【プロレスリング・ノア】OZAWAが英国で学んだ“プロレスのやり方”「日本とは全然違ったね」

2024年12月、日本マット界に大きな衝撃が走った。同年10月にALL REBELLIONの新戦力として凱旋帰国を果たしていた小澤大嗣は、足をケガしていて動けないはず「だった」。しかし、清宮海斗を裏切りワンステップ式フェニックス・スプラッシュ……後日OZAWAへの改名と同時に「Real Rebel」と名付けられた難易度E級の飛び技を放ったのだ。そのOZAWA、元日に清宮からGHCヘビー級王座を奪取し早くも6度の防衛に成功している。試合はもちろん、ワードセンスにも注目が集まるOZAWAを直撃した。

取材に応じたOZAWAからは興味深い発言ばかりが飛び出した【写真:橋場了吾】
取材に応じたOZAWAからは興味深い発言ばかりが飛び出した【写真:橋場了吾】

スクワット1000回? 本来の目的を忘れて、代々やってきてから続けているだけ

 2024年12月、日本マット界に大きな衝撃が走った。同年10月にALL REBELLIONの新戦力として凱旋帰国を果たしていた小澤大嗣は、足をケガしていて動けないはず「だった」。しかし、清宮海斗を裏切りワンステップ式フェニックス・スプラッシュ……後日OZAWAへの改名と同時に「Real Rebel」と名付けられた難易度E級の飛び技を放ったのだ。そのOZAWA、元日に清宮からGHCヘビー級王座を奪取し早くも6度の防衛に成功している。試合はもちろん、ワードセンスにも注目が集まるOZAWAを直撃した。(取材・文=橋場了吾)

 OZAWAはデビュー当時から均整の取れた肉体を誇っていたが、凱旋帰国を果たしてからはさらに大きくなった印象を受ける。

「体作りでこだわっていること? 特にないかな。体作りは……あれだね、パチンコ屋さんがね、朝の10時から夜の10時40分までやっていてひたすらスロットを回し続けているからさ。マックスベットをレバーオン、第一停止、第二停止、第三停止までこの一連の流れを1レップとすると、朝から晩までやると8000レップ回せるんだよね。それくらいやりこむと終わる頃には腕がパンパンになって、これでもうトレーニング十分。(筆者「右腕しか鍛えられないのでは?)全身運動。魂込めてやっているから。8000レップトレーニングしているやつなんて聞いたことないでしょ? 都合12時間40分、トレーニングを続けているわけで、その賜物でここまで体が大きくなってしまったのは間違いない」

 2021年にNOAHに入門していたOZAWAだったが、待っていたのは……。

「練習生時代っていうのは、もう無駄しかない。本来の目的を忘れているからね。代々やってきたからっていう理由で練習をしている。その代々っていってもね、プロレスが始まってから多分今までそんなに練習内容は変わっていない。ひたすらまずスクワットを500回・1000回やれみたいな。別にそこに理由はない、ただ『やってきたから』。皆が代々やってきたから、やらせなきゃいけないみたいな。

 スクワットを1000回やる意味について考えたら負け。それを真面目に考えた奴は、多分やめる。なんでこんなことやらなきゃいけないんだろうって。デビューしてスクワットの経験が生きたなって思う瞬間は一回もないからね、結局なんだったんだみたいな。実は1000回達成するまではきついけど、一回達成すると作業的にできてしまう。そして足に効かせたら絶対できない回数だから、いかに足に効かせないか。トレーニングのためにやっているのに、いかに効かせないかっていう。この勝負になっている時点で意味がわからない。

 メンタルが鍛えられるとも思わないし、体力がついたなとも(思わない)。そもそもスクワットやる体力とプロレスやる体力は全く別物だから。(デビューまでの1年2ヶ月で)辞めようと思ったことは1回もないね。もうデビューできなかったら人生の終わりだと思っていたから、プロレスラーに成るまで絶対辞めないっていう気持ちで。だから無駄でしかない練習に耐えるしかなかったし、言われたことも全部やった。クソだと思いながらね」

2025年上半期のプロレス界の話題をかっさらったTEAM 2000X【写真:(C)プロレスリングノア】
2025年上半期のプロレス界の話題をかっさらったTEAM 2000X【写真:(C)プロレスリングノア】

ベースはNOAHだけど…『プロレスのやり方』はイギリスで学んだ

 デビューしてからもOZAWAの不遇は続く。

「もう『好き嫌い』で仕事している奴らばっかりだからね。若手のレスラーをこう使ったら売れる、客を呼べるだろうということを考えてやってないの。『こいつ可愛いから使ってやろう』みたいな、私利私欲のためにやっている奴らばっかりだから。だから俺みたいなちょっと反抗的な態度……取らないんだけど出ちゃうタイプは徹底的に潰されて、そもそも試合が組まれない状況になっちゃったから。こんなところにいてもしょうがないわと思って、丸藤正道に直談判して海外に行かせてくれと」

 デビューから1年4か月、2024年1月にイギリスに渡ったOZAWA。PROGRESS Wrestling(プログレス・レスリング)にたどり着いたOZAWAは、ここで開眼する。

「日本とは全然違ったね。あれはもう“ショー”って感じだった。日本のプロレスは“戦い”が重視されている感があるけど、イギリスは“ショー”だから。まず大会を開いているプロモーターにあいさつしに行って、今日どんな感じでやりましょうかみたいなことを聴いたら『とにかく盛り上がったら何でもいいから! お客を喜ばせることが全て!』と。自分の技術をひけらかして、俺のこの関節技めっちゃいいだろうみたいな次元じゃない。NOAHでベースになる基本的な技術は学んでいたけど『プロレスのやり方』はイギリスで学んだかな」

(15日掲載の後編へ続く)

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