元神奈川県警「胸毛ポリス」胸毛の悩みを抱えた1年のリハビリ【連載vol.6】

血みどろ男を婚約者がサポート

 女子の試合では、髪をつかんで投げるなどの攻撃により、試合後のリング上には髪の毛が散乱することが多い。「カツラが作れるほど」だが、植木の試合後にはリング上に「胸毛が散乱」することが日常茶飯事。「試合でだいぶ抜けてしまって、ずいぶんと薄くなっていましたねえ」と振り返るが、復帰したからには、また剛毛の胸毛が生えて来ることだろう。

 胸毛ポリスは、とにかく憎めない男。多くの先輩レスラーが「植木はすぐ調子に乗るからねぇ~」と苦笑いするが、必ず「しょうがねーなぁ」というニュアンスが含まれている。どうやら放っておけないタイプらしい。

 植木も「自分でも分かっているんですが、本当ダメですね。気をつけないといけないですが、つい……」と、胸毛をかきむしる。

 警察関係者と顔を合わせると、敬礼しながら「隣りにいる高橋、佐久田と一緒に、血みどろブラザーズやらせてもらっています。2人にはいつも助けてもらっています」と、さりげなく2人を紹介し、さらに立てていた。気配りもでき、繊細な神経を持ち合わせている。頭の回転も速い。

 欠場中にコロナ禍も重なり、精神的にもきつかったが、婚約者がサポートしてくれた。血みどろブラザーズに加えて最高のパートナーの存在が大きかった。

 血みどろブラザーズで他団体への乗り込みプランも進行中だという。今後は、貧血になるほど流血するだろうが、そこはデスマッチファイター。流血で体調を整えるという荒業で、コンディションをキープして行くはず。

 デスマッチの傷とケガは違う。これからも体には勲章の傷は増えても、ケガには気をつけて頑張ってほしい。

 胸毛のためにもリング復帰に全力を尽くしてきた植木。頑張れ! 胸毛ポリス!

次のページへ (3/3) 【画像】パイプイスで敬礼
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