朝ドラでインパクトの25歳・中沢元紀、今は『最後の鑑定人』で刑事役…「ずっとやってみたかったんです」

NHK連続テレビ小説『あんぱん』に出演してインパクトを残した俳優・中沢元紀(25)が、今はフジテレビ系連続ドラマ『最後の鑑定人』(水曜午後10時)で若手刑事の都丸勇人役で出演している。同作は、科学捜査の“最後の砦”と称される敏腕鑑定人・土門誠(藤木直人)が、数々の難事件に立ち向かうサイエンスミステリー。ENCOUNTは中沢に事件現場と土門をつなぐ“橋渡し”的な存在を演じる思いや自身の歩み、俳優としてのビジョンを聞いた。

着実に俳優としてのキャリアを積む中沢元紀【写真:くさかべまき】
着実に俳優としてのキャリアを積む中沢元紀【写真:くさかべまき】

フジ系連続ドラマ『最後の鑑定人』に出演中

 NHK連続テレビ小説『あんぱん』に出演してインパクトを残した俳優・中沢元紀(25)が、今はフジテレビ系連続ドラマ『最後の鑑定人』(水曜午後10時)で若手刑事の都丸勇人役で出演している。同作は、科学捜査の“最後の砦”と称される敏腕鑑定人・土門誠(藤木直人)が、数々の難事件に立ち向かうサイエンスミステリー。ENCOUNTは中沢に事件現場と土門をつなぐ“橋渡し”的な存在を演じる思いや自身の歩み、俳優としてのビジョンを聞いた。(取材・文=生島マキ)

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 中沢は『あんぱん』で、兄の柳井嵩(北村匠海)に影響を与える弟・柳井千尋役を好演した。千尋の戦死が分かったことで、「千尋ロス」に嘆く視聴者もいたが、中沢は今、『最後の鑑定人』で熱くフレッシュな刑事を演じている。その役どころを自身で説明した。

「都丸は、若くて真っすぐで、すごく熱い男です。事件に対して一生懸命で、向上心があるけれどもおちゃめなキャラクターです。土門先生に『単純なタイプですね』と笑われるくらい(笑)。でも、その真っすぐさがすごく魅力的だと思っています。素直で、本当にかわいらしい役です」

 以前、『あんぱん』の千尋役について聞かれた際には、「彼は感情を100%出さないタイプで、自分と似ている」と語っていたが、都丸は一転して感情が顔に出てしまうタイプだ。

「都丸は、思ったことがすぐ顔に出るし、行動にも表れやすいタイプ。だから僕自身も、ぶつかっていく“若手らしさ”を大切にしています。ただ、都丸は若手でも28歳の巡査部長という設定なので、未熟に見えすぎないように意識しました。あと、僕は文系で科学や捜査の専門用語は正直なじみがなく、それも都丸と重なるところなんです。土門先生の話に『?』マークを浮かべるシーンもあるし、自分がつまずくところが、逆にリアルにつながる感覚があります。そこは、演じていてすごく面白かったですね」

カメラに向って満面の笑みを浮かべる中沢元紀【写真:くさかべまき】
カメラに向って満面の笑みを浮かべる中沢元紀【写真:くさかべまき】

 そんな中沢は、2017年4月期に小栗が主演したカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』を見て、「自分も特殊警察もののアクションをやりたい」と思って俳優を志したという。21年には、小栗と同じ芸能事務所に入所した。翌22年からはオーディションを勝ち抜いて役をつかみ、フジテレビ系『ナンバMG5』で連続ドラマ初出演。翌年23年には映画『沈黙の艦隊』でスクリーン進出。同年10月期には、TBS系連続ドラマ『下剋上球児』でエース投手・犬塚翔を演じて知名度を高めた。

 24年には、テレビ東京系連続ドラマ『ひだまりが聴こえる』で小林虎之介とダブル主演。着実に階段を上り、初の朝ドラ出演から今につなげている。そんなキャリアを踏まえ、中沢は言った。

「まさか自分が役者になるとは思ってもみませんでした。昔はとにかく恥ずかしがり屋で、親の後ろに隠れるような子どもでしたから。クラスの中心にいこうともしなかったし、目立って発信するタイプでもなかったんです。でも、最近は『自分から動いた方が楽だな』って感じるようになったんです。北村匠海さんとも積極的に話せるようになったし、そういうちょっとした変化が自分の中で大きな転機になっている気がします」

 俳優として勢いに乗る中、中沢の初写真集が10月にワニブックスから刊行されることも発表された。すでに撮影を終えているという。

「1年かけて撮ったんです。春夏秋冬それぞれの季節に髪形や体形、表情も違っているので、本当にバリエーションがあると思います。地元に帰った僕も写っているので、いろんな僕を見てもらえるんじゃないかな。実は僕も中身は見ていないんですけど、きっと『成長したね』って自分でも感じるようなものになっていると思います」

今月6日放送『最後の鑑定人』第5話から 真剣な表情の都丸勇人(中沢元紀)と後方に立つ鑑定所研究員の高倉柊子(白石麻衣)【写真:フジテレビ提供】
今月6日放送『最後の鑑定人』第5話から 真剣な表情の都丸勇人(中沢元紀)と後方に立つ鑑定所研究員の高倉柊子(白石麻衣)【写真:フジテレビ提供】

 忙しい日々の中で、大切にしているリフレッシュ法も聞いた。

「映画館に行くのが好きです。日本映画をよく見ますし、最近は『夏の砂の上』を見ました。すごく良かった。そういった作品を見る度に『この役やってみたかったな』って思っちゃいますよね。あとは料理をするのも好きです。節約や健康のためでもあるけれど、最近は『料理人の役も演じてみたい』と思うようになって。そうやって、日々の暮らしが次の役につながっていくのが楽しいですね」

 表現者としての幅を広げ続けている中沢は、刑事役について問うと「ずっとやってみたかったんです。念願が叶って今、演じられていることが本当にうれしいです」と声を弾ませた。まだ25歳。今後もさまざまな役に挑んで成長を期す。

□中沢元紀(なかざわ・もとき) 2000年2月20日、茨城県生まれ。22年に俳優デビューし、同年4月期にフジテレビ系連続ドラマ『ナンバMG5』に出演。23年には映画『沈黙の戦隊』で映画初出演を果たす。TBS系連続ドラマ『下剋上球児』でエース投手の犬塚翔役を演じて注目を集める。特技はハンドボール、書道。183センチ。靴のサイズ28センチ。血液型O。

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