【プロレスリング・ノア】OZAWAがノアをぶった切り、丸藤は「まだ天才だと思っている節がある」 清宮は「地の底まで落ちた方が面白い」
2024年10月に凱旋帰国し、翌11月に当時のGHCヘビー級王者・清宮海斗を裏切る。そして元日の日本武道館大会で清宮を破りNOAHのトップに立つ。フィニッシャーとなったのは難易度E級のReal Rebel(ワンステップ式フェニックス・スプラッシュ)。2025年上半期のプロレス界は、OZAWAが話題の中心となっていたのは周知の事実だ。実際、OZAWAが王者になってからの観客動員数は一気にアップしている。そのOZAWA、歯に衣着せぬ発言にも注目が集まっているが、インタビュー後編でもOZAWAならではのワードセンスでNOAHを斬ってくれた。

プロレスラーはクリエイティブな仕事だから抑えつけられると発想が狭まっていく
2024年10月に凱旋帰国し、翌11月に当時のGHCヘビー級王者・清宮海斗を裏切る。そして元日の日本武道館大会で清宮を破りNOAHのトップに立つ。フィニッシャーとなったのは難易度E級のReal Rebel(ワンステップ式フェニックス・スプラッシュ)。2025年上半期のプロレス界は、OZAWAが話題の中心となっていたのは周知の事実だ。実際、OZAWAが王者になってからの観客動員数は一気にアップしている。そのOZAWA、歯に衣着せぬ発言にも注目が集まっているが、インタビュー後編でもOZAWAならではのワードセンスでNOAHを斬ってくれた。(取材・文=橋場了吾)
2024年10月、小澤大嗣は9か月ぶりにイギリスから帰国し、清宮海斗が立ち上げたALL REBELLIONに加入を果たした。しかし1か月後、清宮を裏切りTEAM 2000Xに加入し、OZAWAに改名。自らを「The Real Rebel」と名乗り、ダークモードに突入する。
「イギリス遠征は自分的にはもっと続けるつもりだったんだけど、その途中で清宮海斗に呼び戻されて。ALL REBELLIONで一緒に戦っていこう、みたいな感じで。それで会社としても打ち切りにされてしまったから、帰国するしかない。清宮海斗は練習生時代から俺のトレーナーとしてやっていて、もうパワハラが凄かったからね。清宮海斗のことは嫌いだったから、逆にちょうどいいなと思って。一緒のチームになって、内部事情を把握して安心させたところで裏切ってやろうと思っていた。(筆者「清宮選手はなんで誘ったでしょうね?」)ALL REBELLIONが全然跳ねていなかったからでしょ。海外遠征から帰ってきて、一発目がセコンドって(笑)。後輩のことを全く考えない、これがパワハラ」
OZAWAは凱旋試合を前にケガをしてしまい(今となってはこれも策略だったのかと思いたくなるが)、松葉杖姿でセコンドについていた。しかし11月17日の名古屋大会で清宮を裏切り、Real Rebelをぶっ放した。左足が折れているのに……。
「そもそも、日本ではそれ(Real Rebel)をやろうっていう考えにもならなかった。イギリスに行って色々なことをやって、(難易度の高い技を)やっていいんだみたいな。プロレスってめっちゃ自由なんだと。そう思って考えた結果、器械体操やブレイクダンスがベースにあるから、練習してみたらできた。(海外遠征前は)練習すらしてないからね。 ハイフライヤーとしてはできるだろうなという考えはあったけど、まず『やっていいんだ』という考えにすらならなかった。
若手のうちはプロレスのベースを徹底的にやってそこから応用の発展的な技をするという考え方は全然間違っていないと思うんだけど、やっぱりその“抑えつけ”の程度が過ぎるとね……そもそもプロレスラーってめっちゃクリエイティブな仕事のはずなのに、そういう抑えつけがあるとどんどん発想が狭まっていくから。その塩梅は、NOAHは下手だなと。NOAHのレスラーは海外遠征に行っていない人の方が多いから、最初から最後までNOAHに染まっていてそういう発想にならない。俺の場合は1年ちょっとでNOAHから脱却して海外に行けたから、いい意味でNOAHに染まらなかったというか、色々なプロレスを感じることができてそういう発想ができるようになったのかな」
元日にGHCヘビー級王者となったOZAWAはすでに6回の防衛に成功、このペースはこれまでのGHCヘビーの歴史を見てもハイペースといえる。
「俺が勝手に好きなことをやっていたら、お客さんがついてきてくれたみたいな感じだから、いいことだよね。NOAHにいい影響をもたらしたなという結果が出て、俺がチャンピオンで居続けることがNOAHを守ることなんだなって深く感じている。ようやく時代が追いついたというのかな。プレッシャー?全くないね。好きなことやっているだけだから、今まで俺を虐げてきた奴らをボコボコにできるまたとないチャンスだよ。ただ、どこまでお客さんがついてきてくれるかとの勝負でね。“消費されないこと”が俺の目標かな」

チャンピオンになった瞬間から客席が埋まっているってことは、チャンピオンでいるしかない
7月19日・20日にはNOAH設立25周年大会が後楽園ホールで開催される。OZAWAは19日に拳王を挑戦者に迎えGHCヘビー王座の防衛戦を控えているが、ここからはOZAWAにNOAHの主要選手について語ってもらった。まずは先日TEAM 2000Xの仲間となった杉浦貴について。
「ゴッドファーザー(杉浦)は道場に来ないからね(だから虐げられてはいない)。練習はしていると思うけど、練習生がいる時間帯には来ない。ゴッドファーザー怖いでしょ、話しかける練習生なんていないのよ。ようやく今になって話しかけられるようになった。チャンピオンになってやっと」
続いて丸藤正道とKENTAについて。
「丸藤か……SNSの使い方がちょっと下手すぎるっていう。煽り耐性もないし、お坊ちゃまなのかな。若くしてデビューしてずっと天才と言われ続けてきたから、甘やかされているんだろう。(丸藤は)自分がまだ天才だと思っている節があって、噛みついてくる小物ですら気になっちゃうんだろうな。今はもう天才と呼べるレスラーではないのに、空回りしている印象。KENTAは昔NOAHを支えた人間だけど、今やバックステージコメントぐらいでしか注目されないからね。昔の人だなっていうか、もう終わった人だなっていう印象かな。昔のキレキレのKENTAと比べてもしょうがないんだけど、惰性で続けているのかなと思う。引き時を見誤ったらだめだよね」
そして清宮海斗。清宮はこれまでにない激しさを見せてリベンジに挑んだが、OZAWAは見事に返り討ちにした。
「もう清宮から指導を受けることもないから、パワハラが今も練習生に行っているのかは定かではないんだけど、あれだけボロカス言ったからさすがに怖いんじゃないかな。会社に押され続けたにも関わらずそれを生かしきれなかった。ファンもついてこなかったから、一回全部ぶっ壊しちゃったらいいんじゃないのかな、地の底まで落ちた方が面白いんじゃないかな」
そして最後に、OZAWAのデビュー戦の相手でもあり、現在はWWE・NXTで活躍する稲村愛輝についても聴いてみた。
「詐欺師(帰国するような匂わせをしてNXTに残留したことから)。イギリスにいる時期は被っていたんだけど、普通に嫌な奴ではある。先輩にはひたすらゴマを擦り、後輩はひたすらボコボコにするというタイプなので“ゴミ”。(NXT再登場時は湧いていたが)NOAHにとっては喜ばしいことなんじゃない? これだけ時間と金を彼につぎ込んでいるんだからね、それくらいやってくれないと困るよと。(海外志向は)全くないね。日本のスロットは本当に優秀でね、“わびさび”があるんだよ。スロットの演出が俺のプロレスに影響を与えている。俺はもう日本のスロットに人生をコントロールされているから。スロットの片手間にプロレスしているみたいな状況だからね、スロット打っているときにふと思いついたら(新技を)やるかもしれない」
気になるのはOZAWAのスロットの収支だが……。
「収支? スロットをやめた瞬間に収支が出ると思うんだけど、続けていれば収支とかないから。やめなければ、勝ちも負けもない。NOAHに関しては、俺がチャンピオンでいるしかないの。俺がチャンピオンになる前は、本当にいつ潰れるんだこの会社は!という次元だったんだから。俺がチャンピオンになった瞬間から(お客さんが)埋まっているってことは、やっぱり俺がチャンピオンでいるしかないんだよね」
