仲村トオル、俳優デビューのきっかけは“父の死”「のんきに大学に通っている場合ではない」

俳優の仲村トオルが28日、都内の丸の内TOEIで実施されている「さよなら 丸の内 TOEI」プロジェクト内で上映された映画『ビー・バップ・ハイスクール』の舞台あいさつに登壇。デビュー作のオーディションを振り返った。

舞台あいさつに登壇した仲村トオル【写真:ENCOUNT編集部】
舞台あいさつに登壇した仲村トオル【写真:ENCOUNT編集部】

俳優デビュー作『ビー・バップ・ハイスクール』を鑑賞「ちゃんと見たのは40年ぶりかも」

 俳優の仲村トオルが28日、都内の丸の内TOEIで実施されている「さよなら 丸の内 TOEI」プロジェクト内で上映された映画『ビー・バップ・ハイスクール』の舞台あいさつに登壇。デビュー作のオーディションを振り返った。

 1985年に公開された同作は、きうちかずひろ氏の漫画『BE-BOP-HIGHSCHOOL』の人気を受け製作され、大ヒットを記録。プロ・アマ問わず応募を受け付けたオーディションには、約6000人の応募があり、メインキャラクターのヒロシとトオルに選ばれたのは、当時は学生でこの作品でデビューを飾った仲村と、歌手として注目を集めていた清水宏次朗だった。

 劇場内で作品を鑑賞した仲村は、「ちゃんと見たのは40年ぶりかもしれません」と話すと、「自分で見たいとお願いしたのですが、前半はやばい罰ゲームに手をあげてしまったというくらい、自分の恥ずかしい所があり、いっぱいダメ出しをしました。滑舌が悪い、パンチが弱々しいとか。最後は本当にみんな頑張って撮ったなと思い出して感動しました」と感想を述べた。

 雑誌に掲載された広告でオーディションを知ったことを説明し、「一番大きなきっかけは、前の年に父親が亡くなって、のんきに大学に通っている場合ではないと焦りがあった。何かをする自信も無ければ、やりたいことも無い状態だった。そんな時に何かのきっかけになればという感覚でした」と明かした。

オーディション参加者は、ほとんどが本物の不良だったそうで、「(オーディション会場は)喧嘩がしたくてしょうがない、バチバチな空気が飛び交っていた。僕のようなのは、ごく少数でした。就職のコネを考えていた僕は間違ったなと……」と苦笑。そんな中で合格を言いわたされ、「(周囲は)あまり見ないようにしていましたが、殺気は感じました。今日は明るいうちに、人がいっぱいいる道を通って帰ろうと思ったのを覚えています」と回想した。

 1960年9月20日に開業した映画館「丸の内TOEI」が、東映株式会社本社の入る東映会館の再開発に伴い、2025年7月27日に閉館。65年という長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトとして、25年5月9日から7月27日の80日間にわたる100作品以上の傑作特集上映に加え、劇場を活用したさまざまなイベントを実施している。

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