高嶺のなでしこ、結成3年で着実に成長「スピード感を落とさずに」 幕張の先に目指す夢の舞台

HoneyWorksがサウンドプロデュースするアイドルグループ・高嶺のなでしこ(通称:たかねこ)が、5曲連続で新曲を配信リリースするなど精力的に活動を続けている。6月には広州と上海で海外ワンマンライブを開催するなど、右肩上がりに成長し続けるたかねこ。9月7日にはグループ史上最大規模となる千葉・幕張イベントホールでのワンマンライブを控えている。結成から間もなく3年。現状をどのように捉えているのだろうか。涼海すう、日向端ひな、キャプテンの籾山ひめりの3人に話を聞いた。

インタビューに応じた高嶺のなでしこ・涼海すう、日向端ひな、籾山ひめり(左から)【写真:増田美咲】
インタビューに応じた高嶺のなでしこ・涼海すう、日向端ひな、籾山ひめり(左から)【写真:増田美咲】

5曲連続で新曲を配信リリース、9月に最大規模の幕張イベントホールでワンマンライブ

 HoneyWorksがサウンドプロデュースするアイドルグループ・高嶺のなでしこ(通称:たかねこ)が、5曲連続で新曲を配信リリースするなど精力的に活動を続けている。6月には広州と上海で海外ワンマンライブを開催するなど、右肩上がりに成長し続けるたかねこ。9月7日にはグループ史上最大規模となる千葉・幕張イベントホールでのワンマンライブを控えている。結成から間もなく3年。現状をどのように捉えているのだろうか。涼海すう、日向端ひな、キャプテンの籾山ひめりの3人に話を聞いた。(取材・文=中村彰洋)

――4月から始まった5曲連続配信リリース。6月に配信された『初恋のこたえ。』はこれまでの2作とは雰囲気の異なる楽曲になっていますね。

籾山「2年前に配信リリースされた『初恋のひと。』という楽曲のアナザーソングになっています。前作が男の子の心情を歌っていたのに対して、今作では女の子の心情を描いています。同じリズム感になるように作ってくださっていて、歌詞も対比できるので、2曲を聞いた後に1冊の小説を読んだような感覚になりました」

――重ねて聞くと同じリズム感というのも面白いですね。

籾山「そうなんですよ! 今回、サビの音程がすごく高くて、HoneyWorksさんに『なんでですか?』と聞いたら、『2つを合わせた時に同じ音の感じになるように作っているんだよ。歌いにくいよね、頑張って!』って(笑)。HoneyWorksさんの楽曲は、後から分かるストーリーみたいなものがたくさん散りばめられているものが多いんですけど、そんな楽曲をたかねこにも作ってくださったことがうれしいです」

――ライブで続けて歌ったら面白そうですね。

涼海「良いですね! でもリズムが一緒だからダンスを間違えそう(笑)」

日向端「私はリハの時に最初から間違えました。普通に『初恋のひと。』を踊っちゃって、『あ、やらかした』って(笑)」

籾山「『初恋のひと。』と同じチームが今回も振り付けを作ってくださっていて、最初のポーズが一緒なんです。振り付けも似ている部分がたくさんあるので、『初恋のひと。』を知っている方は比較しながら聞いたら楽しいと思いますし、初めての方でも“青春夏ソング”として楽しんでもらえると思います」

――7月に配信された『ライフクエスト』はテレビ東京ドラマ『晩酌の流儀4~夏編~』のエンディングテーマにもなっています。グループ初のドラマ主題歌ですね。

涼海「『晩酌の流儀』の世界観にマッチした楽曲になっています。『小さな幸せをかみしめて頑張ろう!』と寄り添った歌詞になっているので、私たちも歌っていて、気分が上がりますし、ポジティブになれる楽曲です」

――5曲連続配信リリースのテーマは「この夏、好きになっちゃえばいいのに。」です。5作目がどのような楽曲か楽しみですね。

籾山「5曲連続配信リリースの集大成になると思っています。かっこいい系なのか、もっと初恋の感じなのか……想像が膨らみます!」

涼海すう【写真:増田美咲】
涼海すう【写真:増田美咲】

ワンマンライブで音響トラブルもとっさの対応「サプライズかと思った」

――結成から間もなく3年、成長を感じることはありますか。

籾山「私たちの魅力は楽曲ごとに雰囲気を変えられるという点だと思っています。かわいいに全振りされているアイドルさんもいる中で、たかねこはいろいろな色を見せていきたいです。歌唱力はもちろん、感情の込め方など個々がスキルアップしていると思います。HoneyWorksさんが大切にしているストーリー性や青春感といった世界観を崩さないようにしていきたいです」

――ライブでも曲によって声色を変えたりもされていますね。

籾山「HoneyWorksさんがライブを見てくださることも多くて、『もっとこうやって歌った方が良いと思う』といった形でライブでの歌い方にもアドバイスをくださります」

――ライブを見るたび、歌唱力やパフォーマンス力の成長を感じます。5月にLINE CUBE SHIBUYAで行われたワンマンでは、歌唱中に音が止まってしまうハプニングもありましたが、とっさにアカペラ対応をしていたので、演出だと思ってしまったくらいでした。

籾山「私たちも正直、あの瞬間は『これ演出かな?』って思ったんですよ(笑)。後から音響さんが『本当にすみませんでした!』と言っていて、『演出じゃなかったのか!』みたいな(笑)」

涼海「過去に対バンライブではそういったトラブルもありましたが、ワンマンでは初めてでした。私はそこの歌パートがなかったので『良かった~』って思いました(笑)」

――籾山さんは歌パートがありましたね。

籾山「歌っていました。続けないわけにはいかないなと思ったのですが、その後の『間奏はどうするの……?』みたいな。みんなでハミングしながら乗り切りましたね(笑)。私たちも本当にトラブルだと信じていなくて、『だまされた!』って思っていました(笑)」

――たかねこはライブでのサプライズ演出などが多いですからね(笑)。

涼海「サプライズかと思ったよね。いつもはMCでのサプライズだから、今回は変えてきたのかなって(笑)」

日向端ひな【写真:増田美咲】
日向端ひな【写真:増田美咲】

ソロ活動が増えた1年「高嶺のなでしこに無いものを持って帰りたい」

――この数か月は対バンツアーや国内外でのライブなど精力的に活動してきましたね。

涼海「『たかねこフェス』では、多くのアイドルさんと対バンすることができて、普段は会えないファンの方とも出会うことができました。個人的にも大好きなアイドルさんたちと友達になれたり、お話ができたのでうれしかったですし、勉強にもなりました」

日向端「本当にかわいいアイドルさんばかりだったので『今日はこの場所が世界一かわいい空間だ!』って思っちゃったくらいです(笑)。いろいろな土地に行くことができましたし、ライブ後にはメンバーとおいしいご飯も食べることができて、本当に楽しかったです」

――メジャーデビューしてからも1年ちょっと経過しました。振り返っていかがですか。

涼海「メジャーデビューさせていただいてから、お仕事の幅がすごく広がりました。特に、メンバーそれぞれの色を出せる個人のお仕事をいただける機会が増えたので、一人一人がすごく輝いていた1年だなと感じています」

日向端「取材していただく機会もたくさん増えて、より高嶺のなでしこについて考えるようになった1年だなと思っています。家族よりも一緒にいるので、メンバーのことをたくさん知ることができましたし、話し合える機会もたくさん増えて、より高嶺のなでしこが良い方向に成長していると思っています。仲良くなっているからこそ、『大変だな』と思う仕事があっても頑張れることがたくさんあって、支え合うことができています」

――ソロでの仕事が増えたことで、何か変化はありましたか。

籾山「グループを背負っていますし、どんな仕事でも『高嶺のなでしこを広めるため』と気合いが入ります。メンバーが支えてくれるという安心感はないので、かなり緊張もしちゃいます。次につなげたいという思いがとても強いので、もっといろんなことを吸収して、高嶺のなでしこに無いものを持って帰りたいと常に思っています」

――着実に成長し続けていますが、3年前の結成当時に想像していた3年後にはなっていますか。

籾山「『結成2年で武道館に立つ』という目標には届いていませんが、すぐに手が届くとは思っていませんでした。自分たちを奮い立たせるため、もっと大きくなるための目標の一つだと考えています。9月には幕張イベントホールという大きなステージを用意していただけることにもびっくりですし、ここまでメンバー全員で頑張れていることがうれしいです。着実に成長していると思うので、この階段を登り続けられるように、スピード感を落とさず、後ずさりせずに頑張りたいです」

涼海「私は当時普通の中学生で『アイドルになりたい!』と、ただそれだけでオーディションを受けました。『何年後にはどうなっている』などは考えずに、とにかく猪突猛進でした。最近では、夢にまで見ていたテレビに出演できていて、私的には、想像以上のスピードで夢がかなっていると感じています。高嶺のなでしこのメンバーになれて、ここまでみんなで歩んでこれたことが、本当にありがたいことだなとしみじみと思っています」

日向端「私もアイドルさんになりたくて、いろいろなオーディションを受けては落ちて、挫折もいっぱいしてきましたが、高嶺のなでしこでやっとアイドルになることができました。どういう世界かも全然分かっていなくて、大変なレッスンについていくのがやっとだったので、最初は自分が想像していたアイドル像とはかけ離れていたと思います。でも、この3年で成長したなと感じています。『2年後に武道館に立つ』という目標を立てた時には、会場の大きさなどもまったく分かっていなかったので、それが無謀なことかすらも分かりませんでした。今思うと『すごいこと言っていた』って思います(笑)。でも、今は分かってきたからこそ、武道館に立ちたいという気持ちが強いです」

籾山ひめり【写真:増田美咲】
籾山ひめり【写真:増田美咲】

高嶺のなでしこはファンと共に創る「まさに成長物語」

――せっかくなので、キャプテンの籾山さんから見た2人の成長を教えて下さい。

籾山「本当にみんなの成長を感じています。私はアイドル歴が長いので『全部私が頑張らなきゃ』と思っていた一方で、『本当にそれでいいのかな』と考えていた時期がありました。でも、いつの間にかみんながすごく成長していて、常に努力し続けている姿を見ているからこそ、自分も頑張らなきゃと背中を押してもらえます。

『成長していないです~』とか言うんですよ、この人たちは(笑)。すぐ『メイクが~』とかビジュアルのことを言うのですが、中身もパフォーマンス力も志も間違いなく成長しています。最近は言葉で伝えなくても、感覚で分かってくれることも増えて、サポートしてもらっています。『私も成長しなきゃ!』と奮い立たせてもらえるくらい、急激な成長を遂げています」

――では、それを聞いたうえで2人から見たキャプテンの成長を教えて下さい。

日向端「もうひめちゃんには成長しないでほしいです」

涼海「(笑)」

日向端「出会った時から何でもできていて、ダメなところが見つからないぐらい本当にすごいので、これ以上成長されちゃったら追いつけないから困っちゃいます(笑)。そのくらい本当にひめちゃんがすごいんです。尊敬するところしか本当になくて、ビジュアルもいつも安定でかわいいですし……」

籾山「(照れ笑い)」

日向端「私はそんなひめちゃんと同じグループになれて、出会えたことが本当にうれしいんです。最初はまだ壁もあって、ここまで仲良くはなれていなかったですが、最近は思ったことを言ってくれたり、頼ってもらえることがすごくうれしいです。これからもひめちゃんの背中を追いかけつつ、頼ってもらえるような存在になれるように頑張らなきゃなって思います」

涼海「ひめちゃんは最初から完成されていたので、ずっと背中を追わせてもらっていました。ひめちゃんの大きな背中からいろんなことを学ばせてもらっていて、直接何かを言われたわけではないですが、生き方や価値観みたいなものも教えていただきました。本当に感謝しています。最近では個人のお仕事も増えてきて、『世の中がひめちゃんに気付いた!』ってうれしい気持ちになります。メンバーの仲も良くなって、ひめちゃんも私たちの扱い方に慣れてきて……」

籾山「扱い方って(笑)」

涼海「接し方! 家族よりも一緒にいるメンバーたちなので、そういうコミュニケーション部分でも成長したなと思います!」

――籾山さんはアイドル暦が長いと言っても、まだ21歳ですよね。

籾山「21歳なんですけど、実はアイドル12年目なんです」

日向端&涼海「すごい~」

籾山「どうやら9歳からやっていたっぽくて(笑)。自分の中では『とうとう21歳になったか』という気持ちなんです。でも、高嶺のなでしことしてはまだ3年目。初心の気持ちを大切にしています。たくさん吸収して、どんどん成長していきたいです」

――9月の幕張に向けて残り2か月駆け抜けるだけですね。最後にファンの方へメッセージをお願いします。

籾山「どんなお仕事でもいただいたものをとにかく全力で向き合って、何か爪痕を残せるようにということを意識して頑張っていきます。ファンの方には、いつも支えてもらっています。一緒に成長しているという感覚があって、コールなどもたかねこならではの唯一無二な感じに仕上がっていることが伝わってきています。ファンの皆さまと一緒にたかねこを大きくしていくっていう、まさに成長物語ですね(笑)。皆さんのコールを聞くとテンションが上がりますし、それがあってこそのライブだと思っているので、ぜひライブでは声を枯らすつもりで推しの名前を叫んでほしいです」

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