宮本茉由、30歳は「人生の分岐点になる時期」 次のステージは「今の自分だからこその魅力を残せる作品に出合いたい」
俳優でモデルの宮本茉由が、現在放送中のテレビ東京系連続ドラマ『レプリカ 元妻の復讐』(月曜午後11時6分)に出演。主人公(トリンドル玲奈)の復讐の標的となる幼なじみ・花梨役に挑み、初の悪女役を好演している。近年は勢いづき、2022年の初主演映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』や23年、24年には日本テレビ系連続ドラマ『大病院占拠』『新空港占拠』などに出演し、存在感を見せつける。多様な役をこなす宮本の素顔とは――。

『レプリカ 元妻の復讐』で復讐の標的
俳優でモデルの宮本茉由が、現在放送中のテレビ東京系連続ドラマ『レプリカ 元妻の復讐』(月曜午後11時6分)に出演。主人公(トリンドル玲奈)の復讐の標的となる幼なじみ・花梨役に挑み、初の悪女役を好演している。近年は勢いづき、2022年の初主演映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』や23年、24年には日本テレビ系連続ドラマ『大病院占拠』『新空港占拠』などに出演し、存在感を見せつける。多様な役をこなす宮本の素顔とは――。(取材・文=大宮高史)
「1000人の中の1人に選ばれた」 成金イメージが先行する有名社長の“本当の顔”
本作は、電子書籍200万部突破の同名電子コミックが原作。主人公・伊藤すみれ(トリンドル玲奈)は、幼なじみの花梨(宮本)にいじめられ、夫の桔平(木村了)も奪われた過去があった。垢ぬけなかったすみれは整形手術を受け、かつての本名・藤村葵を捨てて復讐のために花梨と桔平の前に現れる――。
宮本が演じる花梨は、すみれとは対称的に、学生時代から美貌を鼻にかけたワガママな女王様気質な女性。すみれをいじめ抜いて、夫を奪い、どん底にたたき落とした元凶だ。宮本は表情豊かに花梨を好演。初の悪女役を楽しんでいる感じだ。
「皆さんに『早くひどい目に遭え!』って思ってもらえるように演じています(笑)。(原作の)花梨のビジュアルにはそんなに似ていないと思うので、(役の話が来た時)『なぜ私なんだろう?』って思いましたが、マンガのストーリーがすごく面白くて、ぜひこの世界に入りたいなと思いました」
花梨は、整形したすみれを藤村葵と気づかないまま再会してからも、その高慢さや性格の悪さが変わらない。宮本自身、悪役を演じることを好機と捉えステップアップするつもりだ。
「私は普段はあまり感情を表に出さずに、自分の中に溜め込んでしまうタイプです。でも花梨は感情をストレートに解放する人なので、役と一緒に、自分自身の殻も破って成長できたらいいなと思っています」
ワガママでプライドが高く、疑り深くて絶対に自分の非を認めない花梨。「いいところが一つもない女ですね」と笑いながらも、悪役ならではの悲哀を見せることも考えている。
「彼女は旦那さんのことを『お金でしか見ていない』と本音を言ったり、友達の彼氏を好きになったりと、気持ちに素直すぎる人なんだなと思います。とても正直者とも言えますし、育ってきた環境が少しでも違えばピュアで可愛い女の子になっていたんじゃないかなって。生まれた時からあんな性格ではなかったと思うので、どこでそうなったのかなと、考えながら演じています」
そう明かすと爽やか笑顔を見せた。そんな宮本は、2015年にファッション雑誌「CanCam」1月号でモデルデビュー。20歳での芸能界入りは、同世代のモデルや俳優に比べると、決して早い方ではなかった。
「同じ雑誌に10代の頃から活躍している子たちがいて、『ポージングがうまくできないな』など、比べて気にしてしまうことはありました」
周囲に流されず地に足をつけ活動していたが、2018年から少しずつCMやドラマに出演し、俳優として頭角を現していく。22年、太宰治の『斜陽』を映画化した長編映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』で映画初出演にして初主演を果たし、ノーブルなたたずまいを印象付けた。その後も順調に俳優の道を歩む中、昨年出演した連続ドラマは、特に思い出になったという。
「昨年、テレビ朝日の『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の2番目の憂鬱』シーズン2に出演した時、台本で10ページ以上にわたるにわたるセリフの掛け合いをするというしびれる経験をしました。絶対に間違えられない緊張感の中で、しっかりお芝居をしてセリフを言わなければならなかったので、今でも覚えています。シーズン2からの出演で、主演の高橋一生さんや橋爪功さん、本田翼さんら大先輩ばかりの現場だったので、気が張りつめていました」
演じたのは、主人公の花火師・望月星太郎(高橋一生)のところに突然押しかけて弟子入りを志願する、野口ふみか。明るく奔放なふみかの人柄は、宮本自身へのあてがきでもあった。
「事前に脚本家の橋部敦子さんが私たちに実際に会ってくださり、私たちの雰囲気に近いイメージで役を作ってくださいました。そのおかげで、演じながら『私って、こういうふうに見えているんだ』と知ることができて、すごく面白い経験でした」
ちなみに、その時に共演した本田翼からは「オアシスみたいな存在」と言われたことがあり、クールな美貌の奥には癒やし系な顔があるようだ。

『大病院占拠』で共演したぐんぴぃとYouTubeで“仮想デート”
昨年はバラエティーでも注目された。2023年に日本テレビ系連続ドラマ『大病院占拠』で共演した、芸人・ぐんぴぃのYouTubeチャンネルのデート企画に昨年出演すると、仮想デートを楽しむ様子が反響を呼んだ。
「ぐんぴぃさんとは『大病院占拠』で同じ部署(神奈川県警の情報分析官)の役でした。現場でずっと隣の席だったこともあって、すごく仲良くしていただいて、『YouTubeに出てくれませんか』って直接お誘いいただきました。しかも『デート企画はどうですか?』って軽く誘われたので、『いいですよ』と気軽にOKしました」
動画では、お茶目な姿をたっぷり披露。今後もバラエティーへの出演が気になってくる。
「まだあまり縁はないのですが、ドッキリ企画も見るのが好きですし、旅ロケも楽しそうで挑戦してみたいです」とオファーを待っている。
そして、今年5月に30歳を迎えた。芝居に打ち込んでから7年になるが「今回の花梨のように、癖の強い女性の役はほとんど初めてです」と笑う。凛とした強いイメージだけの役者でいるつもりはない。願望もある。
「濃い役をいただけるのはうれしいですが、コメディーを一度もやったことがないんです。コメディーの現場ってどんな感じなんだろうって思いますし、開拓していきたいです。30歳になり、人生の分岐点になる時期でもあると思うので、今の自分だからこその魅力を残せる作品に出合いたいです」
“夢”に向かい真摯な姿勢でまい進する――。今回、美しくも冷酷な悪女・花梨が復讐劇の中でどんな目に遭うのか。さらに表現に磨きがかかりそうで、今後も目が離せない。
□宮本茉由(みやもと・まゆ)1995年5月9日生まれ、秋田県出身。オスカープロモーション所属。2016年「第1回ミス美しい20代コンテスト」で審査員特別賞を受賞。翌17年、ファッション誌『CanCam』専属モデルに抜擢される。2018年にフジテレビ系ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』でドラマ初出演。2022年に映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』で映画初主演した。23年、24年には日本テレビ系“占拠シリーズ”のドラマ『大病院占拠』『新空港占拠』に出演し、駿河紗季役を演じた。
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