直木賞受賞作『木挽町のあだ討ち』が映画化 主演・柄本佑、共演・渡辺謙で初タッグ実現
永井紗耶子氏原作の小説『木挽町のあだ討ち』が映画化され、2026年2月27日に公開されることが9日に発表された。主演を柄本佑、共演に渡辺謙を迎え、監督・脚本は源孝志氏が務める。なお、柄本と渡辺は今作が初共演となる。

ティザービジュアル2種解禁、仇討ち事件の秘密に迫る物語
永井紗耶子氏原作の小説『木挽町のあだ討ち』が映画化され、2026年2月27日に公開されることが9日に発表された。主演を柄本佑、共演に渡辺謙を迎え、監督・脚本は源孝志氏が務める。なお、柄本と渡辺は今作が初共演となる。
原作は2023年に第169回直木賞と第36回山本周五郎賞をダブル受賞し、時代考証の確かさと登場人物の感情描写が高く評価された。芝居小屋を舞台にした人情と巧妙な展開構成が注目を集め、「このミステリーがすごい!2024年版」国内編や「ミステリが読みたい!2024年版」にもランクインした。25年には歌舞伎として舞台化され、大好評のうちに千秋楽を迎えていた。
主演を務める柄本は、映画『きみの鳥はうたえる』(18年)で第73回毎日映画コンクール男優主演賞や第92回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞を受賞するなど、多くの映画賞を獲得してきた実力派俳優。今作で柄本が演じるのは、仇討ちに隠された真実を追う侍・加瀬総一郎。刑事コロンボを思わせるチャーミングな性格と鋭い観察眼を併せ持つ人物だ。柄本は「原作を読んだことのある方は『あれ、どうやって映画にするのん??』と思われるかもですがご安心を。流石源監督。ホンを読んで『そうきたかぁ』と唸りました。是非お楽しみにしていただけたら、これ幸い」と出演への思いを語った。
共演の渡辺は、映画『ラスト サムライ』(03年)で第76回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど世界的評価を獲得し、第30回・第33回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞にも輝いた名優。今作では、芝居小屋「森田座」の立作者・篠田金治を重厚に演じる。渡辺は「原作を読んだ時、この作品映画でやりたいなと思っていました。源さんから出演をオファーされた時、2つ返事でした。脚本はミステリーと群像劇の要素が入り、東映らしい痛快なチャンバラ時代劇になりました」と喜びを口にした。
監督・脚本を務める源氏は、『グレースの履歴』で第42回向田邦子賞を受賞し、『スローな武士にしてくれ~京都撮影所ラプソディー~』(19年/NHK BS)、『忠臣蔵狂詩曲 No.5 中村仲蔵 出世階段』(21年・NHK BS)など斬新な時代劇を手掛けてきた。映画『東京タワー』(05年)、『大停電の夜に』(05年)では繊細な人間ドラマを描き、映像美にも定評がある。源は本作について「役者の顔が見えてきたら、脚本は一気呵成に書き終えた。まだ完成前だが、原作を読んだ読まないにかかわらず、最後まで疾走感を感じるエンターテイメントになっていると思う」と語った。
今回解禁されたティザービジュアルは2種類。ひとつは、加瀬総一郎と篠田金治の視線が交錯し、その間に赤い着物を纏った女性の姿が配置されたデザインで、『この町が、観客を目撃者に変えた』というコピーが印象的だ。もうひとつは、雪の中に赤い花弁と和傘が描かれ、総一郎が佇む姿が映し出されている。コピーは「謎は、『江戸の町』で花開く」。いずれも謎を予感させる仕上がりとなった。
ストーリーは、雪の降る夜に芝居小屋近くで仇討ちが成し遂げられた事件を起点に展開。1年半後、加瀬総一郎が真相を探るべく芝居小屋を訪れると、語られる証言の中から徐々に真実が浮かび上がっていく。仇討ちの裏に隠された「秘密」とは何か。観客を江戸の世界に引き込む極上のミステリーとなる。
原作者の永井氏は「この作品は、読者の皆様を江戸の芝居小屋にご案内するような気持ちで書いていました。それが、オーディブル、歌舞伎に続き、映画に。実際に撮影現場で芝居小屋のセットに入った時、まるでタイムスリップしたような臨場感がありました」とコメントを寄せた。
