動休止中のWink・鈴木早智子が相田翔子と交わした“約束”
近年、介護職員を経験したWink(活動休止中)の鈴木早智子が、昨年からタレント活動を再開し、イベントのMCなどで元気な姿を見せている。今回、鈴木が2回にわたって、自身のこと、Winkのこと、相方・相田翔子への思いなどを明かした特別手記を寄せた。後編は、相田との絆についてつづった。

鈴木早智子が語ったWinkと相田翔子 後編
近年、介護職員を経験したWink(活動休止中)の鈴木早智子が、昨年からタレント活動を再開し、イベントのMCなどで元気な姿を見せている。今回、鈴木が2回にわたって、自身のこと、Winkのこと、相方・相田翔子への思いなどを明かした特別手記を寄せた。後編は、相田との絆についてつづった。(取材・構成=福嶋剛)
前回は、芸能界入りからWinkとしての活動までをお話しましたが、今回はその続きです。
今も2人でお互いの誕生日とデビュー記念日は欠かさず電話をしています。私が2月22日で翔子が23日なので1日違いなんですが、普通だったらどちらかの日にまとめてお互いに「おめでとう」でいいじゃないですか。でも私たちは、22日に翔子が「おめでとう」って言ってくれて、次の日は、私が翔子に「おめでとう」って電話するんです。そしてデビュー記念日の4月27日は、2人で「おめでとう」って。毎年欠かさずやっている2人の重要な行事なんです。
翔子とは昔から「老後は、縁側で日向ぼっこしながらいっぱい話をしようね」って約束をしているんです。でも実際に老後が近付いてきて、この前の37周年の時は電話で「やっぱり縁側は、もうちょっと後にしようね」って(笑)。そんな風にこれからもお互いの近況を笑いながら話せたらいいなって思っています。でも私たちってすごくないですか? 何か分からないけれど、お互いに動物の勘みたいなものがあるんでしょうね。
翔子との関係は言葉で語るのは難しいですが、姉妹みたいな家族以上の関係で、このまま変らず、生涯ずっと続くと思います。

「私の理想は“地味に表に出ること”」
私はこれまで“人生は一度きり”と言い聞かせて生きてきました。たくさん失敗もしてきたし、挑戦したことで自分の思っていない方向に進んでつらい思いもたくさん味わってきました。でも、チャレンジしないと結果って見えないものだから、どんなに経験を重ねてもそれは、この先も変わらないと思っています。もし自分の心に葛藤が生まれたら、その反対側にある「あなたは何かをやりたいんでしょ?」っていう気持ちに問いかけます。葛藤が終わってしまったら人生も終わりですから挑戦したいことが出てきたら、自分の歩幅で一歩一歩進めばいいと思っています。私の理想は、ちょっと変な表現ですけど“地味に表に出ること”かな。
今のアイドルやタレントのみなさんは、SNS時代の監視社会になって昔よりもっと大変な思いをしている方も多いと思います。でもファンのみなさんのため、自分のために一生懸命頑張っている姿は見ていてすごいなって思います。私は、ずっと大切にしてきた言葉があります。“自分の真実を信じる”です。決して簡単なことではありませんが、何かに迷ったり、つらくなった時、最後は自分の真実を信じて行動すればいいんじゃないかなって思っています。
□鈴木早智子(すずき・さちこ)1969年2月22日生まれ、東京都出身。87年、雑誌『UP TO BOY』主催のミス・アップ・コンテストで第7代グランプリを獲得。88年、相田翔子とアイドルデュオ・Winkを結成し、同年4月に1stシングル『Sugar Baby Love』で歌手デビュー。89年、5枚目のシングル『淋しい熱帯魚』で第31回日本レコード大賞を受賞した。同年、NHK紅白歌合戦に初出場。96年3月、Winkの活動休止に伴い、ソロシンガー、俳優として活動を開始する。2021年から3年間、介護職員を経験し、現在はタレント活動と並行して介護に関する活動を行っている。愛称はさっちん。
