「最強のプロレスオタク」が王道のレジェンドとの大勝負に臨む【連載vol.5】
「DDTのエース」竹下幸之介が「最強のオタク」として「日本のエース」になるのか? 「王道のレジェンド」秋山準との大勝負に臨む。
金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」
「DDTのエース」竹下幸之介が「最強のオタク」として「日本のエース」になるのか? 「王道のレジェンド」秋山準との大勝負に臨む。
王道・全日本プロレスからDDTにレンタル移籍してきた秋山を誰よりも「歓迎」したのが竹下だった。4年前、全日マットで秋山とタッグで対決し、コンビも組んだ。たった2回の絡みだったが「全く違うプロレスを体験させてもらった」と振り返る。
当時、竹下はDDTの頂点であるKO-D無差別級王座を初戴冠したばかり。キャリア4年にして「プロレスを分かっていた気になっていたけど、見事に翻弄された」と悔しさを隠せない。
その後、ことあるごとに「秋山さんとやりたい」とアピールし続けた。「言霊を信じているが、その通りになった」とニッコリ。4年越しの想いがかない、秋山がDDTにやってきたのだ。
全日本・ノアの「王道」VS「文化系」DDT。そう見られるのは承知のこと。「皆さんが、その観点で楽しんでいただけるのなら」と否定するつもりは、さらさらない。
ただ、竹下は「秋山さんのプロレスは王道だけではない。多くのモノが加わっている」とズバリ。いわば「秋山準のプロレス」だと分析している。竹下自身も「DDTのプロレス、路上に電流爆破も経験してきた。ありがたいことに、他団体のリングに上がり、色んな選手とも対戦してきた。僕もDDTプラスアルファの竹下幸之介のプロレスです」と胸を張る。「秋山準VS竹下幸之介」の闘いなのだ。
11・3東京・大田区総合体育館大会での一騎打ちが決まっている。それまで9・7後楽園ホールのタッグ対決(秋山、高木三四郎組VS竹下、勝俣瞬馬組)はじめ、前哨戦が組まれるが、すべては11・3大田区決戦のためにある。
「2か月あるけど、とっくにゴングは鳴っている。毎晩、寝る前に色々と考えてしまう。作戦、シミュレーション……眠れなくなってしまう。今から寝不足が始まっている」と、珍しく視線を落とした。