【スターダム】次は90kg超えのボジラを持ち上げてやる…170cm&70kgパワーファイター壮麗亜美の決意
2022年3月、“モノが違う女”朱里が連れてきた“最強のボディガード”としてスターダムに登場した壮麗亜美は、2年強でフューチャー・オブ・スターダム、ゴッデス・オブ・スターダム、アーティスト・オブ・スターダムという3タイトルを戴冠した。しかし昨年7月より左ひざの負傷により欠場、6.24代々木大会で待望の復帰を果たした。後編では壮麗が欠場中に感じていたこと、今後の抱負を聴いた。

欠場中は解説のおかげでスターダムの一員として盛り上げている気持ちになれた
2022年3月、“モノが違う女”朱里が連れてきた“最強のボディガード”としてスターダムに登場した壮麗亜美は、2年強でフューチャー・オブ・スターダム、ゴッデス・オブ・スターダム、アーティスト・オブ・スターダムという3タイトルを戴冠した。しかし昨年7月より左ひざの負傷により欠場、6.24代々木大会で待望の復帰を果たした。後編では壮麗が欠場中に感じていたこと、今後の抱負を聴いた。(取材・文=橋場了吾)
壮麗亜美は昨年7月、もともと切れていた左ひざ前十字靭帯に加え半月板を損傷し、手術のために欠場することになった。
「実は靭帯は切れた直後は痛いんですけど、切れてから1か月くらいで痛みは消えて行って、ちょっと緩いかなと感じるくらいで。ただ、骨と骨がぶつかる方が痛くて……。あと、切れたままにしておくとケガをしやすいんです。トレーニングをしっかりして、筋肉で支える方法で2年ほどやっていました。それからも左ひざはずっと気をつけていたんですけど、練習中に半月板をやってしまって。そのときは初めてロッキングして足が曲がらないですし、動かせない。靭帯のこともあったので、また左ひざをケガしてしまったら手術はしようとは考えていました。前十字靭帯をケガして手術をするとなると、1年くらいはかかるのはわかっていました……。先生は半年くらいで復帰できるよとは言うんですけどね。
骨もくっついて、靭帯もしっかりして半月板もきれいに縫合しているからと。でも、それでも痛みがある期間もありますし、そもそも動かすのに恐怖を感じる期間もあります。動かせない期間があったことでこっちの筋肉はちゃんと動いているけれど、そっちは動いていなくて引っ張られて痛いみたいな……。膝の中がうまく動いていなくて痛い期間もあったので、ちょうど1年くらいかかっちゃいましたね。(復帰までは)不安はありました。手術直後はめちゃくちゃ痛かったですし腫れていましたし。
最初、松葉杖をついている頃は復帰を考えられなくて、あきらめていた部分もあるんですよ。今はどうせできないから、みたいな感じで。でも一、まずは松葉杖を外せるようになろうと。一つ一つ段階を踏んで、できることをしていこうと。手術して1か月くらいして、解説をするようになって、先生からもバンバン歩いてくださいと言われていたので、できる限り松葉杖を使わず歩くようにして。(欠場中は)私はリングに上がれない分、別のことで盛り上げられたらいいなと思っていたんです。なので、解説で呼んでもらえるのはありがたかったですね。選手目線の解説を良いと言ってくださる方も多くて、スターダムの一員として盛り上げている気持ちにもなれました」

朱里さんが時間をたくさん割いてくれた、置いて出ていくわけがない
6.24代々木大会、壮麗はGod’s Eyeの盟友であるレディ・C&八神蘭奈&虎龍清花と組み、H.A.T.E.の上谷沙弥&渡辺桃&小波&吏南組と対戦。顔面をスプレーで黒く染められ、敗北を喫した。
「やっと帰ってきたな、みたいな感じはありましたね。入場ゲートを出たら、たくさんのお客さんがいて。解説席でスターダムのお客さんが増えてきているのをずっと見てきたので、皆の努力が実ったリングに立たせてもらうことがありがたいなと思いました。試合自体は、H.A.T.E.なりの手荒い歓迎だと思っています、ムカつきますけど。でも結構言われたんですよ、裏切ってH.A.T.E.に行くんじゃないかって。でも朱里さんがずっと(God’s Eyeの)リーダーで、朱里さんがみんなのために時間をたくさん割いてくれているのをわかっていたので、朱里さんの負担が大きかったと思うんです。なので、その朱里さんを置いて出ていくわけがないじゃないですか」
その日は朱里がIWGP女子王座をSareeeに明け渡し、のちに朱里がひじの手術のため欠場することになった。
「朱里さんとの練習は本当にためになります。総合格闘技をしっかりやってきた方なので、基礎の基礎から教えてくれるんですよ。レスリングの反復練習や、いろいろな入り方・返し方。そういう知識を実践的にやってこられた方ですし、私はレスリングも柔道も下地がなかったので本当にためになりましたね」
同じくGod’s Eyeのメンバーで、かつては壮麗が保持していたフューチャー・オブ・スターダム王者の妃南に壮麗について聴いた。三姉妹の長女・羽南から同タイトルを奪ったのが壮麗で、妃南の双子の姉である吏南に同タイトルを奪われたのも壮麗だった。
「God’s Eyeができたときの強さが凄すぎて、正直(壮麗が)フューチャー挑戦?と思いました。あんなに強いのに(笑)。王者になってからも、これ誰が勝てるんだろう?と思っていました。今は(同じユニットで)心強さしかないです。私がGod’s Eyeに入ってすぐに亜美は欠場してしまったので、まだ二人だけのタッグというのがないんですよ。朱里さんが安心して休めるように一緒に盛り上げていきたいですし、(壮麗と)レディ・Cが令和東京タワーズを組んでいますが、私も亜美と組んで二人のオリジナル技も使ってみたいですね」
6.24代々木大会ではボジラ(183cm/91kg)という強敵も現れた。7.5に開催された5★STAR GPの記者会見で、同じブロックに入ることが発表された際も壮麗はボジラを挑発。翌7.6後楽園大会で初対決が実現するも、6人タッグながら直接フォール負けを喫した。
「(スターダムに)ボジラが来ることはあの時(ボジラが試合中に乱入しMi Vida Locaに加担する)まで知らなかったんですけど、せっかくパワーファイターとしてやってやるぞ!と思っていたタイミングで自分(170cm/70kg)より大きい選手が来るとは……悔しかったですね。私をおもちゃみたいに扱うんですよ、どういうこと?って。今までも舞華やHANAKOみたいなパワーファイターと戦っていますけど、ボジラは体の分厚さが違いましたね。(パワーボムで)簡単に持ち上げられたので、次は絶対に私が持ち上げてやると思いました」
最後に壮麗にこれからの抱負を聞いた。
「まずは5★STAR GPのリーグ戦(4ブロック制・各8選手のうち上位3名が決勝トーナメントに出場する)を2位・3位ではなく1位で抜けたいです。絶対に1抜け。あと8.1郡山大会は福島県ということで凱旋試合になるので、お客さんの応援が凄いですしパワーに変えていきたいですね。そして、去年のシンデレラトーナメントの決勝で負けている羽南と決勝で戦って優勝したいですね」
