お笑い芸人の藤井隆とタレント井上咲楽が司会を務めるABCテレビ・テレビ朝日系『新婚さんいらっしゃい！』（日曜午後0時55分）の8月31日放送回は、一見さわやかながらも“なんか変”な新婚夫婦のエピソードだった。

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　舞台は全国4万社ある八幡社の総本宮とされる大分・宇佐神宮の能楽殿。新婚さんの出会いはマッチングアプリだったという。やり取りを重ねる中で妻が抱いたのは「言うことなすこと、なんか変」という第一印象だった。しかし、変わっているだけではなく、どこか憎めない純粋さにひかれていったという。

　初デートの約束をした際、夫が突然切り出した。「僕の家でご飯を食べよう」。異性と初めて会う場がいきなり自宅という大胆すぎる提案にMCの藤井と井上は思わず顔を見合わせ、「やっぱり怖い！」と反射的にコメント。しかし妻は、電話の時に夫が必ず正座でスタンバイし、ワンコールで応答するその真面目さを信じたと語り「この人の言葉は本当に誠実なのかもしれない」と思ったと振り返る。

　夫なりの事情もあったという。夜勤もある勤務形態で、どうしても会えるのは夜しかなく、当時はコロナ禍で店も閉まっていたと明かす。「だったら自分の家でカレーを作って、一緒に食べよう」と考えたのだという。だが実際には夫は驚くほどの料理下手。段取りもおぼつかず、結局9割は妻が作ったという。すべては不器用ながらも誠実さゆえ。それを一緒に食べた瞬間、夫は急に黙り込み、涙をポロポロと流し始めたのだとか。

「両親が共働きで、家族と食卓を囲む時間がほとんどなかったんです」。事情を知らなかったMC陣は「知らないと相当に怖い」とさらに困惑を深める。しかし妻は「ご飯を食べながら泣くなんて普通は引くけど、この人は違うんだと思いました」と、夫の涙を見て胸を打たれたと語った。

　食事が終わり帰ろうとした時、夫はまた黙り込み「夜も遅いから泊まっていきなよ」と提案した。MCたちはいよいよ怯えるばかり。妻は戸惑いながらも“優しさから出た言葉かもしれない”と受け取ってそのまま宿泊することを決めた。

　結局その日は何事もなく朝を迎えたが、翌日もなぜかまた一緒に夕食をとり、そのまま泊まり、さらに3日目の朝となる。妻が卵焼きを作っていると、ふと目を覚ました夫はふたたび涙を流したという。毎日のようにこぼれる涙に、妻は次第に「変だけれど、愛おしい」と感じ始めたと話す。寒い12月に布団も敷かず固い床に横たわる夫を見かねて、妻の方から「ベッドに来ていいよ」と声をかけたという。初対面から3日連続で泊まるという妻自身もまた“なんか変”だとMCたちは笑いながらツッコんだ。

　交際から3年。夫はついに妻の誕生日にプロポーズを決意。場所は大分・湯布院のレストラン。緊張しながら差し出されたのは、贈答用のカステラの箱。妻の手に渡すと「開けてみて」と促した。番組では、そのシーンを井上相手に再現。「そのときの気持ちを共感してもらいたい」と語る夫の手渡しに、箱を開けた井上は思わず絶叫。中に仕込まれていたのは、キューブサイズのカステラと同じ大きさのティファニーの指輪の箱。井上は驚きながらも「でもすごく心に残りますよね」と受け止め、藤井も「なんとも言えず、この人ならでは」とうなずいていた。