【電波生活】ザ・たっち、体重そろえる徹底ぶり 番組Pが「プロ双子」と絶賛する『それって実際どうなの会』舞台裏
“黄金比ダイエット”や米と麺はどっちが太るのかなど世に溢れるウマイ話や疑問を検証するTBS系バラエティー『巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会』(水曜午後8時)。双子のお笑いコンビのザ・たっちは検証前2人同じ体重で登場して番組を盛り上げ、チャンカワイは大量の食事を食べる体当たり検証で視聴者を引き付ける。ザ・たっちはどうやって同じ体重にしているのか。チャンカワイはなぜ毎食1キロ前後も食べるのか。簑羽慶プロデューサーに舞台裏を聞いた。すると驚くほど誠実でストイックな姿勢が明らかになった。

検証に真摯に臨むチャンカワイ「限界を僕に探らせてください」
“黄金比ダイエット”や米と麺はどっちが太るのかなど世に溢れるウマイ話や疑問を検証するTBS系バラエティー『巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会』(水曜午後8時)。双子のお笑いコンビのザ・たっちは検証前2人同じ体重で登場して番組を盛り上げ、チャンカワイは大量の食事を食べる体当たり検証で視聴者を引き付ける。ザ・たっちはどうやって同じ体重にしているのか。チャンカワイはなぜ毎食1キロ前後も食べるのか。簑羽慶プロデューサーに舞台裏を聞いた。すると驚くほど誠実でストイックな姿勢が明らかになった。(取材・文=中野由喜)
まずは検証するテーマ選びのポイントを聞いた。
「“気になるウマイ話”をキーワードとして身近なことを大事に、自分でやるには手間だったり、時間がかかったり、お金がかかりそうなことを番組でやろうと意識しています。たとえば一時期お米などを控える“糖質制限ダイエット”が流行りましたが、一方でバランスのいい食事の方がやせるという専門家も多くいました。こうした、定説とされていた事が動いたり、その答えに興味・疑問が生まれた時にこれだ! と検証テーマを選ぶようにしています。視聴者の方の反応からも、やはり興味を持たれるのは基本的には健康とお金の話だと感じます」
ザ・たっちは検証スタート時、同じ体重で登場する。たとえば、たくやが麺、かずやが米を同量食べた場合どっちが太りやすいかを検証する際、視聴者も体重の変化を計算しやすい。では体重をどうそろえているのか。
「すごいんです。意気込みも。軽量前のボクサーのよう。100グラム単位まで体重をそろえて撮影に臨んでくれますから。2人のロケは月に1度、4日間行っていますが、ディレクターからロケの1週間前には互いに体重を報告し合っていると聞いています。1週間前からどちらかが飲み会に行ってもお酒は飲まないようにしたり、他の番組で提供される弁当も同じ量を食べ、お菓子も同じ数を食べるようにしているそうです。おそらくロケ以外は食べる物と量は1年中ほぼ一緒にしているはず。僕らはプロ双子と呼んでいます。舞台裏で苦労を重ねてスタートラインに立っています。尊敬します。差し入れも検証が終わるまで決して食べません。この番組だけしか仕事をしない4日間をスケジュールに組み入れるのは大変なこと。2人は自分たちにしかできないことを誇りに思ってくださり、真摯(しんし)にやってくれています」
体当たり検証のチャンカワイの魅力も聞いた。たとえば、ある栄養素を食前に摂ると太らないという説を検証する際は約1キロもの量の食事を朝、昼、晩の3食を3日間食べ続け、4日目に体重を計測する。
「ザ・たっちさんはリアルで、チャンさんはファンタジーです。人間は同時に2つのことを試せないので、その差を見せるという意味でたっちは超リアル。チャンさんの場合はAという説があると、その限界を知りたいという検証。魚介類は食べても太らないという説があると、ある程度おなかが満たされる量を食べた場合の検証データはあっても、おなかがはちきれんばかりの量を食べたデータがないので、その限界を僕に探らせてくださいと言う。本当にまじめ。遠くを見ると目が良くなるという説を検証した時は、休憩中も携帯電話も見ませんでした。仕事の連絡は口頭で伝えていたそうです」
チーム感を生み出す“あえて”のこだわり
食後、ザ・たっちはゲームをして過ごしていたり、チャンカワイはゴロゴロしている姿がよく映しだされる。テレビで放送されていない時間も気になる。
「チャンさんはとにかくいっぱい食べて、4、5時間ほとんど横になって消化しています。あとはスタッフと談笑するくらい。ザ・たっちさんはゲームだけでなく2人で同じように動いて消費カロリーをそろえる努力をしています。食時と食事の間の4、5時間は偽りなくテレビで紹介されているままです」
ロケ現場の滞在時間は毎日十数時間だそうだが、正確な検証データのため帰宅後も何も食べずに過ごしているのだろうか。
「契約を交わしているわけではありませんが最初に彼らにお願いしたのは検証結果をありのまま伝えるという番組の使命があるので視聴者を裏切るような編集も、行為もしないという約束をしています。だからうっかり差し入れを持って行っても絶対に食べたりしません」
制作陣の舞台裏の努力やこだわりを聞いた。
「こだわりがあり、1企画、1出演者、1ディレクターにしています。つまりチャンさんの企画はチャンさんにしかやってもらわないし、ディレクターも常に同じ人物が担当しています。今の時代、持ち回りでやる番組も多い中、あえて1企画、1出演者、1ディレクターにこだわるのはチーム感が生まれるから。検証を左右する余計なストレスが生まれないようにもなります。各企画のチームには他の企画、他の番組に負けたくない気持ちも芽生えています。その姿にほだされ、ザ・たっちさんもチャンさんも検証に真摯に臨んでくれていると思います」
最後にMCの俳優・生瀬勝久と満島真之介の起用理由も聞いた。
「世に中のリアルには、いろんな役と経験を積んでいる役者の2人でも、こんなに驚くという姿を視聴者に届けたいと思っています。生瀬さんはスタジオでも家でテレビ見ている時とほぼ一緒だと言っていますけど、あえてプロのMCのようなスタイルではやっていません。そこが生瀬スタイル。検証に疑問があると『間違ってない?』と僕らに文句も言ったりしますから(笑)。バラエティーの司会が本業ではない方たちが世の中のリアルを見た、その反応を見てほしいです。目がガッと大きくなって驚く姿。あれがいいです」
