橋爪功主演『飛び立つ前に』が日本初上演 若村麻由美、前田敦子、岡本圭人らが集結
橋爪功、若村麻由美、前田敦子らが出演する舞台『飛び立つ前に』が、11月23日から東京芸術劇場 シアターイーストで上演されることが24日に発表された。作はフロリアン・ゼレール、演出はラディスラス・ショラーが務め、フランスで高く評価され続けてきた名作の日本初演となる。

世界で称賛された心理劇が日本初演
橋爪功、若村麻由美、前田敦子らが出演する舞台『飛び立つ前に』が、11月23日から東京芸術劇場 シアターイーストで上演されることが24日に発表された。作はフロリアン・ゼレール、演出はラディスラス・ショラーが務め、フランスで高く評価され続けてきた名作の日本初演となる。
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本作は、フランスの劇作家フロリアン・ゼレールが、舞台『Le Pere 父』でも主演を務めた名優ロベール・イルシュのために書き下ろし、91歳で出演した最後の舞台としても知られる作品。のちに英訳版『The Height of the Storm』としてジョナサン・プライス主演でウエストエンドやブロードウェイで上演され、高い評価を獲得。アウター・クリティックス・サークル賞では最優秀戯曲賞を含む複数部門を受賞した。日本では今回が初の上演となる。
物語は、パリ郊外に暮らす著名な作家アンドレとその妻マドレーヌの、静かな日常にひそむ“老い・愛・別れ”の気配を描く心理劇。ミステリアスな展開と深い余韻を残す内容で、家族という普遍的なテーマに多層的な視点をもたらす。
キャストには、アンドレ役に橋爪が決定。2019年に上演された『Le Pere 父』では認知症の父親役を演じ、菊田一夫演劇賞、読売演劇大賞・最優秀男優賞を受賞した。マドレーヌ役には、家族3部作すべてに出演してきた若村が務める。また、娘役として奥貫薫、前田が参加。ゼレール作品への出演は初となる。前田が演じるエリーズのフィアンセ・ポール役には、『Le Fils 息子』で舞台デビューを果たし、紀伊國屋演劇賞を受賞した岡本圭人。さらに、謎の女性役として元宝塚男役トップスターの剣幸が初参加する。
演劇界の実力派がそろう本作に、出演者たちは以下のようにコメントを寄せた。
○橋爪功
「今回の出演を決めたのは、『Le Pere 父』で一緒に仕事をした演出家ラッドとの再タッグに魅力を感じたからです。『父』では、作品に強く引き込まれ、『またラッドの演出であればぜひ出演してみたい』と思いました。また、認知症の家族を持つ観客が『まさにあんな感じだった』と語ってくださり、作品の力を実感しました。今回の作品も、登場人物の存在すら曖昧に描かれており、観る人によって解釈が大きく異なります。その曖昧さが芝居として成立している点に、作家ゼレールの力を感じます。ある種、『自分が演じているこの芝居を、観客として観てみたい』と思わせてくれる舞台なのです」
○若村麻由美
「作家フロリアンと演出家ラッドに出逢えた事、家族三部作全てのアンヌ役を務めさせていただけた事、またやろう!と言っていただいた事は俳優冥利に尽きこの上なく幸せでした。しかしこの四作目の参加には大変躊躇いました。第一作目『Le Pere 父』で父娘役を演じた橋爪功さんと50年も連れ添った夫婦役!私に務まるとは思えなかったからです。紆余曲折の末、プロデューサーやラッドの想いを受け、橋爪さんの胸をお借りして『飛び立つ』ことに決めました。大いなるチャレンジです!『La Mere 母』とは全く違う母になりそうです」
○奥貫薫
「昨年の春に『La Mere 母』『Le Fils 息子』を観た時の胸の高鳴りを、今でも憶えています。幾つもの場面が、まるで一枚の写真や絵画のように鮮やかに心に残りますが、人生というのはそんなふうに美しい一瞬一瞬の積み重ねなのだということを、二つの作品は示してくれました。今回、その続編とも言える『飛び立つ前に』に参加できることとなり、奇跡のような出会いに感謝するばかりです。スタッフキャストの方々、そして劇場にお運びくださるみなさまと、濃密な演劇の時間をご一緒できることを、今から楽しみにしています」
○前田敦子
「もう一度ご一緒したいと夢見ていた橋爪さんと、また同じ空間でお芝居できること、本当に嬉しく思います。そして素晴らしい戯曲で尊敬する橋爪さんの娘役を務めさせていただくことに、静かに気持ちが引き締まる思いです。共演者の皆さん、スタッフの皆さんとご一緒できる時間を大切に、丁寧に作品と向き合っていきたいです」
○岡本圭人
「『飛び立つ前に』どのような舞台になるのか全く想像がつきません。普段はそのようなことは思わないのですが、演出家ラッドの魔法のような演出を受けると、自分の想像を超える世界が広がるからです。『愛情』『喪失』『幸福』『悲哀』様々な感情が渦巻いて嵐のように吹き荒れていきます。劇場で感情の嵐を起こせるよう、ラッドの魔法に身を委ねて、新たな世界に飛び立ちたいと思います。素晴らしいキャストの皆様とご一緒できることをとても名誉に思います。心を込めて稽古に励みます!」
○剣幸
「不思議な魅力を持つ作品と出会いました!誰にとっての現実なのか、それとも回想?夢…?何が正解か、はっきりしたことを知りたくなる。これが現実だと信じたい結末はホッとします。翻弄される心地よさ、きっと作者の思うツボに、ハマっています。共演させていただくのは、皆さん初めましての方ばかり。楽しみでなりません。そして何より橋爪功さんと同じ舞台に立てることは、光栄であり、幸せです!」
