磯野家の隣人は「伊佐坂一家」じゃなかった? しれっと消えたアニメ人気キャラのその後

『サザエさん』や『ドラゴンボール』など、幅広い年代の人から人気を集める国民的アニメでは、多くの人気キャラが誕生し、物語を盛り上げている。そのなかには強烈な存在感を発揮しつつも、いつの間にか登場しなくなってしまうキャラも少なくない。

フジテレビ系『サザエさん』に登場する「浜さん一家」は一体どこに…【写真:ENCOUNT編集部】
フジテレビ系『サザエさん』に登場する「浜さん一家」は一体どこに…【写真:ENCOUNT編集部】

星矢と共通点の多いあのキャラはなぜ消えた?

『サザエさん』や『ドラゴンボール』など、幅広い年代の人から人気を集める国民的アニメでは、多くの人気キャラが誕生し、物語を盛り上げている。そのなかには強烈な存在感を発揮しつつも、いつの間にか登場しなくなってしまうキャラも少なくない。

 例えばアニメ『サザエさん』に登場する「浜さん一家」は一体どこに行ってしまったのだろうか。そもそも「浜さん一家」は同作の主人公であるサザエさんが暮らす磯野家の隣人として、1978年5月7日に放送された「突然のお隣さん」で登場している。その後も準レギュラー的な立ち位置で定着していたものの、いつの間にか磯野家の隣人は「伊佐坂一家」に変わってしまっていた。

 最近の視聴者からすると磯野家のお隣さんといえば「伊佐坂一家」の方がなじみ深いだろう。それもそのはずで、元お隣さんの「浜さん一家」は調べてみると85年3月31日に放送された「早春伊豆長岡の別れ」にて、体調が悪い浜夫人の療養のため、空気のいい静岡・伊豆に引っ越していたのだ。

 ちなみにこの回の放送で磯野家と親交の深い波野ノリスケたち「波野一家」は愛知・名古屋に転勤するなど、『サザエさん』きっての別れを集約したエピソードだった。その後、85年7月21日に放送された「お隣の大先生」にてお隣さんとして「伊佐坂一家」が登場している。

 その他、サザエさんがよく買い物をする三河屋のご用聞きが三平から三郎に変わるエピソードも同じく85年に放送されており、85年は別れと出会いの多い年だったようだ。

 いつの間にかいなくなったキャラといえば、アニメ『ドラゴンボール』に登場し、主人公・孫悟空を苦しめたギニューもそのひとりだろう。

 ギニューは『ドラゴンボールZ』では第61話から、『ドラゴンボール改』では第28話からフリーザの配下であるギニュー特戦隊のひとりとして本格的に登場。ギニュー特戦隊のリーダーであり、他人と体を入れ替える技「ボディチェンジ」を使って一時は悟空の体を手に入れたギニューは、フリーザ編でもトップレベルの強敵といえる。

 悟空たちを苦しめたギニューだが、原作漫画『ドラゴンボール』(作:鳥山明)第25巻に掲載されている其之二百九十「ギニュー敗れる!!!」で、ベジータとボディチェンジしようとしたが誤ってカエルになってしまった描写以降は登場していない。

 漫画版とは異なり、アニメ版ではカエルになったギニューにブルマが翻訳装置をつけたことで、ブルマの体を乗っ取ることに成功する。その後、今度はピッコロの体を乗っ取ろうと企むも、悟飯がカエル(中身はブルマ)を投げてボディチェンジを妨害することで、結局ギニューはカエルに戻ってしまうのだ。

 ちなみにアニメ『ドラゴンボール超』でカエル姿のギニューは、フリーザ軍の残党であるタゴマに筆談でチェンジと言わせることで、タゴマの体を乗っ取ることに成功。タゴマの姿で再びベジータと対峙するが、ベジータのエネルギー波によって消滅する最期となった。

 また、アニメ『聖闘士星矢』に登場する「一角獣星座(ユニコーン)の邪武」もいつの間にか消えたメインキャラとして有名だ。

 そもそも邪武は物語の序盤では登場することが多く、当初は主人公・星矢のライバルのように描かれていた。星矢とともに聖闘士たちがトーナメント形式で争う大会・銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)に参加した際、邪武は1回戦で子獅子星座の蛮を瞬殺する実力を見せつけている。

 しかし、2回戦での相手・アンドロメダ星座の瞬に邪武はまったく歯が立たず敗北し、さらに乱入してきた鳳凰星座の一輝にもあっさり倒されてしまう。この敗北の後から、当初の目立っていた様子がウソのように邪武の登場シーンはなくなるのだ。

 そんな邪武だが、2012年から放送されていたアニメ『聖闘士星矢Ω』(オメガ)では、主人公・光牙のルームメイトで相棒的存在・蒼摩のパワーアップを手伝う師匠として再登場している。さらに同作第94話「希望の闘士!聖闘士の絆!」では敵の指揮官であるエーギルを往年の必殺技「ユニコーン・ギャロップ」で圧倒する様子が描かれた。

 邪武の活躍を見たファンからはSNS上で「不遇の代名詞とも言える邪武にこんな見せ場を用意するなんてΩスタッフの旧作リスペクト精神には本当に頭が下がる」や「邪武ひいきとしては最高にうれしい」など喜びの声があがっている。

 アニメのなかで一時的でも目立つ役割を担っていたキャラが、いつの間にか登場しなくなるのはファンにとって悲しい展開だ。しかし、忘れたころに昔のメインキャラが登場することも少なくない。もし推しのキャラが登場しなくなってしまっても、作品を楽しみつつ再登場を期待するのもアニメの楽しみ方のひとつだろう。

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