ネクストブレイク期待の16歳・北里琉、初連ドラレギュラーで成長実感 3歳でランウェイデビュー…小1から志した芸能界
新人俳優の北里琉(きたざと・るう)がカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(月曜午後10時)で初の連ドラレギュラー出演に挑戦している。女性ファッション誌「Ray」(主婦の友社)で専属モデルとしても活躍中の北里にとって、今作が2回目のドラマ出演。今後の飛躍に期待の懸かる16歳の素顔に迫った。

女性ファッション誌「Ray」では最年少専属モデルとして活躍
新人俳優の北里琉(きたざと・るう)がカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』(月曜午後10時)で初の連ドラレギュラー出演に挑戦している。女性ファッション誌「Ray」(主婦の友社)で専属モデルとしても活躍中の北里にとって、今作が2回目のドラマ出演。今後の飛躍に期待の懸かる16歳の素顔に迫った。(取材・文=中村彰洋)
磯村勇斗が民放連ドラ初主演を務める完全オリジナルストーリーの同作は、独特の感性を持つがゆえに何事にも臆病で不器用な主人公・白鳥健治(しらとり・けんじ)が、少子化による共学化で揺れる私立高校にスクールロイヤー(学校弁護士)として、法律や校則では簡単に解決できない若者たちの青春に必死に向き合っていく学園ヒューマンドラマ。北里は保健室登校をしている生徒・島田聖菜役として初の連ドラレギュラー出演を決めた。
「出演が決まったと聞いてすごくうれしかったです。でも、『私で大丈夫かな』という不安もありました。台本を読んで島田ちゃんを知っていく中で、あまり人に心を開かない部分や実際に自分も小学生の頃に保健室登校をしていた時期があったので、自分と重なる部分がとても多いなと感じて、『私がやらなきゃ』という気持ちになりました」
8月25日に放送される第7話は、島田がフィーチャーされる放送回となる。物語のメインキャストとして注目を集めながらの演技は北里にとって初の経験となったが、「すごく緊張しました」と撮影を振り返った。
「最初は探り探りだったのですが、回数を重ねるにつれて島田ちゃんへの理解が深まっていきました。最後のシーンでは、自分が今までやってきたことのベストを尽くせたと思います」

熊本地震の復興支援で訪れた芸能人の姿に刺激「来ただけで人を笑顔にできる人ってすごい」
2023年にテレビ朝日系『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』にゲスト出演して以来のドラマ出演。2年間で演技レッスンにも通い、さまざまな作品を見ては手書きでノートにまとめるなど努力を積み重ねてきたが、生の現場で学ぶことはとても多かったという。
「私は演技をする中で『これはこう』と考え方を絞ってしまうことが多かったのですが、監督さんから『曖昧なまま、その時に思ったことを演技で表現すれば大丈夫だよ』と言っていただきました。
巌谷先生役の淵上泰史さんとの撮影では、私が『早くセリフを言わなきゃ』と緊張してしまっていた時に、『好きなだけ間を取っても、泣けなくてもいい。北里さんの演技をそのまますればいいんだよ』と言っていただけて、安心感ももらえました。リアルな演技ができた手応えを得ることができました」
一方で、課題を感じる部分も多かった。「オンエアは手が震えて見れないかもしれないです」と笑いながら、今後の成長を誓う。
母親から「おもちゃを買ってあげるから」と誘われ、3歳で地元のファッションショーに出演するようになった北里だったが、芸能界を明確に意識するようになったのは、小学1年生だった16年、地元・熊本を襲った熊本地震がきっかけだった。復興支援の炊き出しに訪れた芸能人たちのキラキラ姿を目の当たりにしたことで、「来ただけで人を笑顔にできる人ってすごい」と憧れるようになっていった。
「最初は芸能界に入って、誰かを笑顔にできるのであればどんな形でも良いと思っていましたが、目指していく中でモデルや演技の道に進みたいと思うようになっていきました。なので、地元のランウェイにも出続けていましたし、演技の練習をするようになりました」
小学1年生の頃から母親が北里の姿をインスタグラムで精力的に発信し続け、小学4年生からはウォーキングレッスンにも通うなど、芸能の道に進むための努力を惜しまずに続けてきた。そんな姿が現事務所の担当者の目に留まり、スカウトされる形で現在に至っている。
「最初は漠然と『人を笑顔にしたい』という思いでしたが、事務所に所属させていただき、雑誌のモデルをさせていただく中で、同世代の人と関わる機会が増えたことでたくさん刺激をもらいました。そこからはより前のめりに頑張りたいと考えるようになりました」

憧れは事務所の先輩・岡崎紗絵「何か一つぐらいは違うこともしてみたい」
人前に出ることが好きだったという幼少期。「学級委員長やクラブ長、運動会の応援団の団長などリーダー系は全部立候補してやっていました」と笑う。
「昔は『私がリーダー!』みたいな感じですごい尖っていました(笑)。でも、小3の頃に教室に行きたくなくなってしまい、保健室登校をしていた時期があって、1人で考える時間が増える中で、『なんで尖っていたんだろう』と不意に思うようになったんです。そこからは丸くなりました(笑)」
高校入学を機に、親元を離れての上京を決断。現在も高校に通いながらの一人暮らしを続けているが「不安は一切なかったです」と笑顔を見せる。「1人の時間がすごく好きなので、むしろ一人暮らしの方が楽だなと感じています。自分でできるようになったことも増えてきました」。
現在は女性ファッション誌「Ray」で最年少専属モデルとしても活躍中だ。数々のスポットライトを浴びてきたが、「ランウェイは、舞台袖に入った時は緊張しますが、ステージに立つと全く緊張しないんです。『ここにいる全員が私だけを見ているんだ』と思うと、楽しくなるんです」。
憧れは事務所の先輩・岡崎紗絵だ。岡崎も過去に「Ray」の専属モデルを務めるなど共通点も多い。「すごく憧れていますし、同じ道を歩きたいと思っています」。一方で、「何か一つぐらいは違うこともしてみたい」との思いで、声の仕事にも興味を持ち、発声やセリフ練習など、新たなスキルの習得へ向けて日々努力を続けている。「いつか声優や舞台などにも挑戦してみたいと思っています」。
今回の連ドラ出演は、まさに北里自身の可能性を広げるきっかけとなった。
「演技への考え方がとても変わりました。今回の経験をもっと自分の形にして、これから先のお仕事で表現できるようになりたいです。『Ray』の専属モデルのお仕事も始まったので、今までの自分ではない、新しい自分を発信できるようになりたいです」
今後どのような成長曲線を描いていくのか――。16歳が飛躍するその先に期待せずにはいられない。
□北里琉(きたざと・るう)2009年7月30日、熊本県出身。3歳で地元のファッションショーでランウェイデビュー。20年4月、スカウトをきっかけに現事務所に所属。22年から24年までファッション誌「Cuugal」で専属モデルを務めた。23年5月、テレビ朝日系『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』でドラマデビュー。25年7月にはファッション誌「Ray」の専属モデルに就任。現在放送中のカンテレ・フジテレビ系『僕達はまだその星の校則を知らない』で初の連ドラレギュラー出演を果たした。特技は弓道、趣味はアニメ鑑賞とゲーム。3人兄妹の末っ子。リラックス方法は何も考えずにアメを舐めること。
