「絶対にまた食べたい」「信じられない」 家族間で意見二分…外国人観光客が衝撃を受けた日本食とは
海外旅行の醍醐味(だいごみ)の一つは、現地の食文化に触れることだ。ニュージーランドから来た観光客の男性は、日本で勧められて、一口食べてみたら、「これはうまい!」。すっかり大好物になったグルメがあるという。ただ、家族は「信じられない」と敬遠気味……。それでも、今回の日本旅のお楽しみになっているという。

それでも、「やっぱり神戸ビーフにはかなわないね」
海外旅行の醍醐味(だいごみ)の一つは、現地の食文化に触れることだ。ニュージーランドから来た観光客の男性は、日本で勧められて、一口食べてみたら、「これはうまい!」。すっかり大好物になったグルメがあるという。ただ、家族は「信じられない」と敬遠気味……。それでも、今回の日本旅のお楽しみになっているという。
41歳のアンドリューさん。母親と妻のキムさん、娘3人と家族旅行を満喫。夏の浅草で、日本の伝統文化に親しんだ。
炎天下での浅草見物になったが、「日本の暑さはそこまではひどくないかな。それにしても、傘を持っている人が多いね。ニュージーランドでは日焼け止めをよく使うんだけど、日本でも買ったから大丈夫さ」。猛暑もへっちゃらの様子だ。
実は4回目の日本旅行。「ここ浅草もそうだけど、日本の観光スポットはどこに行ってもクリーン。驚きだよ」。日本の街並みの清潔さに、改めて感激した様子だ。
2週間たっぷりの時間を使う旅程。広島に加えて、サーキット場を訪ねるために福島、それに、長野・松本などの地方都市も回っていくという。
そんな親日家のアンドリューさんが仰天した食べ物がある。「馬肉だよ。馬刺しも好きで、絶対にまた食べたいと思っているんだ」。生食もいけると言い、大絶賛だ。
なるほど、福島や長野は日本でも有数の馬肉の産地だ。世界を見渡すと、馬肉を食べる国・地域はそこまで多くはない。日本ならではの“食文化”に魅了されたようだ。
日本人の友人に勧められたのがきっかけ。「たくさんの種類の肉がそろう焼肉店に連れて行ってもらった時に、『試してみる?』と聞かれて、『いいよ。食べてみる』って。それで好物になったのさ。そうそう、馬は鹿よりおいしいと思うよ」。
なんと、鹿!? 日本ではそんなになじみはないが、母国ではジビエを食べる機会があると言い、「うちの弟がハンターで、仕留めた鹿を持ってきてくれることがあるんだ」と教えてくれた。
ニュージーランドが世界に誇るのは、羊肉。ちなみに、どっちが好きかと聞いてみると、「ラム肉と馬肉を比べてみるとどうかって? 僕は馬肉だね」。驚きの答えが返ってきた。「でも、神戸ビーフと比べると……やっぱり、神戸ビーフにはかなわないね」と笑わせてくれた。
そばにいる家族を見つめながらアンドリューさんは「馬肉については、最初は娘たちは『オーマイゴッド』『信じられない』とショックを受けていたけど、最後は好きになってくれたよ」と笑顔。
実際に聞いてみると、妻のキムさんは「ホース(馬)? 桜肉のことね、知ってるわよ」。アンドリューさんの母は「ニュージーランドでは、馬はペットのように考えられているから、食べるという発想は浮かばないわ。でも、今度松本に行くから試してみようかしら」と“挑戦の意向”を口にした。
娘さんたちは、ちょっぴり渋い顔をしている。唯一、馬肉を口に運んだ経験のある15歳のアキナさんは「うーん、普通のお肉の感じだったわ」と感想を教えてくれた。
肉だけでなく、野菜も魚介類も、和食の魅力はたくさんある。いろいろな日本の味を好きになってくれればうれしいものだ。
