『べらぼう』新たな出演者11人発表 藤間爽子、甲斐翔真、新浜レオンが大河ドラマ初出演

俳優の横浜流星が蔦重こと主人公・蔦屋重三郎を演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の新たな出演者11人が28日、発表された。俳優の藤間爽子、甲斐翔真、演歌歌手としても活躍する新浜レオンが大河ドラマ初出演を果たす。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に出演する11人
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に出演する11人

城桧吏が大河初の徳川家斉役「とても緊張しております」

 俳優の横浜流星が蔦重こと主人公・蔦屋重三郎を演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の新たな出演者11人が28日、発表された。俳優の藤間爽子、甲斐翔真、演歌歌手としても活躍する新浜レオンが大河ドラマ初出演を果たす。

 発表された出演者は、藤間、甲斐、新浜に加え、井上祐貴、城桧吏、又吉直樹、平田広明、島本須美、奥野瑛太、嶋田久作、榎木孝明の11人。

 藤間が演じるのは、のちの喜多川歌麿(染谷将太)の妻・きよ。歌麿の画風にも、大きな影響を与える存在となる。やがて、激動の時代の中で、2人の運命も変化していく。

 甲斐が演じるのは、新之助(井之脇海)の住む深川の長屋のそばに暮らす大工・長七(ちょうしち)。短気でケンカっ早いが、理不尽を見過ごせない真っ直ぐさを持つ。度重なる天災や、その影響による米不足で混乱する江戸市中で、生活に困窮する市民のリーダー格の1人として、新之助とともに世の流れに立ち向かう。

 新浜が演じるのは、富本豊前太夫の後見で実力派の太夫・富本斎宮太夫(とみもといつきだゆう)。江戸浄瑠璃の流派のひとつ、富本節の全盛期を支えた人物。江戸で米不足が深刻化し、打ちこわしが相次ぐ中、蔦重とともに、ある策を講じるが……。

 井上が演じるのは、田沼意次(渡辺謙)失脚後、“寛政の改革”を行う老中首座・松平定信(まつだいら さだのぶ)。財政難と風紀の乱れに直面する幕府の再建を託され、十一代将軍・徳川家斉(城桧吏)の下で老中首座に就任。田沼意次の華やかな商業重視政策とは対照的に、倹約の徹底、農村復興、風紀の粛正、朱子学の奨励など「寛政の改革」を断行。町人文化にも厳しく、洒落本や黄表紙の出版統制を強化。蔦重の出版活動にも大きな影響を及ぼす。

 城が演じるのは、幕政の立て直しに挑む第十一代の若き徳川の将軍・徳川家斉(とくがわ いえなり)。一橋治済(生田斗真)の嫡男として生まれ、豊千代から家斉へ。15歳で第十一代将軍に就任。およそ50年にわたる長期政権を築き、歴代将軍の中で最長の在位年数を持つ。老中・松平定信とともに、財政再建や風紀の改善に取り組むが、時代の変化や内外の事情を背景に、次第に政務への姿勢に変化が現れてい
く。

 又吉が演じるのは、大田南畝に学び、狂歌四天王の1人に数えられた狂歌師・宿屋飯盛(やどやのめしもり)。日本橋で宿屋を営んでいたことが狂名の由来とされる。狂歌集の編集・出版で蔦重と協力し、天明8年には、歌麿とともに狂歌絵本『画本虫撰(えほんむしえらみ)』を刊行し、狂歌師の地位を不動のものにした。蔦重が亡くなった後、蔦重の墓に碑文を残す。

 平田が演じるのは、天明の打ちこわしで、江戸の治安対策に奔走する・曲淵景漸(まがりぶち かげつぐ)。江戸の北町奉行として庶民の人気が高かった。度重なる天災で、米の値段が高騰し、民衆が不満を募らせる中、田沼意次に、市中の治安のためある提案をするが……。

 島本が演じるのは、蔦重の店、日本橋・耕書堂の女中・たか。「耕書堂で炊事、掃除、洗濯などの日常的な家事全般を手伝っている。多くの戯作者や絵師たちが集まる店で、蔦重やてい(橋本愛)ら耕書堂の一員として、共に店を支えていく。

 奥野が演じるのは、学問と改革で水戸藩を立て直した実力者・徳川治保(とくがわ はるもり)。徳川御三家の水戸藩第六代藩主。学問を重んじ、『大日本史』の校訂作業を自ら行ったことでも知られる。一橋治済とともに反田沼派を貫き、松平定信を老中に就かせるための政治活動を推進していく。

 嶋田が演じるのは、昌平坂学問所の教官を務めた寛政の三博士・柴野栗山(しばの りつざん)。讃岐国三木郡牟礼村(現:香川県高松市牟礼町牟礼)に生まれ、その後江戸に赴き、湯島聖堂で学び、徳島藩に召し抱えられ、松平定信からの要請で、幕府の儒官になる。十一代将軍・家斉の養育係や、定信が主導する“寛政の改革”では、朱子学を正学と定めた「寛政異学の禁」を主導し、学問と政治の両面で活躍することとなる。

 榎木が演じるのは、武道と学問を重んじた尾張藩の名君・徳川宗睦(とくがわ むねちか)。徳川御三家の尾張藩第九代藩主で、質素倹約を基本に藩政改革を断行。新田開発や代官制度の見直しを進め、藩財政の立て直しに取り組んだ。一橋治済とともに反田沼派を貫き、松平定信を老中に就かせるための政治活動を推進していく。

新たな出演者11人のコメント

 以下は出演者11人のコメント。

○藤間爽子(きよ)
「いつか大河に出演したいという私の夢が叶いました。ありがとうございます。私の役は、のちに歌麿の妻になる女性・きよだそうです。史実では歌麿さんに妻がいたかどうかはわかっていないそうですが、私なりに想像を膨らませながら、歌麿の妻ということ以前に、1人の女性として、強くべらぼうの世界で生き抜いてみようと思います。皆様に楽しんで頂けますように。わたしも初めての大河、存分に楽しみます」

○甲斐翔真(長七)
「憧れの大河ドラマへの出演、大変うれしく思っています。約5年ぶりのドラマ出演になるのですが、緊張する間もなく、すぐに作り込まれたセットと雰囲気に身を任せることができました。大河ならではの雰囲気を楽しみながら、物語のメッセージを視聴者の皆さんに伝えられるように頑張ります!」

○新浜レオン(富本斎宮太夫)
「このたびは、小さい頃から憧れていた大河ドラマに出演させていただけること、本当に夢のようで大変光栄です。今回の富本斎宮太夫役は、歌(語り)の力で、ある事件を落ち着かせるということで、日頃から歌手として活動している言葉、メッセージと重なるところもあり、江戸時代の背景、歴史を勉強しながら、今できる100%の歌でドラマを盛り上げられるように全力で挑戦します!」

○井上祐貴(松平定信)
「松平定信は、やはり“対田沼”というイメージを持っていたのですが、台本を読んでよりそのイメージが確固たるものになりました。決して派手ではなく、どちらかというと地味なかみしもの扮装も相まって、芯の通った武骨な印象を受けています。早口ながらも相手をうかがい、試しながら江戸幕府の財政を立て直していく定信を楽しみながら演じさせて頂いています」

○城桧吏(徳川家斉)
「徳川家斉を演じさせていただきます城桧吏です。徳川家斉は歴代の大河ドラマで一度も登場していない人物とのことなので、とても緊張しております。家斉は父や身近な人の話をなんでも素直に受け入れてしまうようなとても純粋なキャラクターとのことで、そんな家斉を錚々(そうそう)たるキャスト・スタッフの皆さんとどのように作り上げていけるのか、これからの撮影がとても楽しみです。全力で演じさせていただきたいと思います!」

○又吉直樹(宿屋飯盛)
「江戸狂歌文化の礎を築いた宿屋飯盛。自らの職業を読み込んだこの狂名が、なんとも楽しいですね。現代に置き換えるなら、『定食屋厨房』や『酒場店長』といったところでしょうか。言葉遊びと向き合いながら、風刺の眼を研ぎ澄ませていたのでしょう。このたびは貴重な機会に恵まれましたので、飯盛の感覚に少しでも触れてみたいと思います」

大河11回目出演の榎木孝明「楽しみながら理想の役作りを目指したい」

○平田広明(曲淵景漸)
「曲淵景漸役をやらせていただくことになりました平田広明と申します。大河ドラマへの出演は2度目ですが、お話を頂いた時の緊張は相変わらずでした。台本を頂戴し読み始め、まず名前が難しい! 何故かまた緊張が走ります。衣装合わせに行き、撮影中のスタジオで皆さんが衣装を着こなし、かつらの似合っている姿を見てまたまた緊張しました。そして前回よりもセリフが多く、またまた……撮影の日まで、緊張との闘いの日々が続きます」

○島本須美(たか)
「日本橋にお店を出してからの登場です。役は女中のたか。ドラマ出演は、劇団青年座に所属していた頃以来ですので、いろいろなことが新鮮で、毎回楽しんでいます。声優としての私をご存知の方もいらっしゃるかと思います。『べらぼう』の出演者の中にも声のお仕事での共演者が多く、とても心強いです。なかなか逢えませんが(笑)。セリフがない回も出演していることがありますので、どこに出てくるのかお楽しみに」

○奥野瑛太(徳川治保)
「まさか徳川御三家の役を……本家が農家の自分にとってはかようにお偉い役を演じることも少なく、今からドキドキしております。同じく御三家の高橋英樹さま、榎木孝明さまの胸を借りてオドオドせず政を計らいたいと思います。まだ撮影前でなんとも言えませんが、とにかく楽しみです」

○嶋田久作(柴野栗山)
「大河ドラマでの学者という役柄は初めてです。撮影も半ばを過ぎ、息のあったチームへの途中参加は緊張しますが、演じるに当たって頂いている課題を楽しみながら、柴野栗山、全うしたいと思っております」

○榎木孝明(徳川宗睦)
「尾張藩9代藩主の徳川宗睦役で出演させていただきます。品格と威厳がありながら、俯瞰で物を見る冷静沈着な人物だと思いますので、楽しみながら理想の役作りを目指したいと思います。今回で11本目の大河ドラマの出演になりますが、どんな役でも時代劇に参加できる喜びは言うまでもありません。江戸時代中期の商人の才を描いた粋な作品に参加させていただけるのがうれしすぎて『べらぼうめ!』と思わず心の中で叫んでしまいそうです」

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