スタートダッシュ成功の『Shadowverse: Worlds Beyond』 運営型ゲームの宿命“インフレ”とどう付き合っていくのか

第1回を終えた『シャドババトルフェス』【画像:(C) Cygames, Inc.】
第1回を終えた『シャドババトルフェス』【画像:(C) Cygames, Inc.】

ゲーム内イベントにも見られる“盛り上がりを作る”ことの成功

 超進化と高コストカードの活かし方から視野を広げてみると、バトル以外でも『シャドバWB』は「狙って盛り上がりを作る」ことに注力し、一定の成功を収めている。

 先日、第1回が開催された『シャドババトルフェス』も、マッチング格差やクライマックスマッチの仕様などへの不満も見られたものの、多くのプレイヤーを巻き込む盛り上がりを見せた(だからこそ不満の声も大きくなったのかもしれない)。プレイヤーがロビーに集まってイベントの行く末を見守るという形は革新的で、そもそもロビーの存在しない『シャドバ』では絶対に見られない光景だった。第1回を通して知見を蓄え、より良い形で第2回以降を開催してくれると、プレイヤー目線では非常にありがたい。

 一つ懸念点があるとしたら、超進化に依存する強力なカードや、目新しさのあるゲーム内イベントは、いずれもいつか“ネタ切れ”を起こす可能性があるということか。そこは開発メンバーに入っているという元プロ選手たちの知見を活かしたり、さまざまな層のユーザーの声を幅広く拾ったりという、地道な積み上げによって解決していってほしいところだ。

『シャドバWB』は第3弾以降、2か月ごとに新パックをリリースしていくと発表されている。ここからが『シャドバWB』の“通常営業”であり、新作リリースに伴う話題性が落ち着くタイミングも重なりそうだ。いわば、タイトルとしての地力が試される時期。筆者のような前作から継続しているプレイヤーはともかく、今作から入った、それもデジタルカードゲーム(DCG)自体が初めてのようなプレイヤーにとって、継続に足るだけの要素を提供できるのか。ゲームバランスを維持しながらも派手なバトル、ワイワイと楽しめるゲーム内イベント。初心者を惹き付けてきたであろう両輪の行方に、特に注目していきたい。

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