自分の楽曲が小泉今日子のデビュー曲に…今は「不倫」の曲も歌う元アイドル・森まどかの思いとは
歌手・森まどかが4日、都内でソロライブを開催し、話題曲の『夜明けのタクシー』、新曲の『終電車のプロローグ』など18曲を披露した。森は元アイドルで、小泉今日子のデビュー曲『私の16才』の原曲を歌ったことでも知られるが、新曲は不倫をテーマにした楽曲。ライブ前には取材に応じ、さまざまな思いを語った。

森まどかが都内でソロライブ
歌手・森まどかが4日、都内でソロライブを開催し、話題曲の『夜明けのタクシー』、新曲の『終電車のプロローグ』など18曲を披露した。森は元アイドルで、小泉今日子のデビュー曲『私の16才』の原曲を歌ったことでも知られるが、新曲は不倫をテーマにした楽曲。ライブ前には取材に応じ、さまざまな思いを語った。(取材・文=柳田通斉)
ステージで披露した『終電車のプロローグ』の歌詞には、「今夜のあなた私のもの 作戦勝ちよ だから許して」「闇に重なる二つの影は 白いシーツで罪を覆う」など、不倫を表現する歌詞が並ぶ。IT企業社長でもある川北じゅん氏が「大人の女性である森さんをイメージして作詞、作曲しました」と話す楽曲だ。
森は正直に言った。
「あまりに生々しくて、いただいた時は抵抗がありました」
コンプライアンスが叫ばれ、不倫にもより厳しい目を向けられる時代。当然の思いだが、ライブを重ねる度に感じたことがあった。
「なぜか、女性の反応がいいんですよ」
それを感じ取ってからは、この曲を歌うことに前向きになったという。
北海道出身の森は幼い頃からのど自慢大会に出ては、優勝を重ねていた。その後、地元札幌のヤマハヴォーカルスクールに在籍し、12歳で第13回ヤマハポピュラーソングコンテストつま恋本選会に出場。スカウトの目に留まり、13歳でアイドルデビュー。1978年に『ひまわりの夏』をリリースした。
「サザンオールスターズさんとは、同じ日に同じビクターからのデビューでした。同期には(年齢的に)お姉さんですが、石野真子さん、中原理恵さんがいらっしゃいました」
そして、2曲目に『ねえ・ねえ・ねえ』をリリース。これが4年後の82年には『私の16才』になり、小泉のデビュー曲になった。
「歌詞もアレンジも全く同じでした。ただ、関係者の方々が私が歌った楽曲を気に入ってくださり、小泉さんのデビュー曲になって、ヒットしたことはとてもうれしかったです」
森自身は「大人の事情」で、テレビに出られない時代も過ごしたが、「歌い続けてはいました」という。言葉通り、高い歌唱力を生かし、演歌、歌謡曲、R&B、ジャズとジャンルを問わずに楽曲を披露してきた。2019年には、リリースした『夜明けのタクシー』を日本語、英語、フランス語、北京語、スペイン語、韓国語の6か国語展開でYouTube公開し、「多言語シンガー」として注目を集めた。
そして、新曲『終電車のプロローグ』は、不倫をする女性の切なさを描いた歌詞で、楽曲の分野は「エキゾチックボッサ」。この日は同曲の他、ちあきなおみの『喝采』、西田佐知子の『コーヒー・ルンバ』(後に荻野目洋子がカバー)など、昭和の名曲も歌い上げた。
「今後も歌い続けていきたいです。『夜明けのタクシー』『終電車のプロローグ』と乗り物が続いたので、次は飛行機ですかね(笑)」
長く歌とともに歩んできた森は、今後もその情熱を国内外に届けていく。
