日本は「レベルが違う」 スペイン人が体験した“真夏の大行列” その先にあった喜び…「本当に素晴らしい」

アニメや漫画、特撮など、日本発のポップカルチャーは今や世界中の人々を惹きつける大きな魅力となっている。東京では夏になると、人気作品の記念イベントや同人誌即売会など、多くのファンが集まる大型イベントが続々と開催される。今年もその熱気を体感しようと、世界各国から外国人ファンが日本を訪れた。スペイン・バルセロナ出身のフェリックスさんもその1人で、滞在中はイベントだけでなく書店や飲食店にも足を運び、日本ならではのカルチャーに触れながら充実した時間を過ごした。

「ロックマン」Tシャツを着用するフェリックスさん【写真:ENCOUNT編集部】
「ロックマン」Tシャツを着用するフェリックスさん【写真:ENCOUNT編集部】

コミケは2日間で約25万人が訪れた大規模イベント

 アニメや漫画、特撮など、日本発のポップカルチャーは今や世界中の人々を惹きつける大きな魅力となっている。東京では夏になると、人気作品の記念イベントや同人誌即売会など、多くのファンが集まる大型イベントが続々と開催される。今年もその熱気を体感しようと、世界各国から外国人ファンが日本を訪れた。スペイン・バルセロナ出身のフェリックスさんもその1人で、滞在中はイベントだけでなく書店や飲食店にも足を運び、日本ならではのカルチャーに触れながら充実した時間を過ごした。

 フェリックスさんが日本を訪れるのは今回で3回目。初来日時はおいと一緒だったが、今回は1人で11日間の旅を楽しんだ。この日が滞在最終日だという。

 旅のメインの目的は「ONE PIECE DAY」に参加すること。アニメ『ONE PIECE』の毎年開催される大型イベントで、今年は東京ビッグサイトで9日にプレミア前夜祭、10日に本イベントが開催された。音楽ライブや豪華キャスト・制作陣によるトークステージ、新作アニメやグッズの情報発表など、世界中のファンを魅了するコンテンツが数多く用意された。

 さらに、同所では16日・17日の2日間にわたって開催された日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット106(コミケ106)」にも参加。2日間で約25万人が訪れた大規模イベントで、「とても大きなイベントでした。問題は夏に開催されるので、外で長い列に並ぶのがとても大変でした。でも一度中に入ってしまえば、本当に素晴らしかったです」と満足そうに振り返った。

「バルセロナにも大規模なコンベンションはありますが、大手出版社向けのイベントです。ヨーロッパのコミケは同人誌が中心で、私の国の同人誌はそのイベントのごく一部に過ぎません」と話し、同人誌だけでなくイラスト・グッズ・音楽CD・コスプレまで幅広く取りそろえる日本のコミケの規模の大きさに驚きを見せた。

 そして、「日本の漫画のレベルは本当に最高。日本に来ると必ず書店に行きますが、どのジャンルも品ぞろえがびっくりします。私の国では漫画の種類がずっと少なくて、少年誌や少女誌など人気のあるものはありますが、日本の豊富さには及びません」と、日本の出版文化に対する敬意も口にした。

「パワーレンジャー」は、日本の特撮番組「スーパー戦隊シリーズ」がベース

 滞在中は渋谷で人気ラーメンチェーン「一蘭」のラーメンも堪能。「一蘭のラーメンは本当においしい。ラーメンは世界中でどんどん人気が高まっていて、私の国にもラーメン店が増えています」と笑顔を見せた。

 東京という街にも大きな魅力を感じたようで、「田舎には行ったことがありませんが、東京は人や商品がたくさんあります。歩いて1分もしないうちにカフェやディズニーのポップアップストアがあるのは本当にすごい」とその印象を語った。

 さらに、旅の記念にアクションゲーム『ロックマン』や歴代スーパー戦隊がプリントされたTシャツも購入。「パワーレンジャーはスーパー戦隊がアメリカ風にアレンジされたもの。私が子どもの頃、テレビでパワーレンジャーを見ていました。数年前にパワーレンジャーが日本のスーパー戦隊から来ていると知りました。それで、日本のスーパー戦隊を見始めたらとても気に入りました」と、幼い頃からの思い入れを明かした。

 1993年に全米放送がスタートした『パワーレンジャー』は、日本の特撮番組『スーパー戦隊シリーズ』をベースに制作された実写ヒーロー作品として知られる。現在までに30作以上が放送されるなど、欧米でも高い人気を誇っている。

 フェリックスさんにとって今回の旅は、好きな作品をきっかけに日本とつながる喜びを実感する時間となった。世界中のファンを惹きつけるカルチャーの力は、今後もさらに広がっていきそうだ。

次のページへ (2/2) 【写真】フェリックスさんが「とても気に入った」購入品
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