日本の夏は「快適な暑さ」 ロシア人観光客が連日の猛暑を「とてもうれしい」と歓迎するワケ
梅雨明けが宣言され、日本列島もいよいよ夏本番を迎えている。連日厳しい暑さが続く中、東京・浅草を訪れていた外国人夫婦は、この気温を「とてもうれしい」と表現。猛暑を歓迎する意外な理由を聞いた。

日本を訪れるのは「子どもの頃からの夢」
梅雨明けが宣言され、日本列島もいよいよ夏本番を迎えている。連日厳しい暑さが続く中、東京・浅草を訪れていた外国人夫婦は、この気温を「とてもうれしい」と表現。猛暑を歓迎する意外な理由を聞いた。
旅行で3日前に初めて来日したというロシア・サンクトペテルブルク出身のトニーさんとダーシャさん夫婦。この日は東京スカイツリーを訪れた後、浅草周辺で買い物や観光を楽しんでいたという。
最高気温33度を記録し、熱中症警戒アラートも発表されていたこの日の東京。日本の暑さについてたずねると、ダーシャさんは「全然よ」と気にしていない様子をみせた。続けて「地元はとても寒いので、ここが快適な暑さであることでとてもうれしいわ」。サンクトペテルブルクの7月の平均気温は19度ほどで、日本の暑さは2人にとってかえって過ごしやすく感じたようだ。
それぞれ青と紺の和柄の法被のような上着を着用していた2人。トニーさんの手には、大きな袋が握りしめられていた。気になる中身は着物だといい、値段は4000円ほど。ダーシャさんは「ロシアでは高すぎるから、2倍から5倍はすると思う。そう考えると安いかな」と値段について率直な感想を明かす。
日本を訪れるのは「私も彼も子どもの頃からの夢だったの」とダーシャさん。「もう15年以上前から日本に行きたいと思っていたけど、最初はお金がなかったし、時間もなかった。それにロシアの政治状況的にも……。やっと来れたわ」と、かねてからの夢を果たしたという。
日本の印象については「とても安全で、清潔で、道も良い。人も最高ね。私が想像していたよりも、もっともっと素晴らしいわ」と絶賛。コミュニケーションにおいて、日ロでは違いもあるようで、「ロシア人が礼儀正しくほほえみかけるのは、愛情を注いでくれる友人に対してだけ。それ以外の人には陰気な態度をとるの」と教えてくれた。
今回は20日間の日程で来日。これまでに竹下通りや秋葉原、明治神宮、歌舞伎町などを訪れたそう。歌舞伎町の印象について、トニーさんは「全然怖くなかったよ(笑)。サンクトペテルブルクの夜の方が怖いからね」。ダーシャさんも「(サンクトペテルブルクは)とても静かで平和な場所だけど、中心部では夜間は人がとても危険だわ」と口にする。
文化や気候など、念願の日本を楽しんでいた2人。自慢の“ハッピ”をなびかせ、また観光に繰り出していった。
