西島秀俊、台湾女優・ルンメイの演技に感動 理想の俳優像について「見つめ直す機会をくれた」
俳優の西島秀俊が5日、7月27日に閉館した劇場「丸の内 TOEI」で開催された映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』(9月12日公開、真利子哲也監督)の完成報告会見に、台湾の俳優・グイ・ルンメイとともに登壇。初共演のルンメイの印象を語った。

海外作品は「挑戦しがいがある」
俳優の西島秀俊が5日、7月27日に閉館した劇場「丸の内 TOEI」で開催された映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』(9月12日公開、真利子哲也監督)の完成報告会見に、台湾の俳優・グイ・ルンメイとともに登壇。初共演のルンメイの印象を語った。
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同作は、日本×台湾×米国の合作で送るヒューマンサスペンス。ニューヨークで暮らすとあるアジア人夫婦の息子が誘拐され、この事件をきっかけに夫婦が抱える秘密が浮き彫りとなり、家族が崩壊していく姿を描いた。ニューヨークの大学で助教授を務め、廃墟研究科でもある賢治を西島、その妻・ジェーンをルンメイが演じる。
オファー時の心境について西島は「真利子監督のファンだったので、とにかくご一緒したいってところがありました」と言い、出演を決めた理由を「文化の衝突や家族関係の難しさであったり、今まさに直面していて解決法が見つかっていないテーマが多く含まれている脚本だったので、参加したい、問題に向き合ってみたいと思って出演を決めました」と話した。
2人は同作が初共演。お互いの印象を聞かれると、西島は「ルンメイさんは、アジアを代表するすばらしい俳優さんです。とにかくすべてを作品に投げ出す方で、1か月半撮影しましたが、休みのときも役のことに集中されて、準備を丁寧にされていました。向き合ったときは『こんなにナチュラルに演技する人がいるんだ』と感動しましたね」と称賛し、さらに「僕自身、どういう演技が、俳優が理想だったのかってことを、改めて見つめ直す機会をくださりました」と続けた。
これに、ルンメイは「ありがとう」と感謝し、「私としても、西島さんと仕事することは大変光栄なこと。ファンの1人として、これまでたくさんの作品を見てきました。どの作品も好きです」と声を弾ませた。続けて、西島の印象を「とても落ち着いていますが、心の中には無尽蔵のエネルギーを持っているのではないかなと。例えるなら、大きな木です。その下で思う存分、遊園地のように遊ぶことができる。役者として、このような俳優と共演できることは本当に幸せなこと。現場には万全の準備をしたうえで向かい、西島さんからのエネルギー受けながら自由に演じていけばいいのだと。幸せでした」と口にした。
この日は、全編ニューヨークでロケを実施した感想も求められていた。西島は「インディペンデント映画ってことで、インする前は『コミュニケーションを取って自分を知ってもらってから撮影をしないと、なかなかスムーズに進まないのでは……』と不安でしたが、現場に入ってから不安は全くなくなりました。『映画を撮る』という共通言語があり、それは世界中あまり変わらない。集まっているキャストは同じ方向に向かっていたので、現場でのストレスやぶつかりあいは全くなかったです。改めて海外の企画でいろいろな国の人たちが集まることは、挑戦しがいがあること。実際に思っているより豊かで分かりあえるすばらしい時間を過ごせるものなんだなと、改めて感じました」と振り返っていた。
完成報告会には、真利子監督も出席した。
