人気絶頂のさなかの今年5月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)での連載が完結し、漫画版はシリーズ累計発行部数が8000万部を突破、アニメも人気を集めている「鬼滅の刃」が、フジテレビで10月に2週連続で放送することが決定した。これまで複数のローカル局で深夜放送はされてきたが、地上波の全国ネットのゴールデン・プライム帯(午後7時～午後11時)で放送されるのは初となる。

　人と鬼との切ない物語に鬼気迫る剣戟、時折コミカルに描かれるキャラクターたちが人気を呼び、昨年テレビアニメ化。LiSAが歌う主題歌「紅蓮華」も大ヒットした本作は、10月には「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の公開も控えている。超人気作の地上波放送が土曜プレミアムとして実現となる。

　10月10日午後9時放送の第1夜は、アニメ「鬼滅の刃」の第1話～第5話で構成された先行上映版「兄妹の絆」だ。2019年4月のテレビアニメ放送開始に先がけて期間限定で劇場上映されており、主人公・竈門炭治郎が鬼を退治する剣士“鬼殺隊”に入隊するまでを描く。大正時代の日本。炭を売る心優しい少年・炭治郎の日常が、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異してしまった妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、2人が旅に出るところから物語は始まる。

　10月17日午後9時放送の第2夜は、アニメ第15話～第21話で構成され、ファンの間では「神回」と呼ばれる話を含む「那田蜘蛛山編」を放送。炭治郎が鬼殺隊同期で仲間の我妻善逸と、嘴平伊之助と共に那田蜘蛛山での戦いの応援を命ぜられる。炭治郎は圧倒的な強さを誇る鬼と対峙。その強さの前に炭治郎は追いつめられ、命の危機に見舞われる……。炭治郎と妹・禰豆子が力を合わせて戦うことで兄妹の真の絆がみられる重要な場面に、原作者から「作画、演出、音楽すべてがすごすぎて作者もボロ泣きしました」というコメントが寄せられたほどの内容となっている。

　さらに、「全集中！アニメ『鬼滅の刃』一挙放送」と題して第6話～第14話、第22話～第26話の全話を放送する(関東ローカル)ことも決まった。今回の土曜プレミアムと合わせるとアニメ「鬼滅の刃」＜竈門炭治郎 立志編＞のすべてを網羅する一挙放送となる。

「私はアニメの作品イベントが好きなのですが、好きな理由の一つは“みんなで一斉に楽しめる、一緒に感動できる”からです。全国ネットのテレビ放送は、全国の方々が一斉に楽しめ、同じ番組で一緒に感動できる、ある種イベント的なものだと感じており、フジテレビ土曜プレミアムでの放送という新たなイベントにとてもワクワクしています。
　上演作は、テレビアニメ放送前に一部映画館で上映していた『兄妹の絆』、今回の放送用に第15話～第21話を再編集した『那田蜘蛛山編』、どちらも見どころあふれる、2時間を超える長編作品です。ぜひ、楽しんでいただけたらうれしいです」

「劇場版『無限列車編』の公開に合わせて、アニメ『鬼滅の刃』をもっと多くの方にご覧いただきたいという、いちファンとしての純粋な思いから、この度の一挙放送企画を提案しました。放送形態には悩みましたが、炭治郎と禰豆子の長く厳しい旅の始まりの物語である『兄妹の絆』と、ファンの間でも“神回”として名高い第19話『ヒノカミ』を含む『那田蜘蛛山編』を、2週連続の長編作品としてお送りすることにしました。今まで興味はあったけどまだ見たことなかったという方も、この機会にぜひアニメ『鬼滅の刃』の世界に触れていただけると幸いです！」