FANTASTICS、3日で6万6000人動員 結成9年でグループ最大規模の公演完走「この先が楽しみ」

ダンス&ボーカルグループ・FANTASTICSが21日、グループ史上最大規模のライブ公演「FANTASTICS LIVE 2025 “RISING BUTTERFLY”」最終日をさいたまスーパーアリーナスタジアムモードで開催した。同公演は今月19日から3日連続で行われ、初日“CRAWLING BUTTERFLY”(挑戦の始まり、未来への準備)、2日目“SILENT BUTTERFLY”(静寂の中で変化を遂げる)と続き、最終日には“RISING BUTTERFLY”(自由、解放、進化の完成)というテーマを掲げ、約6万6000人を動員した。

グループ史上最大規模のライブ公演最終日を開催したFANTASTICS【写真:菊池大作】
グループ史上最大規模のライブ公演最終日を開催したFANTASTICS【写真:菊池大作】

「FANTASTICS LIVE 2025 “RISING BUTTERFLY”」最終日

 ダンス&ボーカルグループ・FANTASTICSが21日、グループ史上最大規模のライブ公演「FANTASTICS LIVE 2025 “RISING BUTTERFLY”」最終日をさいたまスーパーアリーナスタジアムモードで開催した。同公演は今月19日から3日連続で行われ、初日“CRAWLING BUTTERFLY”(挑戦の始まり、未来への準備)、2日目“SILENT BUTTERFLY”(静寂の中で変化を遂げる)と続き、最終日には“RISING BUTTERFLY”(自由、解放、進化の完成)というテーマを掲げ、約6万6000人を動員した。(取材・文=生島マキ)

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「FANTA!FANTA!」の会場からの声でステージは始まりを見せた。

「行くぞ、さいたまー!」と八木勇征が叫ぶ。アリーナに散りばめられたトロッコからメンバーが登場するというサプアライズ。1曲目は3日間共通のテーマソング『FLY WITH YOU』だ。心躍るハードナンバーに乗せ、メンバー全員がステージいっぱいに登場し、観客のボルテージは一気に頂点へと達した。2曲目でメインステージに集まってくる。赤を基調にした衣装をまとったメンバー、一昨日、昨日と異なったテーマごとに用意されていた。

 続く『TOP OF THE GAME』『FUNKTASTIC!』と、盛り上がりを見せるアッパーチューンを歌いあげ、序盤から踊りまくって一気にFANTASTICSらしいグルーヴと疾走感がさく裂した。

 5曲目のポップなナンバー『Time Camera』では、花道を駆け抜けながら中央ステージへ移動し、続く曲ではメンバーが客席すべてに目を合わせるように手を振りながら、観客一人ひとりに思いを届けた。

「みなさん、今日は最終日です。最高の時間を作っていこう! 僕らは全部出し切る準備ができています!」。中島颯太がメンバーの気持ちを代弁するように呼びかけ、会場の熱気をさらに高めた。

『SUPER DUPER DISCO』では、ファンタスティックスキッズダンサーが紹介され、思わず笑みがこぼれる和やかな時間に。MCでは、中島が前夜に八木とサウナで語り合ったというエピソードを明かし、思わぬこぼれ話に観客も感動。「今回のライブが、どれだけ自分たちにとって重要なものだったか」を実感させるような真摯(しんし)なトークを繰り広げた。

 その後に披露されたのは、中島と八木によるデュエットバラード『いつも隣で』。八木が主演を務めた映画『隣のステラ』(8月22日公開)の主題歌でもあるこの1曲に、観客は自然と物語の世界へと引き込まれていった。ステージ上のふたりが紡ぐ歌声に、会場は一気に柔らかな空気に包まれていった。

 この日は、新曲を含む全27曲を披露。高い音楽性と世界観が印象的で、会場全体が世界に包まれるような時間となったが、特筆すべきは、テレビ朝日系特撮ドラマ『仮面ライダーガヴ』(日曜午前9時)の主題歌『Got Boost?』などを歌唱したことだ。今月16日発売のミニアルバム『Cosmic Resonance』からのナンバーだが、同作からは他にも『FLY WITH YOU』『Candy Blaze』も披露。『Candy Blaze』に関しては、今月25日公開の映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』の主題歌であり、メンバーの4人(世界、中島、木村慧人、澤本夏輝)は俳優としても出演している。

 全体を通して、バラエティーに富んだ楽曲の数々、迫力のあるダンス、後半はメドレーゾーンで会場との一体感が高まり、今回のテーマソングである『FLY WITH YOU』でラストを締める流れは、まさに“成長”のひとこと。観客の心を強く揺さぶった。

ステージで仮面ライダー(ガヴ、ヴァレン、ヴラム)とコラボしたFANTASTICS【写真:菊池大作】
ステージで仮面ライダー(ガヴ、ヴァレン、ヴラム)とコラボしたFANTASTICS【写真:菊池大作】

3人の仮面ライダーがステージに登場

 開演前に囲み取材に応じた中島、八木、リーダーの世界は、それぞれの立場から今公演の意義を語った。世界は3年前を振り返って実感を込めた。

「初日はファンの声が風となって届くような演出で、そこから自信を持つことができました。本番中に次のアリーナ構成が浮かんでくるほど、手応えを感じていました。実は、さいたまスーパーアリーナは、2022年に新型コロナによって公演が中止になった会場なんです。その時に、『Time Camera』と『Tumbling Dice』を歌う予定だったんですけど、今回歌うことができて本当にうれしいです」

 八木も「グループ単独公演では初めてトロッコを使った演出を取り入れたのですが、ファンのみんなとこんなに近くでコミュニケーションが取れたのが、とてもぜいたくでした。サブステージにも行けて、全方位まんべんなくパフォーマンスを届けられたと思います」とファンとの喜びを口にした。

 中島は今回の3日間とも異なる構成に関して、「3日とも来られる方もいれば、1日しか来られない方もいるだろうし、そういった方もどうしたら楽しめるか、セットリストにはこだわって考えました。当日でその日の構成を変更するなんてこともありましたが、こんなにも楽曲が増えたこともうれしいです」。その上で「9月のアリーナツアーもきっと楽しめると思います」と自信をみせた。

 FANTASTICSは2016年12月、EXILEの世界、佐藤大樹を中心に結成。17年には武者修行ライブで全国を回り、18年に八木と中島をボーカルに迎えてメジャーデビュー。以降、全国ツアーやテレビ冠番組、メンバー個々の俳優活動など、多彩かつ多忙に活動の幅を広げてきた。そして、今回の3Daysはその歩みを垣間見られると同時に、9月6日から始まる全国アリーナツアー『FANTASTICS LIVE TOUR 2025 “BUTTERFLY EFFECT” -FLY WITH YOU-』の貴重な前しょう戦となった。

 それも踏まえ、世界は「蝶(バタフライ)をテーマに、1日目はさなぎ、2日目は幼虫、3日目は成虫。そして、9月のアリーナツアーでは、みんな一緒に羽ばたくことをイメージしています。どこへ飛んでいくのか、この先が楽しみです」と語った。

 アンコールでは、「FANTA!」というコールに応えてメンバーが再登場。『Got Boost?』でファンを歓喜させると、『Shake it off』を披露した。再びの『Candy Blaze』では、仮面ライダーの3人(ガヴ・ヴァレン・ヴラム)が登場。また、9月開幕のアリーナツアー『BUTTERFLY EFFECT』のビジュアルが解禁され、さらには新曲『BFX』が出ることも発表された。

 文字通り、盛りだくさんの内容。この日、集結したFANTARO(ファンネーム)約2万2000人は、FANTASTICSが「羽化」する瞬間の目撃者になった。

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