父・千葉真一の存在は「大きい」 眞栄田郷敦、俳優6年目の新境地と実感する成長「3年で引き出しは増えた」

俳優の眞栄田郷敦が、ホラー映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』(9月5日公開、羽住英一郎監督)で高広役として再び挑む。本作は、2022年にホラー映画としては最高興収となる11.8億円を記録した『カラダ探し』の最新作。3年ぶりのシリーズへの思い、そして女優・二階堂ふみとの共演を通じて得た俳優としての成長について語った。

前作出演時との違いについて語った眞栄田郷敦【写真:藤岡雅樹】
前作出演時との違いについて語った眞栄田郷敦【写真:藤岡雅樹】

『カラダ探し THE LAST NIGHT』で高広役として再挑戦

 俳優の眞栄田郷敦が、ホラー映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』(9月5日公開、羽住英一郎監督)で高広役として再び挑む。本作は、2022年にホラー映画としては最高興収となる11.8億円を記録した『カラダ探し』の最新作。3年ぶりのシリーズへの思い、そして女優・二階堂ふみとの共演を通じて得た俳優としての成長について語った。(取材・文=平辻哲也)

 原作は、小説プラットフォーム「エブリスタ」で人気No.1を記録したウェルザードによるホラー小説。続編では主演の橋本環奈と眞栄田が続投し、櫻井海音、安斉星来、鈴木福、本田真凜、吉田剛明ら新キャストが加わった。

 前作は、眞栄田にとってTBS系ドラマ『プロミス・シンデレラ』(2021年)を経て初めて挑んだ映画作品だった。同ドラマでは、裕福だが性格に難のある高校生・片岡壱成を演じ、二階堂演じるバツイチのヒロイン・早梅との交流を通じて成長していく姿を好演。「主演の二階堂ふみさんの台本や役の掘り下げ方を間近で見て学び、演技へのアプローチが深まりました」と振り返る。

「前回はホラーはリアリティーを出すのが難しいと感じていましたが、今回はそういう怖さはありませんでした。3年を経て引き出しの数は増えたと思いますし、前作の時よりも監督と対等に話せるようになりました」と手応えを語った。

 物語は、前作で“カラダ探し”を終えた直後、明日香(橋本)が高広の目の前で突然消えてしまう場面から始まる。3年後、5人の高校生が真夜中の遊園地で“赤い人”に惨殺されるが、目覚めると同じ日の朝に戻っており、再び恐怖のループに巻き込まれる。そこに現れるのが、3年間明日香を探し続けた高広。孤独な恋心を胸に、新たな仲間とともに呪いの連鎖を断ち切るため危険な夜へと身を投じる。

「1作目の最後が気になる終わり方をしていたので、『お、来たか?』という感じでした」と続編決定の瞬間を振り返り、「どんな話になるのかは全然想像できなかったので、まるで観客のような気持ちでした」と笑顔を見せる。

役作りでは無精ひげも提案「映像では珍しいかも」【写真:藤岡雅樹】
役作りでは無精ひげも提案「映像では珍しいかも」【写真:藤岡雅樹】

新キャストとの共演は「頼もしかった」

 今回の高広は、明日香を失った絶望と孤独、そして仲間に救われながらも使命に挑む複雑な内面が描かれる。「一貫して明日香への思いは変わらないというところを大事にしました」と話す。役づくりでは監督と相談し、「雰囲気を変えたいと思って『髭はどうですかね?』と提案したら『いいね』となりました。映像でひげ姿は珍しいかもしれません」と無精ひげスタイルの理由も明かした。

 遊園地のシーンは、大分・別府市の城島高原パークで撮影された。「にぎやかなはずの遊園地が静まり返っているのは独特でした。メリーゴーランドの音楽が本当に不気味で、映像でもすごく雰囲気が出ていました」と回想する。ジェットコースター上でのアクションについては、「揺れや遠心力を表現するのが難しかったですが、普段は入れない場所での撮影は面白かったです」と振り返った。

 新キャストとの共演では、「先輩ムーブは難しかったです。でもみんな仲が良く、責任感もあって頼もしかったです」と称賛する。

 劇中のテーマになっている“同じ日を繰り返す”設定について、「おいしいものをたくさん食べて、ずっと麻雀していたいです。最近はおじさんの友達しかいないですね」と笑う。デビュー前はサクソフォーン奏者を志していたが、「音楽を辞めてこの道に入ったこと」が人生で一番難しかった決断だと振り返った。

 記者が父・千葉真一さんを取材した経験があると話すと、「そういう話を聞くとうれしいです。父の存在はやっぱり大きいですから」とほほ笑む。俳優活動6年目を迎えた眞栄田は、さらなる成長を胸に新たな挑戦へと歩みを進めている。

□眞栄田郷敦(まえだ・ごうどん)2000年1月9日生まれ、米・ロサンゼルス出身。19年に映画『小さな恋のうた』で俳優デビュー。映画出演作に『午前0時、キスしに来てよ』(19年)、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(2021年)、『東京リベンジャーズ』シリーズ(21、23年)、『カラダ探し』(22年)、『彼方の閃光』(23年)、『ゴールデンカムイ』(24年)、『ブルーピリオド』(24)、『ババンババンバンバンパイア』(25年)など。ドラマに「エルピス -希望、あるいは災い-」(22年)や、NHK大河ドラマ「どうする家康」(23年)、NHK連続ドラマ小説『あんぱん』(25年)。秋には映画『港のひかり』も待機している。

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