【べらぼう】橋本愛が高岡早紀に“人生相談”「もし自分が結婚、出産など経験した場合…」

俳優・橋本愛が、蔦屋重三郎の妻・ていを演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、本好きなていへの思いやトレードマークのめがね、さらに大河ドラマで主人公の妻を演じるのが3度目となる心境などを明かした。

ていを演じる橋本愛【写真:(C)NHK】
ていを演じる橋本愛【写真:(C)NHK】

蔦重の妻・ていを熱演 トレードマークに眼鏡に「ないと恥ずかしくなり…」

 俳優・橋本愛が、蔦屋重三郎の妻・ていを演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、本好きなていへの思いやトレードマークのめがね、さらに大河ドラマで主人公の妻を演じるのが3度目となる心境などを明かした。

 作品は、横浜流星が主演を務め、18世紀半ばに江戸のメディア王として時代の寵児(ちょうじ)となった“蔦重”こと蔦屋重三郎を軸に描く痛快エンターテインメント。橋本も読書好き。本を愛し、本の力を信じるていへのシンパシーから尋ねた。

「ていが本で読んだ人の人生を豊かにしたいと言ったシーンがありましたが、それは私自身も実感をともなって大切にしていること。私も本や映画、いろんなエンターテインメントによって自分の人生を豊かにしてもらった恩のようなものがあり、その恩返しをしたい気持ちがあります。エンターテインメントを作る側の人間としてこの作品が届いた誰かの人生を豊かにしたり、力になったりすることを知っているから誠意をもって作品作りをしています。ていが本を作る上での気持ちと共鳴しているところがあると思います」

 真面目できっちりした印象のていと、自身のギャップを感じることはあるだろうか。

「いっぱいあります(笑)。私は基本的にずっと大笑いしている人間なので、笑わないのは難しいです。真面目な部分は同じだけれど、私自身は常に緩さを心がけていますし。でも自分にない要素を表現するのは面白いです。自分のクリエイティブが試されるというか、発想する時間も楽しいです」

 黒いめがねがていのトレードマーク。祝言のシーンでは眼鏡を外した。眼鏡をかけている時、外した時の気分はどうか。

「これから先、めがねを活用するシーンが出てきますが、めがねをかけている時の方が落ち着きます。ていのふん装になるとめがねがないと恥ずかしくなり、あまり見ないでという気持ちになるんです(笑)」

『西郷どん』『いだてん~東京オリムピック噺~』『青天を衝け』に続き3度目の主人公の妻役。オファーを受けた時の気持ちを聞いた。

「ご縁をすごくうれしく思いました。大河ドラマのように長い作品は他にないですから、役への愛情が段違いなんです。演じてきた役が大好きで、今もその魂が残っていると日常生活で感じるぐらい強く刻まれるんです。長い作品を集中して演じられるのはとても好きですし、ありがたいです。なので、今回も参加できると聞いた時はうれしかったです。一方で、主人公の妻が重なって、飽きられないかなとか、少し否定的な気持ちを抱かれる方もいるのでは、と考え、全く違うように演じたいと思いましたし、これで最後と思うくらいの気合で演じようと思いました」

ていを演じる際は「めがねがないと恥ずかしく」【写真:(C)NHK】
ていを演じる際は「めがねがないと恥ずかしく」【写真:(C)NHK】

主演の横浜流星は「ストイックで実直」

 主演・横浜流星との共演の感想と座長ぶりはどうだろう。

「第一印象は、すごくストイックで実直で、誠実な方。着物姿がまるで武士のようで、本当に斬られそうだなと思うくらい迫力のある佇まいだなと。でも実際にお話をしてみると、すごくフランクでユーモアのある方。周りを笑わせたり、誰に対してもフラットなコミュニケーションを取られていて、私としては心強く、いつも助けられています」

 蔦重の母を高岡早紀が演じている。高岡の印象も聞いてみた。

「これから先もし自分が、結婚、出産などを経験した場合どうしたらいいのか、という相談を高岡さんに持ちかけ、仕事との両立や子育てについて聞いています(笑)。私は自分自身を世話するのに精いっぱいで、子どもは大好きなのに、子どもを育てるということが怖くて、想像できなくて。もしそうなったら私、いけますかね?と聞いたら、高岡さんが『できるよ』と勇気づけてくださいました」

 蔦重には瀬川という過去に愛した女性がいたことをていは知っている設定なのか。

「自分の中では知らない設定で演じていました。噂話で蔦重には過去に大切な人がいたと聞いていてもおかしくはないとは思っていましたが、知らないふうに演じています」

 森下佳子さんの脚本の魅力をどう感じているだろうか。

「一つは、登場人物それぞれの背景や人格を、至極丁寧に描いているところが好きです。また男性中心の物語の中で、女性が自分自身の人生を生き抜く強さを描いているところも好きです。今よりもっと抑圧された時代背景の中で、女性の主体的な生き様をお芝居に反映できるよういつも意識しています。これからていさんは、どんどん一人の女性として自立していきます。時には蔦重さんと衝突しながらより対等な関係性になっていき、女将としての責任感がより一層強くなっていきます」

 大河ドラマは4回目の出演。大河で学んだことを聞いてみた。

「自分の趣味的な範囲で言うと所作がすごく勉強になっています。『西郷どん』以降3作、所作指導の先生が付いてくださり、いろいろ教えていただいていました。タスキのかけ方、畳の歩き方などゼロから教わりましたが、ついに『べらぼう』からクランクイン前の所作指導がなくなったんです」

大河は「次は主人公でお願いします(笑)」

 大河ドラマの出演経験を今後、どう生かしていきたいと考えているだろう。

「着物を着た所作やふるまいなど、他の作品でもブラッシュアップしていきたいです。それから、まだ分からないですが、今回初めて、最終話まで出演できそうなんです。途中参加ではありますが、きっと言いようのない感慨が押し寄せるだろうし、それこそ大きく長い河を流れてきたような体験は絶対、今後に生かされると思います。主演の横浜さんをはじめ、長い間共に歩んできたスタッフ・キャストの皆さまと一緒にゴールテープを切れると思うとすごくうれしいです」

 大河4度目への意欲も聞いた。

「主人公の妻はもう最後と思っているので、じゃあ、次は主人公でお願いします(笑)」

 最後に今後の見どころを教えてくれた。

「今後世の中が後戻りしていく様子は、現代の時勢ともどこか重なる気がしています。そんななか蔦重さんやていさんがどのように生き抜くのか。書はどのように、世を耕すことができるのか。ぜひ見守っていただきたいです」

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