岸谷五朗、アトピー性皮膚炎で悩まされた過去を告白「ベッドに手を縛って寝ていました」
俳優の岸谷五朗が8日、都内で行われたメディアセミナー「アトピー性皮膚炎に関する最新事情 ~中等症以上の患者さんの治療実態を調査結果から読み解く~」に、近畿大 医学部皮膚科学教室 主任教授の大塚篤司氏とともに出席した。

疾患に悩まされた20代「一番ひどかった」
俳優の岸谷五朗が8日、都内で行われたメディアセミナー「アトピー性皮膚炎に関する最新事情 ~中等症以上の患者さんの治療実態を調査結果から読み解く~」に、近畿大 医学部皮膚科学教室 主任教授の大塚篤司氏とともに出席した。
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厚生労働省によると、日本におけるアトピー性皮膚炎の患者は160.9万人と推計されている。アトピー性皮膚炎は、体のあらゆる部位に強い痒み、皮膚の乾燥及び炎症を特徴とする慢性及び再発性の皮膚疾患。臨床的にも生物学的にも多様性のある疾患で、症状の表れ方も様々であり、予測不可能な増悪を伴うことが特徴。患者は、日常生活や社会生活に支障をきたすほどの強い持続的なかゆみに悩まされることが少なくなく、特に中等症以上の患者でその影響が強くみられると言われているが、近年では新たな治療薬が登場し、治療が進歩しており、中等症以上の患者においても、その生活の質の改善が期待できるようになっている。
幼少期にアトピー性皮膚炎を発症し、物心ついた時からかゆみに悩まされていたという岸谷。幼稚園の頃にフォークダンスで手を繋いだ女の子の反応が気になったり、寝ているときに体をかいてしまい、着ていたTシャツが血だらけになった経験もあるそうで「爪は伸ばさないようにしていましたし、高校生の頃、ベッドの上の部分に手を縛って寝ていました」と苦労を明かした。
また、成人になってからも疾患に悩まされてきたそうで「20代が一番ひどかったんですが、妖怪の役とか兵隊の役をやっていたのですごいメイクをするんですね。そうするとドーランをとったあと、皮膚が1枚全部めくれちゃうくらいの症状が出て、かゆみに襲われていました」と回顧し、「眉毛をかいて(眉毛が)なくなってしまったり、髪の毛の上の方までかいてしまって髪がなくなってしまう症状でしたし、40年一緒にやっている寺脇康文さんと、真面目な芝居をしているのに(体を)かいていたらしくて、『お前なんで掻いてるんだよ』って。無意識でかいてしまうくらい、ひどい症状でした」と打ち明けた。
さらに、現在の薬に対して満足しているが、ロケに行く際に各部位用の塗り薬を持っていかないといけないことがストレスだというだという岸谷。大塚教授は「(生物学的製剤の注射が承認される)2018年まで患者さんはずっと困っていらっしゃったんじゃないかなと思います。今はたくさんのお薬が出て、(内服薬や注射で)塗り薬を塗らなくてよくなったという声を外来で結構聞きます」と言い、「ただ、多くの方が(新薬のことを)知らないから辿り着かないということが深刻になってきていますね」と情報拡散の重要性を強調した。
そして、同セミナーに参加した感想を聞かれた岸谷は「先生方がたくさん努力してくださって、我々アトピーを持っている人たちは少しずつでもよくなって、今回のテーマでもあります『アトピーを諦めない』という方向へ向かえるので、希望がたくさん持てるなと思いましたし、僕個人としてもとってもいい出会いがありました」と声を弾ませ、同疾患を持つ患者へ「己を知ることがとっても大切だと思います。僕も幼少から20代まで最悪の状況で、30を過ぎてから改善していって、舞台をやってもメイクをしても前みたいにひどいことにはならずキープできるようになったんですけど、先生と相談して無理をせず諦めないことがとても大事だと思います」とメッセージを送った。
