名門柔道部の大麻問題に小川直也が喝「プライドは持ってほしい」 全柔連には厳しい対応求める

29日、1992年バルセロナ五輪柔道銀メダリストの小川直也が、自身のYouTubeチャンネル「暴走王チャンネル」を更新。国士舘大男子柔道部の大麻事件に言及した。サムネイルには「全柔連のお手並み拝見」とある。

日頃から柔道人口の拡大を唱える小川直也
日頃から柔道人口の拡大を唱える小川直也

「名門中の名門、そこのプライドは持ってほしい」

 29日、1992年バルセロナ五輪柔道銀メダリストの小川直也が、自身のYouTubeチャンネル「暴走王チャンネル」を更新。国士舘大男子柔道部の大麻事件に言及した。サムネイルには「全柔連のお手並み拝見」とある。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 事の発端は、13日、国士舘大の男子柔道部員が大麻を吸っていると大学側に情報が入り、調査を進めたところその事実が露見した。

 20日には国士舘大が会見を開いたが、大学側によると大麻を使用にした疑いがある部員は6人で1年生が2人、2年生が4人。現場となった東京・町田市の鶴川寮は、警察署の家宅捜査を受けたという。

 これを受けて小川は、「小川、都合のいいことだけやるんじゃねえよと言われるのも大変だから、あえて言いましょう。これはねえ、避けては通れませんよ」と話すと、その思いをぶちまけた。

 まず小川は「残念」と口にし、「俺の道場の教え子がそこの大学の1年生なのよ」と明かすと、「これは真面目な話、ちゃんと世間に認めてもらうようなもの(厳正な対応)はやらないとダメだと思う」と話した。

 国士舘大の男子柔道部は、団体戦で大学日本一を決める全日本学生柔道大会を過去7回制するなど全国屈指の強豪校であり、OBには84年のロス五輪と88年のソウル五輪の2大会連続で金メダルを獲得し、その後、日本代表監督を務めた斉藤仁元監督をはじめ、2004年のアテネ五輪の金メダリストで、現在は男子日本代表を束ねる鈴木桂治監督、さらには08年の北京五輪を制した石井慧がいる。

 それについて小川は、「柔道界に貢献しているところもある。だけど、それとこれとは別」と話し、「名門中の名門、そこのプライドは持ってほしいよな」と語った。

 小川に関しては23日に、21年開催の東京五輪柔道金メダリストのウルフ アロンの新日本プロレス入団が公になり、「柔道とプロレスの架け橋になってほしい」との見解を公にしたばかり。返す刀で今回の事件について言及した小川は、「(この問題は)柔道界だけじゃないんですよ。対世間なんですよ」と語気を強め、「柔道界対世間」の戦いでもあると明言した。

大学側は「男子柔道部を無期限の活動停止」

 だからこそ、小川は「これをちゃんと厳正にしてもらわないと底辺のほうに響くからね。柔道って、そういうことが当たり前の世界なんだって。それを見て親がどう思う。そんないい加減なところなの、とかさ」と話す。主に小・中学生に柔道を指導し、常に柔道人口の拡大を唱えている小川からすれば、決して目を背けてはいられない問題だ。

 小川は「過去それをやって廃部になった部もある」と話したが、実際、23年に日大アメリカンフットボール部の部員や卒業生が立件された一連の薬物事件で廃部となった例もある。だからこそ小川は、「そこまで考慮して柔道(全日本柔道連盟)も(厳しい)姿勢を見せないと」と強調した。

 24日には全日本柔道連盟(全柔連)がオンラインで評議員会と臨時理事会を開き、役員を改選。一部メディアには関係者のコメントとして「まだ実態が究明されていない。どういう状況か確認してから対応する」との見解が示されている。

 一方、大学側は「男子柔道部を無期限の活動停止」「関わった学生や指導に当たっていた責任者などについて今後、厳正に処分する」としている。

 最後に小川は、「対世間を意識して頑張ってもらいたい。厳正な処罰をして、今後起こらないようにしないと」と話し、改めて再発防止を訴えた。

 名門中の名門に激震が走ったことで、柔道界の姿勢が問われている。

(一部敬称略)

次のページへ (2/2) 【動画】小川直也が国士舘大学男子柔道部の大麻問題について言及した実際の映像
1 2
あなたの“気になる”を教えてください