マック限定ポケカ、“高額買い取り”の実態とは 「法律に違反しているわけではない」と主張も
日本マクドナルドが9日からハッピーセット「ポケモン」に付属して配布した限定のポケモンカードが、都内のトレーディングカード専門店で高値で買い取りされていることが分かった。2枚入り1パックの買い取り価格が2000円という店もあり、商品価格の約4倍に。カードの転売に拍車をかける状況が浮き彫りとなった。

複数のポケカ・トレカ専門店に聞いた
日本マクドナルドが9日からハッピーセット「ポケモン」に付属して配布した限定のポケモンカードが、都内のトレーディングカード専門店で高値で買い取りされていることが分かった。2枚入り1パックの買い取り価格が2000円という店もあり、商品価格の約4倍に。カードの転売に拍車をかける状況が浮き彫りとなった。
ハッピーセット購入者に配布されたカードは1パック2枚入りで、オリジナルイラストのピカチュウのカードと全5種類の中からランダムにもう1枚が入っている。カード目当てに客が殺到し、配布は3日間の予定が、ほとんどの店で初日に終了。同社は、「早期の配布終了により、楽しみにしてくださっていたお客様のご期待にお応えできなかったことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
さらに、今回は1人5セットまでと制限が設けられていたが、ネット上では転売ヤーが大量購入する様子やカードだけ引き抜かれ、食品が破棄された光景が続々と投稿され、大きな物議を醸した。
ハッピーセットは、ハンバーガーなどの種類によって、510円から540円で販売されている。
このカードがカード取引市場で実際、いくらで買い取りされるのか。

ENCOUNTは、都内に実店舗を持つ複数のトレーディングカード店を訪れた。
すると、驚きの買い取り価格が明らかになった。
外国人が店頭に立つ店では、1パック2000円で買い取ると明言。「開封してなくても、開封していても買い取ります。開封しているカードは状態を見ます」と話した。人気の高いピカチュウのカードが入っていることが理由だという。レジ横のケースを開けると、すでに未開封の配布カードが入っていた。
また、別の店は、1パックあたり1200円という買い取り値をつけた。店員は、「買い取らないところが多いでしょう。うちも販売しないように言われているけど、法律に違反しているわけじゃない」と説明。ただし、ハッピーセットを巡る混乱や転売ヤーへの世間の怒りを考慮し、店頭での販売は“時期尚早”と判断。「しばらく時間をおいて、荒れているのが収まれば、店頭にも出します」と付け加えた。
一方で、買い取りを拒否する店もあった。ある店では、買い取りの可否を尋ねると、開封状態を確認した上で、「未開封・開封済み問わず買い取りはしていない」と答えた。別のチェーン展開する店では、「マクドナルドのポケモンカードは、うちでは買い取りできません。全店舗で禁止しています」との姿勢を示した。ただ、配布カードの需要については、「コレクターがいる以上は価値がつくと思う」と認めた。
今回のポケモンカードは、フリマサイトで高額出品が相次いでいる。マクドナルドは、「一部のお客様による悪質な買い占め・転売行為を可能な限り抑制するため、各フリマアプリ運営事業者様に対しても、より実効性のある対策を要請してまいります」と表明した。ただ、ネット上を規制できたとしても、実店舗ではハッピーセットの約4倍の値段で買い取りされている。転売ヤーにとっては“うまみ”がある状況で、難しい対応を迫られそうだ。
