吉永小百合、丸の内TOEI最終日にサプライズ登場「今日は高倉健さんも見守ってくださっている」

1960年9月20日に東京・銀座に開館した映画館の丸の内TOEIが27日、本社ビル・東映会館の再開発と本社移転を受けて閉館した。閉館プロジェクト「さよなら丸の内TOEI」のグランドフィナーレで上映された80年の映画『動乱 第1部 海峡を渡る愛 第2部 雪降り止まず』(森谷司郎監督)の舞台あいさつでは、俳優・吉永小百合がサプライズで登場した。

吉永小百合
吉永小百合

「すてきな劇場でしたし、なくなってしまうことはつらい」

 1960年9月20日に東京・銀座に開館した映画館の丸の内TOEIが27日、本社ビル・東映会館の再開発と本社移転を受けて閉館した。閉館プロジェクト「さよなら丸の内TOEI」のグランドフィナーレで上映された80年の映画『動乱 第1部 海峡を渡る愛 第2部 雪降り止まず』(森谷司郎監督)の舞台あいさつでは、俳優・吉永小百合がサプライズで登場した。

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 吉永が姿を見せると、まさかのサプライズに客席からはどよめきが起こった。吉永はこれまで20作(アニメやナレーションを務めた作品を含む)の東映映画に出演しており、映最後の直営館である丸の内TOEI最終日に駆けつけていた。

 昭和、平成、令和と3つの時代にわたって活動してきた吉永は「お世話になったこの劇場で、このような形でごあいさつできることをうれしく思います。私は恵まれております」と感謝し、言葉を続けた。

「私が初めてここでごあいさつしたのは、1980年1月15日。この『動乱』の初日でした。私はこの映画で、映画作りの素晴らしさを心から感じました。1979年の冬からの1年間の撮影は、本当に素晴らしかった。スタッフの方たちも一生懸命で、高倉(健)さんとのラストシーンを撮り終えた時、真夜中ではありましたが、スタッフの方や高倉さんと皆さんで食事をして、健闘を称え合いました。『もう一度、映画俳優として頑張ってみよう』と思えた大切な大切な作品です」

 コロナ禍で『いのちの停車場』(2021年5月21日公開)が、都内の映画館での上映ができなくなったことなども振り返った。

「本当に悔しかったです。その後状況が落ち着いて、(これまで)約20本もの映画のごあいさつをここ丸の内TOEIで行わせていただいたことを覚えています。窓口で切符を買って、後ろの方に座って皆様がどのような反応をしてくださるのか、『笑ってくださるかしら、それともしんみりしてくださるかしら』と思いながら、この劇場で見たことは忘れられません。すてきな劇場でしたし、なくなってしまうことはつらいです」

 そして、最後に「今日はこの空の上で、高倉さんも、森谷司郎監督も、岡田裕介プロデューサーも見守ってくださっていると思います。映画館で映画を見る素晴らしさを私は忘れたくないですし、皆様にもこの劇場ではないですが、また映画館に足をお運びいただければと思っております」と呼びかけると、観客からは大きな拍手が沸き起こった。

 なお、今年5月9日から80日間で100作超の名作を上映した「さよなら 丸の内TOEI」は、4万6120人を動員し、興行収入7761万8400円を記録した。

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