「同じ値段で3食は食べられる」初来日のアメリカ人が衝撃…快適すぎる滞在、チップも不要

外国人にとって、今、日本はどのような国に映っているのだろうか。GDP世界4位の経済大国ながら「失われた30年」を経験し、日本を取り巻く状況は大きく変化した。米フロリダ州オーランドから旅行で初来日したロビーさんに率直な感想を聞いた。

フロリダ州オーランドから初来日した【写真:ENCOUNT編集部】
フロリダ州オーランドから初来日した【写真:ENCOUNT編集部】

スキーを楽しみたかったが…日本は「今のところかなりいい」

 外国人にとって、今、日本はどのような国に映っているのだろうか。GDP世界4位の経済大国ながら「失われた30年」を経験し、日本を取り巻く状況は大きく変化した。米フロリダ州オーランドから旅行で初来日したロビーさんに率直な感想を聞いた。

 東京・秋葉原で出会ったロビーさんは、5日前に来日。滞在は2週間を予定し、松本、大阪と回る予定を立てている。

 これが初めての日本。しかも単身で訪れた。

「日本の山でスキーをしたかったんです。でも冬に仕事の休みが取れなくて。だから夏に来ることにしたんです」

 わざわざ旅に出なくても、YouTubeやSNSで情報は何でも手に入る時代だ。

 ただ、実際に足を運び、体験することは、旅行者に新鮮な驚きを与える。

「今のところ、日本はかなりいいですね。公共交通機関とかいろいろ充実しているし、あと食べ物が本当においしいです」

 ロビーさんはベジタリアン。すしや焼肉、ラーメンやとんかつなど、日本を代表する食事には制限がかかる。「なので、肉の入ってない食べ物を探すのがちょっと大変で……」。それでも、専門店で提供される食事の質には満足しているという。

「肉なしのものを食べています。でも、見つけたものはすごくおいしいですよ。店はグーグルマップで探します。これから行く場所は、全部ベジタリアン向けなんです。仏教のレストランみたいなところです」

 日本には古くから精進料理を振舞う寺がある。一方で、最近では急増する外国人観光客向けに、都心でもベジタリアンメニューを出す店も少なくない。

「(ベジタリアン用の)ラーメンをたくさん食べました。あとは豆腐、ベジタリアンそばとかですね。ピザも試してみたいです。今のところかなりいい感じです」

 東京にも好印象を持った。

「僕は、都市に住むのがすごく好きなんです。いつも何かたくさん起きているので。特にここは、ほら、通りを5分か10分歩くと、全く違う感じになるじゃないですか。雰囲気とか空気感とか」

 アニメやサブカルチャーの街である秋葉原は、独特の個性で“別世界”を演出していた。

アメリカなら1食分なのに…日本なら3食分以上、チップもなし

 そんな中、ロビーさんが気になったのが、日本の物価だった。

 日本人は物価高騰に苦しんでいるが、「どこもとても安いですよ。食べ物とかすべてです。アメリカと比べると、かなり安いですね」。

 電車に乗って驚き、料理を食べてまた驚いた。

「さっき乗ってきた地下鉄は、米ドルで2ドルくらいだったと思います。食事の値段は、本当に安いですよ。他の国の通貨を持ってくるとしたら、ですけど。アメリカでの1食分と同じ値段で、日本なら少なくとも3食は食べられると思います。それに、こっちは税金とか全部値段に含まれてるじゃないですか。アメリカだと、税金とかチップとかサービス料とか、全部追加しないといけないですから」

 確かに日本にチップ制はない。サービス料を請求されるのも、そこそこのクラスのレストランだけだ。

 リーズナブルという言葉は、時として安かろう悪かろうという意味で捉えられがちだ。しかし、日本は全く違う。高品質なものが、信じられないほど安いという意味が込められた。

 ロビーさんはさらに一例を挙げた。

「ユニクロで服をたくさん買いました。少なくとも10枚か15枚はシャツを買いました。僕はファッションは日本のほうがずっとよいと感じています。なんていうか、みんなのスタイルがすごく面白いと感じています。まあ、ここ(秋葉原)はそんなにですけど、でも渋谷は間違いなくそうですね。髪の色とか、そのスタイル、すべてです。とてもトレンディーで、クリエーティブです。だから、(日本の服は)すごくかっこいいです」

 かつて日本も、若者がこぞって海外旅行に出かけ、自国通貨の恩恵を受けてきた。しかし、現在は、長期にわたる経済低迷と円安により、世界の先進国から取り残され、新興国からの旅行者から見ても“過ごしやすい国”になった。

 もちろん、すべてが順調とは限らない。

 最大の壁は言葉の問題だ。日本語は、特に西洋圏の言語とはまるで異なる構造を持っている。そこへのストレスを減らすことが、より快適な旅になるとロビーさんは付け加えた。

「外国人として、違う扱いを受けるかもしれないとは感じます。というのも、明らかに日本はオーバーツーリズムの問題を抱えているじゃないですか。でも、僕は少しでもスムーズに過ごせるように、日本語を少し学ぼうとしてるんです。よく使うフレーズとかですね。もし日本語が分からなくてレストランに入ったら、間違いなく、言葉の壁で少し大変だと思います。だから、もし日本に来たい人がいるなら、絶対によく使うフレーズをいくつか覚えておくといいと言いたいです。すごく役立ちますよ」と締めくくった。

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