ファンモン、平成世代と令和世代の違い「続けることって意味がある」「若い人に敵わない」
2人組ボーカルグループ・FUNKY MONKEY BΛBY’Sが今年、レコード会社をユニバーサルミュージックに移籍し、2026年に迎えるデビュー20周年を前に新たなスタートを切った。21年にファンキー加藤とモン吉の現編成で再始動し4年。そこで2人に今の心境や20日にリリースした移籍後初となるCDシングル『Come back home』について話を聞いた。

新曲『Come back home』を引っ提げて9月からロングランの20thツアーがスタート
2人組ボーカルグループ・FUNKY MONKEY BΛBY’Sが今年、レコード会社をユニバーサルミュージックに移籍し、2026年に迎えるデビュー20周年を前に新たなスタートを切った。21年にファンキー加藤とモン吉の現編成で再始動し4年。そこで2人に今の心境や20日にリリースした移籍後初となるCDシングル『Come back home』について話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)
――今年5月に古巣のレコード会社から移籍を発表しました。そのきっかけは。
加藤「これは円満な移籍で、『ご縁があった』という答えが一番いいのかもしれません。来年20周年ですが、僕たちは、30周年、40周年と続けていきたくて、そんなタイミングでこれまでの歴史を新しいスタッフのみなさんが引き継いでくださり、『次の歴史を一緒に作っていきましょう』と新たなスタートを切りました」
モン吉「ファンちゃん(加藤)が言った通りです。でも新しい環境になって曲の幅もちょっと広がった感じはありますね」
加藤「僕たちのスタッフが、『こんなのどうですか?』っていろんなアイデアを出してくれるんです。そういった面でも変化はありますね」
――先行配信シングルで今回のCDにも収録した『音楽を鳴らそう』は、その変化ともいえるこれまでとはひと味違ったナンバーで、驚いたのがこの曲のMVです。子どもの頃の2人の写真をAI技術で動画化したとても斬新なアイデアです。
加藤「これこそ新しいチームのスタッフさんから生まれたものです。最初に『AIを使って……』とか説明されて、何を言っているのか分からなかったんです。そしたら『こんなことができるんですよ』って具体的に見せてくれた時、度肝を抜かれましたね」
モン吉「これを見せたらうちの親は泣くぞって思った(笑)」
加藤「うちはお袋にLINEで説明した上で動画を送ったんだけど、いまだに信じてくれなくて子役が演じていると思ってる(笑)。そのくらいのクオリティーでした。いきなり刺激をもらいましたね」
――お二人もちょっと新しいものに目を向けてみようというのは。
モン吉「あんまりないかな。だって若い人にはかなわないから。やっぱりこういう新しい技術というのは得意な人に任せた方がいいんですよ。『頑張れ!』って言って若い人たちを応援するのが一番いい」
加藤「そう。やっぱりリアルタイムで使いこなしている世代じゃないと出てこないアイデアなんですよ。だから僕たちは『これから何か新しいことができそうだな』っていう期待感を持ちました」

こんな時代がくるなんて想像できなかった
――デビューした頃は、おふたりがその若い世代の代表としていろんなアイデアを形にしていたんですよね。
モン吉「あの頃はこんな時代がくるなんて想像できてなかったですから」
――さらに言うと、デビューした頃には生まれていなかった世代がファンモンのライブで代表曲の一つ『あとひとつ』を一緒に叫ぶという時代がやってきました。
加藤「それは最近すごく感じますね」
モン吉「7月に福岡ドームで開催した音楽フェス『NUMBER SHOT2025』に出演した後、SNSでファンの子にファンちゃん(加藤)が褒められていたんだよね」
加藤「そう。『天才カリスマだ』って(笑)」
モン吉「アハハハ(笑)」
加藤「SNSを見ていたら『初めてファンモンを見た』とか『何となく全曲知ってた』みたいなライブの感想をたくさんいただいたんですが、その中に僕のことを『天才カリスマ』って書いてくれた人がいて、その日は本当にうれしくて帰りの飛行機の中でずっとニヤニヤしていました。きっと親世代がCDで聴いていた子どもたちなのかもしれないですね」
モン吉「令和世代とかZ世代ってTikTokとかで僕たちの曲を使ってくれている子がたくさんいるんだけど、平成世代とはまた違う受け取り方をしている気がするんですよ」
加藤「そうね。だから『曲も生きている』ってことなのかもね。以前、布袋寅泰さんとお話をした時、『長くやっていると、どこからともなく不意に追い風が吹く瞬間がある』と仰っていたんです。『長くやっていると』っていう言葉がすごく自分の中で引っ掛かって、やっぱり続けることって意味があるんだなって思いました」
――そして移籍第1弾となるニューシングル『Come back home』が完成しました。この曲は、ABCテレビ・テレビ朝日系連続ドラマ『こんばんは、朝山家です。』(日曜午後10時15分)の主題歌です。
加藤「この楽曲はドラマの主題歌というお話をいただいて作りました。やっぱり曲を作る時に何が一番大変かというと楽曲の世界観をゼロから1に作り上げる作業が最も苦労するところなんです。『どういったものを描こうか?』って毎回悩むところなんですけど、こういった依頼を受けて作る曲というのは、すでに1が出来上がっている状態なのでそれをいかに10とか100にするかというのが僕たちが考えるところです。今回は『こんばんは、朝山家です。』というドラマの主題歌なので、ホーム(家)というキーワードはすぐに浮かんできて、台本を読みながら、全体のストーリーやキャストの相関関係など、いろいろな情報をもとに世界観を作りました」
――新曲を携えて、9月から来年5月まで20周年を記念した長いツアーが始まります。
加藤「20周年ツアーなのでベストなセットリストを組んで回りたいなって思っています。ずっと応援してくれているファンの方はもちろん、久しぶりにファンモンを見てみようかなっていう方も大歓迎ですし、それこそ初めましてのみなさんもぜひ遊びに来ていただけるとうれしいです」
モン吉「“天才カリスマ”がみなさんをお待ちしております(笑)」
加藤「よろしくお願いします! 今回のツアーは、前半はライブハウスツアーで後半はホールツアーという構成になっていてファンモンの20年の足跡をしっかりとみなさんに体感していただこうと思っています」
モン吉「今回は、初めて行く会場もあるんですよ。特に前半のライブハウスツアーは、ステージと客席が近いので盛り上がると思います。僕たちも健康に気をつけながら準備しています。僕は蕎麦を食べて夏を乗り切ります」
加藤「僕はスイカを食べて夏を乗り切ります(笑)」
□FUNKY MONKEY BΛBY’S(ファンキー・モンキー・ベイビーズ)東京八王子出身のファンキー加藤とモン吉による2MCグループ。前身のFUNKY MONKEY BABYS は04年に加藤、モン吉、DJケミカルの2MC1DJの3人組で結成。06年に『そのまんま東へ』でメジャーデビューし、CDジャケットに東国原英夫元宮崎県知事を起用して話題に。その後『Lovin’ Life』『告白』『ヒーロー』『あとひとつ』など数々のヒット曲を連発。NHK紅白歌合戦には09年から4年連続で出場した。13年6月に約10年間の活動にピリオドを打ち、解散。21年3月11日にTBS『音楽の日』で一夜限りの3人のフルメンバーで再結成を果たし、同年、加藤、モン吉の2人で再始動することを発表した。FUNKY MONKEY BΛBY’Sと改名。2025年9月から2026年5月まで全国ツアー「FUNKY MONKEY BΛBY’S 20th anniversary TOUR ~そのまんま東へ西へ~」を開催する。
