【スターダム】私が倒さないといけないのは朱里だけじゃない、Sareeeもだ…小波の黒い野望

今年プロレスデビュー10周年を迎えた小波は、スターダムに継続参戦するようになった2017年の翌2018年に正式にスターダムに入団。2021年いっぱいで体調の都合もあり退団したものの、2024年4月に再入団を果たした。”女寝技師“と称される格闘色の強いプロレスを展開し、そして“Ms. Icicle Psycho(冷酷なサイコパス)”という二つ名の通り独特の”怖さ“も持っている。その小波は、朱里を破りIWGP女子王者となったSareeeに“失神KO勝ち”という大仕事をやってのけた。

今後の野望について語った小波【写真:橋場了吾】
今後の野望について語った小波【写真:橋場了吾】

朱里が私のことを好きなのは、ずっと変わらないんだろうな

 今年プロレスデビュー10周年を迎えた小波は、スターダムに継続参戦するようになった2017年の翌2018年に正式にスターダムに入団。2021年いっぱいで体調の都合もあり退団したものの、2024年4月に再入団を果たした。”女寝技師“と称される格闘色の強いプロレスを展開し、そして“Ms. Icicle Psycho(冷酷なサイコパス)”という二つ名の通り独特の”怖さ“も持っている。その小波は、朱里を破りIWGP女子王者となったSareeeに“失神KO勝ち”という大仕事をやってのけた。(取材・文=橋場了吾)※8.23大田区大会前に収録

 小波がデビュー当時から慕ってきたのが、同じく格闘色の強いスタイルの朱里だ。2022年、単発でスターダムのリングに上がっていた当時から朱里がリーダーを務めるGod‘s Eyeのメンバーとして活動してきた小波だが、2024年7月に朱里と保持していたゴッデス・オブ・スターダム王座の試合中に裏切り、もともといた大江戸隊(現H.A.T.E.)へ再加入した。

「God‘s Eyeって、欠場していた2年間ずっとつまらないと思っていて。ずっと平坦というか、イマイチ勢いのあるユニットのように見えなくてさ。ユニットができたら勢いに乗ってベルトを取って上がっていくものだと思うだけど、God‘s Eyeは何をしても同じところに戻ってくる(笑)。だから、違うユニットに行った方が皆も良さが出るんじゃないかなって。格闘集団だったはずなのに鹿島(沙希)が入ってきてよくわからないことになっちゃうし、朱里は朱里で皆を褒めるから。お前にはGod‘s Eyeとしての信念はないのかと。ただ私と朱里の間に過去の消えない絆があるのは確かで、だからこそGod‘s Eyeのストーリーの中で面白いサプライズをして恩返しをしたということだよ。気持ちはずっと大江戸隊のままだったし。朱里が私のことを好きなのは、何をされてもずっと変わらないんだろうな(笑)」

 その小波の裏切りを後ろでコントロールしていたのは、刀羅ナツコ。大江戸隊からH.A.T.E.に生まれ変わるタイミングで上谷沙弥が闇落ちしたわけだが、その直前に小波をも引き入れていた。

「小波の印象? 最初は隙がなくてちょっととっつきにくい感じの選手なのかなと。試合でもそういう雰囲気は出ているし、何考えているかわからないって。よく怪奇行動からサイコパスって仲間に言われていてポーカーフェイスだけど、本当は情に厚くてH.A.T.E.のことも考えながらやっている選手だと思うよ。(7.27大田区大会で小波がSareeeに勝利した後は)色々な思い、色々なバックグラウンドがある中で、筋が通っているというか、Sareeeのことを倒したいという理由のきっかけは朱里(が負けたこと)だったと思うし。でもその朱里を裏切ったこともあるわけで、朱里という大きな軸があって、そこに触れると敵になるという。そういうのも魅力だと思うよ。まあ、Sareeeに関しては私たちが絡んでいるから話題に上がるわけで、遊んであげている感覚だよね。興味がいつなくなるかは、わからないよ」

Sareeeとの物語は今後も続いていくか【写真:(C)スターダム】
Sareeeとの物語は今後も続いていくか【写真:(C)スターダム】

Sareeeをスターダムから排除したい、邪魔をされている時間はない

 7.24後楽園大会。小波はH.A.T.E.の上谷沙弥、渡辺桃と組みSareee、Chi Chi、叶ミクと対戦。IWGP女子王者となったSareeeはスターダム勢を挑発し「本物のプロレス」論争がSNSで展開された。その中で沈黙を守っていた小波がその実力をいかんなく発揮、叶の腕を破壊した。

「(H.A.T.E.への)歓声が凄かったね。みんなSareeeにブラストレーションたまっているんだなあって(笑)。あの瞬間だけは、こんなに応援されるのかってびっくりしたよね。H.A.T.E.しかSareeeを倒せないと思っていたのかな。まあ、そもそも朱里がIWGP(女子王座)を守れなかったことが問題。イギリスでしか防衛してなくて『何やってんだよ』って感じだよ。スターダム以外の選手にベルトを取られるっていうのがまずありえないし、日本での初防衛戦で取られるっていうのも朱里らしくないなと。その後、普通に過ごしているのも許せないし。悔しい思いはあるんだろうけど、平然としているのが気に入らない。もっと感情的になるべきだったんじゃないのって思っている。で、後楽園はなんであの二人を連れてきたのかがわからない(笑)。しかも最近はセコンドにもいるし。こういうのにスターダムのリングを使われるのが嫌なんだよね、乗り込んできて注目を浴びようみたいな。でもSareeeがベルトを持っている間はそれをされてしまうから、早くどうにかしないといけないと思うよ」

 そして7.27大田区。スターダム恒例夏のシングルリーグ戦『STARDOM 5★STAR GP』開幕戦において、小波はSareeeに失神KO勝ちというSareeeが一番嫌がるだろう勝ち方をした。そして試合後、マイクで「朱里さん、あなたの仇討ちましたよ」と本音と皮肉が入り混じった言葉を放った。

「Sareeeはスターダムのことをナメた感じだったし、自分なんか眼中になかったと思うんだよ。でもスターダムにも、他にやり合える選手はいるぞということをわからせたかった。Sareeeは意地でもタップしないだろうし、3カウントも取らせない気持ちが他の選手よりも強いだろうから、自分の持っている武器で勝ってやろうと。(フィニッシュの胴絞めスリーパーは)うまくポイントに入れば絞め落とせると思っていたので。(マイクの言葉は)どっちとも取れる言葉だと思うよ。でも……朱里には『お前、しっかりしろよ』という気持ちを込めて言った。Sareeeに勝っているわけだから、IWGPに挑戦する権利はあると思うし、とにかくSareeeをスターダムから排除したい。今は新人もいっぱいいるし、新しいユニットもできて、スターダムの中だけでもやることがいっぱいあるから、Sareeeに邪魔をされている時間はない。朱里が復帰したときには、IWGP女子王者として挑戦を受ける立場になっていたいと思うよ」

 ここまでは8.23大田区大会前にインタビューで聴いていた話。その数日後、さっそく小波は動いた。8.20後楽園でSareeeへの挑戦をぶち上げ、8.23大田区でIWGP女子王座した。結果はリストクラッチ式裏投げからフォール負けしてしまったが、小波の気持ちは折れてはいない。

「私が倒さないといけない相手がもう一人増えた。朱里、そしてSareee。さすが朱里から3カウントを取っただけある意地を感じた。悔しいけど、プロレスラーとして一枚上手だった部分はあるかもしれない。ただスターダムをナメているし、好き勝手にやってほしくない気持ちは変わらない。今度はもっと恥ずかしい目に合わせて勝って追放してやるよ。そして朱里。間近(解説席)で見ていてどう思ったかを知りたい。お前がIWGP女子を取られて、好き勝手やられて、お前が泣くほど可愛がっていた弟子がお前の気持ちを背負ってリングに立ってやったぞ。黙って見ているだけじゃないよな……?」

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