“最強のボディガード”として登場から3年…170cm壮麗亜美「スターダムで埋もれたくなかった」
2022年3月、“モノが違う女”朱里が連れてきた“最強のボディガード”が壮麗亜美だ。170センチと恵まれた体格を持ち、数か月後には渡辺桃・葉月といった実力者を破った。そしてフューチャー・オブ・スターダム、ゴッデス・オブ・スターダム、アーティスト・オブ・スターダムという3タイトルを戴冠した。昨年7月より左ひざの負傷により欠場、およそ1年ぶりに待望の復帰を果たした壮麗に話を聴いた。

私は二刀流とか三刀流ができないタイプ…筋トレばかりしていたコロナ禍
2022年3月、“モノが違う女”朱里が連れてきた“最強のボディガード”が壮麗亜美だ。170センチと恵まれた体格を持ち、数か月後には渡辺桃・葉月といった実力者を破った。そしてフューチャー・オブ・スターダム、ゴッデス・オブ・スターダム、アーティスト・オブ・スターダムという3タイトルを戴冠した。昨年7月より左ひざの負傷により欠場、およそ1年ぶりに待望の復帰を果たした壮麗に話を聴いた。(取材・文=橋場了吾)
スターダムのプロフィールによると、壮麗亜美は身長170cm・体重70kg。女子レスラーとしては恵まれた体格を持っている。
「小さい頃から体は大きめで、背の順に並ぶと大体後ろにいました。小学生からバレーボールと水泳をやっていて、中学生では特設駅伝部にも呼ばれました。私の中学には駅伝専門の部がなかったので、駅伝の時だけ各スポーツの部活から呼ばれるんですよ……でも足は全然速くないです(笑)。でもちゃんと走っていましたよ!」
壮麗は高校卒業後に故郷・福島から上京した。
「高校は演劇部だったんですが、声優さんとか女優さんを目指していたんです。それで大学も芸術系を受けていたんですけど、落ちてしまった……。とりあえず上京して通信制の大学に行っていました。卒業してからですかね、舞台に出るようになったのは。実は月山和香と同じ舞台に出たことがあって、和香ちゃんがアクトレスガールズにいて『プロレスの練習生やっているんだ』みたい感じで……。そのときは『プロレス? 全然知らないや』みたいな感じだったんですけど、たまたま和香ちゃんと舞台を見に行ったことがあって、そのときに私がポロっと『運動したいんだよね』という話をしたら、『アクトレスの練習に来たら?』と。それで運動できるならいいなと思って、道場に行ったのがきっかけなんです」
しかし壮麗がアクトレスの練習生となったタイミングは、コロナ禍に入るか入らないかのタイミング。2020年2月に練習生となり、8月にデビューを果たした。
「練習も自宅待機でできなくなったこともありました。結局、最初のころは道場に行けたんですけど、あとは道場にちょいちょい行って自宅で筋トレです(笑)。少しずつ試合が始まってからは、先輩の試合のセコンドについて、という感じでした。私は二刀流とか三刀流みたいにいろいろなことの同時進行ができないタイプなので、筋トレばかりして舞台のことは忘れていました。コロナ禍で舞台もできない状況でしたし」

プロレスを初めて見たときに、こんなに面白いのか!と思って引きずり込まれた
デビューから1年強、アクトレスガールズの体制が変わるタイミングがやってきた。このとき、壮麗はすぐにプロレスを続けることを決めた。
「デビューしてからすぐに他団体の試合にも出させていただいたので、『プロレスラーではなくなる』という選択肢はなかったですね。(アクトレスがプロレスではなくなるという)話を聞いたときには、プロレスをやっている(2021年)12月31日までは所属でいて、それ以降行動しようと思っていました。私は本当にプロレスと無縁で過ごしてきて、プロレスもボクシングも格闘技も全部同じものだと思っていたくらいで。殴ったり蹴ったり血が出たりするのが苦手で……。でもプロレスを初めて見たときに、こんなに面白いのか!と思ったんです。選手やストーリーを紹介するVTRがあって、それぞれの選手の歴史を知ってプロレスに引きずり込まれたんですよね」
2022年3月、壮麗は朱里の“最強のボディガード”としてスターダムに初登場した。場所は両国国技館。デビューして以来、最大の会場だった。
「皆さん、海外から来る外国人選手や、小波を想像されていたと思うので、ちょっとヤバいレベルのプレッシャーでしたね……だって朱里さんを守る人ですよ(笑)。会場に出て行っても、リアクションもわからないくらいの緊張で。『誰?』って思われていたんだろうなと」
しかしすぐに朱里とのシングルを経験し、ユニットGod’s Eyeが発足。中心メンバーとして活躍し、スターダム登場から2年強で3つの王座を獲得した。
「スターダムは、いろいろな意味で全然違いましたね。例えば入場式の演出でも、ただ並ぶだけではなくて幕を使ったり、特殊効果を使ったり。見せ方、規模が違いますし、選手をスターとして見せたいと考えてくれているんだなと感じます。スターダムの選手は、プロレスに対しても、それ以外に対しても意識が高いので、埋もれないようにしなきゃとずっと考えていました」
その壮麗は、2024年7月に左ひざを負傷してしまう。もともと前十字靭帯が切れていたのだが、半月板も損傷してしまったのだ。
(31日掲載の後編へ続く)
