実写ルフィ俳優、日本は「第2の故郷」 ホームステイも経験…深めた“ワンピ愛”「全世界に広めたい」

Netflixで世界独占配信中の実写版『ONE PIECE』シリーズで主人公モンキー・D・ルフィを演じているのは22歳のメキシコ人俳優、イニャキ・ゴドイだ。このほどインタビューに応じ、今シリーズ出演をきっかけに深めた「第2の故郷」と語る日本への愛や2026年配信のシーズン2、まもなく撮影が始まるシーズン3について意気込みを語った。また、ファンに向けて流ちょうな日本メッセージも飛び出した。

人懐っこい笑顔でインタビューに答えた実写版ルフィ役のイニャキ・ゴドイ【写真:ENCOUNT編集部】
人懐っこい笑顔でインタビューに答えた実写版ルフィ役のイニャキ・ゴドイ【写真:ENCOUNT編集部】

シーズン2を流ちょうな日本語でアピール「ぜひ見てください!」

 Netflixで世界独占配信中の実写版『ONE PIECE』シリーズで主人公モンキー・D・ルフィを演じているのは22歳のメキシコ人俳優、イニャキ・ゴドイだ。このほどインタビューに応じ、今シリーズ出演をきっかけに深めた「第2の故郷」と語る日本への愛や2026年配信のシーズン2、まもなく撮影が始まるシーズン3について意気込みを語った。また、ファンに向けて流ちょうな日本メッセージも飛び出した。(取材・文=猪俣創平)

 漫画家・尾田栄一郎氏による『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の漫画『ONE PIECE』を実写ドラマ化した本作は、伝説の海賊王ゴールド・ロジャーが残した“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を巡り、ルフィ率いる海賊“麦わらの一味”が大海原へと繰り出す壮大な海洋冒険ロマン。そのシーズン1は、2023年の配信直後から世界93か国でTOP10入りし、46か国で1位を獲得するなど世界中で一大旋風を巻き起こした。

 この反響についてイニャキは「皆さんに楽しんでもらえて、好意的な反応も多くてすごくうれしかったです。ベストのシリーズを作っていこうとチーム一丸となって頑張ってきたので、すごく楽しいプロセスでした」と人懐っこい笑顔を見せた。

 2026年配信予定のシーズン2では、副題「INTO THE GRANDLINE」とあるように、スケールアップした“偉大なる航路(グランドライン)”での冒険が描かれる。このほど東京ビッグサイトで開催された大型イベント「ONE PIECE DAY’25」で解禁された予告では、原作に忠実かつVFXを駆使した迫力ある映像で会場からどよめきも起きていた。

 演じる上での苦労を問われると、「そんなに大変なものでもありません」とかぶりを振って、「VFXを相手に演技をするのは、そもそもお芝居としては今や当たり前ですし、それが俳優の仕事です。たとえば目の前に巨大なクジラがいると想像すれば、演技もできるんです」と解説した。

 シーズン2は南アフリカ・ケープタウンで撮影を実施。イニャキはインスタグラムでも撮影の様子を公開し、チームワークの良さをうかがわせていた。ゾロ役の新田真剣佑をはじめ、“クルー”への信頼も高まっているようで「お互いのことを知りましたし、リスペクトもしています。時には撮影で疲れることがあったとしても、互いに気遣えるメンバーです」と語り、「真剣佑とは一緒にボードゲームをやって、本当はダメだったかもしれないんですが、タズ(・スカイラー/サンジ役)とは柔術をやっていました(笑)。まるで家族のような仲間になりました」と撮影中のエピソードも明かした。

 インタビュー中は正確性を期すために通訳を介して英語で答えた。しかし、「ONE PIECE DAY’25」のステージでは終始、早口な日本語でやり取りを繰り広げた。日本でのホームステイ経験があり、現在も日本語を勉強中だ。日本文化に触れる中で、「日本人の皆さんにとって、この『ONE PIECE』がどれだけ大事なものなのかすごく分かりました」と新たな気付きを得た。

「尾田先生の地元の熊本県を訪れた際にはルフィの銅像があって、家族連れで見に来ている方もいたり、『ONE PIECE』ラッピングの新幹線が走っていたり、カラオケに行けばアニメのテーマソングを歌ったりと、そうした光景が印象的です。日本でのホストファミリーの娘さんも『ONE PIECE』が大好きで励まされたと言っていて、人生に影響を与えているような特別な作品だと分かりました。それだけに、ルフィ役ができることが当たり前だとは思いませんし、素晴らしいチャンスを得られたという幸運をかみしめています」

おなじみの麦わら帽子を手に日本語でアピールも【写真:ENCOUNT編集部】
おなじみの麦わら帽子を手に日本語でアピールも【写真:ENCOUNT編集部】

ルフィ役で「信頼を得るには時間がかかる」と自覚も

 屈託のない笑顔を見せる一方で、じっくりと考えてから記者の目を見て答える誠実さも感じさせる。そんなイニャキは、メキシコで子役としてキャリアをスタートさせた。現在は米国に拠点を移して、Netflixドラマシリーズ『インパーフェクト』(2022年)はじめ英語作品への出演も続ける。俳優としては「ストーリーの語り手であり続けること、多種多様なキャラクター、僕にとって意味のある役柄を演じること、それを楽しむことです」と確固たる信念も持ち合わせている。

 実写版『ONE PIECE』を通してキャリアを押し上げる中、人生の目標が「世界中に友人を作ること、どこへでも飛び立てるような身でいることです。とにかく世界を旅していたい」と目を輝かせるその姿は、まさに冒険好きなルフィを彷彿(ほうふつ)とさせた。

 シーズン3の制作も決定し、年内には再びケープタウンにて撮影が開始される。「このストーリーを全世界に広めていきたい」という使命感とともに、『ONE PIECE』への特別な思いも胸に抱いている。

「おそらく日本の皆さんから信頼を得るには時間がかかるだろうと自覚しています。でもその分、僕たちはがんばりますし、日本語を習得したことで尾田先生やアニメ声優の方、集英社の担当者とお話ができて、より『ONE PIECE』とのつながりが濃いものになりました。ルフィ役は僕の仕事でもありますけど、僕の人生にとっても大きな部分を占めています。日本が第2の故郷になったと思っているので、実写版をより長続きさせて、ベストなものを作りたいと思っています」

 そして、インタビューの最後には、流ちょうな日本語でファンに向けて「実写版『ONE PIECE』シーズン2を、ぜひ見てください! 皆さん、ありがとうございました!」と呼びかけた。

 しっかりと頭を下げてあいさつする22歳の“航海”は、まだ始まったばかりだ。

□イニャキ・ゴドイ 2003年8月25日、メキシコ出身。子役としてメキシコのスペイン語番組に出演。米国のスペイン語チャンネル・テレムンドの連続ドラマシリーズ『La querida del Centauro』で主要キャストに抜てきされる。20年公開の映画『Go Youth!』で初主演を務めると、21年にNetflixドラマシリーズ『そしてサラは殺された』、22年には初の英語作品となるNetflixドラマシリーズ『インパーフェクト』に出演。オーディションを経て実写版『ONE PIECE』シリーズのモンキー・D・ルフィ役を勝ち取った。

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