元AKB48島崎遥香、“塩対応”イメージに変化 YouTube活動開始で「世間の目が変わった」
元AKB48で俳優の島崎遥香が今月31日からスタートするCBCテレビ連続ドラマ『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』(木曜深夜0時58分、放送後TVerで配信)で主演を務める。“恋愛感情がない世界”の中でセクシャルマイノリティとされる“恋愛の感情”を持つ「レンアイ」である乙葉を演じている。31歳の島崎がこの役を挑むにあたり、新たな試みを取り入れたこと、俳優としてのターニングポイント、「塩対応」のパブリックイメージに変化が起きていることについて語った。

アクティングコーチと取り組み「これまでと全てが変わった」
元AKB48で俳優の島崎遥香が今月31日からスタートするCBCテレビ連続ドラマ『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』(木曜深夜0時58分、放送後TVerで配信)で主演を務める。“恋愛感情がない世界”の中でセクシャルマイノリティとされる“恋愛の感情”を持つ「レンアイ」である乙葉を演じている。31歳の島崎がこの役を挑むにあたり、新たな試みを取り入れたこと、俳優としてのターニングポイント、「塩対応」のパブリックイメージに変化が起きていることについて語った。(取材・文=イシイヒデキ)
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――作品は、恋愛に悩む女性の等身大の姿を斬新な切り口で見せる新感覚ラブストーリー。原作や脚本を読んで、どんな印象を持ちましたか。
「設定自体はファンタジーですが、いわゆるマイノリティの方々にスポットを当てている作品で、現代社会に通じる部分が多い作品だと感じました」
――“恋愛感情がない世界”で悩み続ける乙葉をどのように演じたのでしょうか。
「『自分の居場所を見つけたい』をテーマに最初から最後まで演じました。乙葉は居場所を探しながら転々としているのですが、作品の中でのゴールは新たな人と出会うところで終わっています。でも、きっとそこがゴールではなく、その先に別れがあったり、壁にぶつかることがあり、居場所探しを続けていくのだと感じて、このテーマにしました」
――乙葉は不器用で人間関係が苦手な女性ですが、共感する点はありましたか。
「自分の若い頃に似ていると思いました。突拍子もなく、後先考えずに行動してしまうときもあれば、急に感情がシャットダウンしてしまう時もある。そういった若さなりの未熟さみたいな部分、感情の揺れ動きの激しさ。でも、若いからまっすぐに素直に進んで行く。その姿が若い頃の自分にリンクすると感じました」
――どのような準備をして撮影に臨んだのでしょうか。
「マネジャーさんに紹介していただいて、初めてアクティングコーチをつけて撮影に向けた準備をしました。アクティングコーチは、一緒に役作りをしてくれたり、ロジカル的に演技はこういうものだと教えてくださります。日本だと『演技には正解がない』と言われがちですが、『演技には正解がある』という考えのもと、心理学なども含めて教えてくださる先生で、撮影前に役作りを一緒に考えていただきました」
――アクティングコーチのレッスンを受けて、どんな変化がありましたか。
「初めて『演技って楽しい』と思いました。今回、せりふを覚えるという作業をしていません。『こういうシーンだよね』というのを把握したら、乙葉として自然とせりふが出てくる。なので、覚えるという作業をしていないんです。自分が乙葉になるための精神的な操りをしてくれたのだと思っています。自分でも不思議な気持ちでした。他の役でもこういう感情になれるのか、今後もアクティングコーチの方と役作りをしてみたいです。心強いパートナーがいれば、自信を持って演じられるのだと学びました」

俳優としての目標は「第三者が思う私の代表作を作ること」
――AKB48時代は、「塩対応」のイメージがありました。しかし、卒業後はバラエティー番組にも積極的に出演されていて、印象が変わったと感じます。
「私自身は何も変わっていないので、世間の目が変わったのだと思います。AKB48時代の同期も『昔と何も変わらないね』と言ってくれます」
――世間の目が変わったのは、どのタイミングだと思いますか。
「YouTubeを始めてからですね。あまりしゃべらない、笑わない人だと思われていたようなのですが、自分の好きなこと、やりたいことを動画で発信してから、世間の目が変わったと身に染みて感じました」
――俳優としてキャリアを重ねて、ターニングポイントとなった作品を教えてください。
「この作品だと思っています。初めてアクティングコーチの指導を受けて、役の理解度も違うし、向き合い方も違った。これまでとは全てが変わったので、自分の中では特別な作品です」
――今後の俳優としての目標は。
「『島崎遥香といえば、この作品』という作品、第三者が思う私の代表作を作ることです」
――最後に読者の方々へメッセージをお願いします。
「この時代にしか生まれない題材の作品だと思います。だからこそ、世代を問わずに見ていただきたいです。自分が抱えてきた葛藤に共感したり、一歩踏み出す勇気のようなものを感じ取っていただけるような作品です。ぜひ、ご覧ください」
□島崎遥香(しまざき・はるか) 1994年3月30日、埼玉県生まれ。2009年にAKB48の第9期生として芸能界入り。シングル表題曲『永遠プレッシャー』『僕たちは戦わない』などでセンターを務めた。16年にグループを卒業。卒業後はタレント、俳優として活動し、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、朝日放送テレビ『ハレ婚。』、映画『翔んで埼玉』などに出演。159センチ。血液型A。
ヘアメイク:信沢Hitoshi
スタイリスト:黒瀬結以
(C)『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』製作委員会
