華原朋美「引退を考えた」 30thライブで爆弾発言も即撤回 息子と約束「もうちょっと頑張るね」
歌手の華原朋美が9日、東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でデビュー30周年を記念したスペシャルライブ『華原朋美 30th Anniversary Live~LOVE IS BEST~Presented by WOWOWプラス』を開催した。デビュー曲『keep yourself alive』や大ヒット曲『I'm proud』などアンコールを含めて19曲を熱唱。30年の歴史を飾った思い出の歌と爆笑トークで約2000人の観客を魅了した。

アンコールでは朋ちゃん節炸裂「いつか専業主婦になってみたい」
歌手の華原朋美が9日、東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でデビュー30周年を記念したスペシャルライブ『華原朋美 30th Anniversary Live~LOVE IS BEST~Presented by WOWOWプラス』を開催した。デビュー曲『keep yourself alive』や大ヒット曲『I’m proud』などアンコールを含めて19曲を熱唱。30年の歴史を飾った思い出の歌と爆笑トークで約2000人の観客を魅了した。(取材・文=福嶋剛)
メモリアルライブを1か月後に控えた8月にENCOUNTのインタビューに応えた華原は「悔いのないように精一杯、お客様に喜んでいただけるようなステージを作りたいと思います」と意気込みを語り、この日のために何か月もトレーニングを重ねてきたことを明かした。その成果を物語るようにこの日は、ほっそりとスリムなボディーで登場し、30年という時間を全く感じさせないパワフルで美しく響く歌声を最後まで披露した。
開演時刻になりバンドメンバーが登場するとゆっくりと会場が暗転し、後方スクリーンには歴代の曲名が次々と映し出される。すると黒のスーツで決めた華原がステージ後方のセットに上がり、客席からは大きな拍手が起きた。
1曲目は28枚目のシングル『はじまりのうたが聴こえる』(2015年)から始まった。「ねえはじまりの歌が聴こえる/くじけそうな時も負けないよ」という出だしの歌詞がエモーショナルに響いてくる。
歌い終わると「みなさんこんにちは華原朋美です。30年応援してくれてありがとうございます!」とあいさつし、華やかな照明がステージを照らすと1995年のデビューシングル『keep yourself alive』へ。当時をほうふつとさせる歌声に観客は息をのむ。
続けて96年の1stアルバム「LOVE BRACE」から懐かしいナンバー『Living on・・・!』『Just a real love night』を披露。観客は過去にタイムリープしたかのように華原の歌に酔いしれ、観客は色鮮やかなペンライトを振ったり、手拍子を鳴らしたり、体を揺らしたりしながら自由に楽しんだ。初のミリオンを記録したセカンドシングル『I BELIEVE』ではバックダンサーも登場し、力強い歌声に会場のボルテージは一気に高まった。そのままノンストップで『Hate tell a lie』(97年、6枚目のシングル)へ。華原は歌の途中でハーモニカを演奏した。
この日の華原は前回の全国ツアーで見せたアットホームな雰囲気とは打って変わり、アンコールまでMCは一切なく、次々と思い出のナンバーを歌っていく。長年、磨き上げてきた歌の表現力に加えて、ここ数か月の肉体と精神の大改造を経て、最高のコンディションに仕上げた華原にとって並々ならぬ覚悟で臨んだ今回の晴れ舞台となる。ファンに感謝を込めて1曲でも多く届けたいという彼女の思いが、ひしひしと伝わってきた。
衣装チェンジを終えた後半戦もダンサーと共にステップを踏みながらglobeのメドレーを披露し、『masquerade』、『アメイジング・グレイス』(13年)、『Long way to go』(15年)といった歌手活動を再開した2012年以降のカバーやオリジナルナンバーを織り交ぜながら次々と思い出の曲を熱唱した。
終盤に差し掛かると再びハーモニカを吹きながら7枚目のシングル『LOVE IS ALL MUSIC』(97年)を歌い、続けて4枚目のシングル『LOVE BRACE』(96年)でさらに盛り上がった。
次に歌ったのは『永遠乃愛』。歌の途中で感極まり涙を流すと客席から温かい拍手が送られた。そして生ギターの伴奏に合わせて歌った『Precious Memories』で本編が終了した。

MC一切なしの本編からアンコールでは爆笑トークが炸裂
アンコールの大きな拍手の中、華原が『I’m proud』(96年)を熱唱し、歌い終わった後もしばらく客席からの拍手が鳴り止まなかった。
ここでようやくMCタイムに入り、ファンと自身の家族への感謝を述べた。以下、要約を紹介する。
「ちょっと泣き虫なもんで(涙を拭きながら)、本当に皆さん30年応援してくださってありがとうございました!」
大きな拍手に包まれるが、ここで華原から爆弾発言が飛び出した。
「……本当は今日を持って引退を考えていました」
衝撃的な言葉に言葉を失い、驚きの声を上げるファンも。
「でも自分には子どもがいるから……。(息子に)『お母さん強いんだぞ!』って言えないし。だから息子と話し合って、もうちょっと華原朋美を頑張ることにしました。これからもよろしくお願いします」
華原がすぐに引退を撤回すると安心したファンから温かい拍手が送られた。
「私はこの30年間、本当にファンの皆さんに心配をいっぱい掛けてしまったり、いろんなことがありました。でも、もうこれからはダメな時はないと思います(笑)。だって私には子どもがいるから。ただ、いつか華原朋美を辞める時がきたら専業主婦になってみたいです」
感動のスピーチにオチをつけて観客を笑わせると、ここからいつもの“朋ちゃん節”が炸裂した。
「息子には『お父さんが早く欲しい』ってすごく言われます。私は『そんな簡単にできるもんじゃないんだけどね』って言っていつも笑っています」
ユーモアを交えて息子との日常を紹介し、観客を笑い渦に巻き込んだ。
「いつか『今が本当に幸せなんだ』と思う日がくると思います。これからも華原朋美をよろしくお願いいたします」と話し、会場全体が温かい笑顔に包まれた。
「最後は一緒に歌ってください」と呼びかけると97年に安室奈美恵、YUKI(TRF)、KEIKO(globe)らも参加した“TK PRESENTS こねっと”の『YOU ARE THE ONE』を全員で歌い、2時間半にわたる特別な一夜が終演を迎えた。
最後までステージに残った華原は観客一人ひとりに大きく手を振りながら「皆さんに会えて最高です。ありがとうございました!」と感謝し、笑顔でステージを下りた。
これからも華原朋美として全国のファンを楽しませてくれることだろう。
なお、この日の模様は11月23日午後9時よりWOWOWプラスで独占放送されることが決定した。(※放送楽曲は未定)
華原朋美 30th Anniversary Live~LOVE IS BEST~Presented by WOWOWプラス
2025年9月9日(火)午後6時15分開場、午後7時開演
会場:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
セットリスト
01.はじまりのうたが聴こえる
02.keep yourself alive
03.Living on…!
04.Just a real love night
05.I BELIEVE
06.Hate tell a lie
07.save your dream
08.globeメドレー(MUSIC TAKES ME HIGHER~Feel Like dance~Joy to the love~FACES PLACES)
09.Many Classic Moments
10.masquerade
11.Long way to go
12.アメイジング・グレイス
13.DEPARTURES
14.LOVE IS ALL MUSIC
15.LOVE BRACE
16.永遠乃愛
17.Precious Memories
アンコール
18.I’m proud
19.YOU ARE THE ONE
