「ゴジラに踏み潰される役をやりたい」 石垣佑磨の深すぎるゴジラ愛、憧れ続けるワケ

『ごくせん』(日本テレビ、2002年)や『WATER BOYS』(フジテレビ、03年)など数々の人気ドラマに出演していた俳優の石垣佑磨(42)は現在、自身のYouTubeチャンネル「ガキちゃん」で精力的に動画を投稿し続けている。同チャンネルの特徴は、石垣が愛する『ゴジラ』の魅力を発信し続けているという点だ。純度100%の“好き”に特化した動画の数々は確実にコア層のハートをつかみ始めている。そんな石垣にゴジラへの熱すぎる思いを語ってもらった。

取材に巨大ゴジラフィギュアを持参した石垣佑磨【写真:藤岡雅樹】
取材に巨大ゴジラフィギュアを持参した石垣佑磨【写真:藤岡雅樹】

ゴジラの魅力は「何モノか分からない」という点

『ごくせん』(日本テレビ、2002年)や『WATER BOYS』(フジテレビ、03年)など数々の人気ドラマに出演していた俳優の石垣佑磨(42)は現在、自身のYouTubeチャンネル「ガキちゃん」で精力的に動画を投稿し続けている。同チャンネルの特徴は、石垣が愛する『ゴジラ』の魅力を発信し続けているという点だ。純度100%の“好き”に特化した動画の数々は確実にコア層のハートをつかみ始めている。そんな石垣にゴジラへの熱すぎる思いを語ってもらった。(取材・文=中村彰洋)

 石垣とゴジラの出会いは物心がついた頃からだった。幼少期に家にあった歴代ゴジラシリーズの映像や1984年から上映が始まった“平成ゴジラシリーズ”の影響でその魅力にどっぷりとハマっていった。

「小さい頃からVHSの映像を何回も何回も観ていて、ゴジラが戦うシーンが頭に焼き付いていました。大人になって久々に観返してみると、『ああ、子どもの時にこのシーン観ていたな』と思い出すんです。

 僕の母親がピアノの先生をしていて、小学校の頃に僕も習っていました。小学4年生の時に『コンクールで優勝したらゴジラを買ってあげる』と言われたので、必死に練習しました。実際に優勝して、近所のおもちゃ屋さんで1番大きいゴジラを買ってもらったことが記憶に残っています。今も家に飾っています。

 弟もゴジラが大好きで、小学校の時に日記で『将来は強いからゴジラになりたい』と書いていたくらいです(笑)。今でも気付いたら同じ商品を買っていたりして、兄弟でやることが一緒だなって感じです」

 特撮やアメコミも好きな石垣だが、中でもゴジラは別格と熱弁する。その魅力は「何モノか分からない」という点だという。

「この世のモノではない造形で想像ができないんです。『ゴジラって何?』と質問されたら『分からない』が答えになるんですよね。水爆実験によって出現した怪獣で、日本版ゴジラは“原爆の象徴”とも言われています。ハリウッド版ゴジラでは、背びれが燃える炎のようになっていて、ゴジラが通った場所は炎の残像が見えるというイメージが込められている。全部に意味があるんです。そういうところに他のキャラクターにはない魅力があると思っています」

ゴジラ愛を熱弁した石垣佑磨【写真:藤岡雅樹】
ゴジラ愛を熱弁した石垣佑磨【写真:藤岡雅樹】

役者になって実感した中尾彬さんの存在感「感動させられる」

 そんな石垣だが、2016年には映画『シン・ゴジラ』に自衛隊の隊員役で出演。「本当にうれしかったです」と憧れの作品への出演の喜びとともに、印象的だったエピソードを語る。

「シン・ゴジラが第4形態になってから、初めて向かい合うのが僕の役でした。そこで『目標が報告と違う』というゴジラファンの中では有名なセリフを担当させてもらいました。当たり前ですが、ゴジラが見えない中での撮影でした。そこで、監督はデータをお持ちだろうと思い、『どういう姿をしているんですか?』と聞いて、写真を見させていただいたんです。見た瞬間に『これは、フィギュア化が大変だな』と思いましたね(笑)。ボコボコしたフォルムで『え? これがゴジラ?』と衝撃を受けましたね」

「いつかゴジラに出たい」。役者を目指したきっかけにもなった夢を実現させたが、「今後もゴジラ映画に出続けたいです」と変わらない憧れを口にする。

「どんな形でも、役の大小も関係ありません。僕は中尾彬さんが大好きなのですが、役者になってゴジラ映画を観返すと、中尾さんが、いかにゴジラシリーズを支えてきたかということが伝わってきて、感動させられるんです。ゴジラが主役ですが、出演されている役者さんのレベルがめちゃくちゃ高くて、だからこそ僕も子どもの頃に夢中になりましたし、今でも夢中になっているんだと思います。僕もそういう俳優になりたいと思いながら、今も役者を続けています」

フィギュアの前でポーズを決めた石垣佑磨【写真:藤岡雅樹】
フィギュアの前でポーズを決めた石垣佑磨【写真:藤岡雅樹】

 子どもの頃に抱いた憧憬をそのままに、同じ熱量で今後もゴジラを愛し続けていく。「一番の夢はゴジラに踏み潰される役をやることです」。少年のような笑顔で語ったその夢も、真っすぐに“好き”を発信し続けることで、いつの日か実現に結びつくかもしれない。

□石垣佑磨(いしがき・ゆうま)1982年8月28日、岐阜県で生まれ、東京都で育つ。2000年、ホリプロ「21世紀ムービースターオーディション」で準グランプリを受賞。同年、映画『仮面学園』で俳優デビュー。23年からの2年間、ロングラン上演の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でロン・ウィーズリー役を務める。プライベートでは22年8月28日に元テレビ長崎アナウンサーでタレントの森真奈美と結婚。23年2月に息子が誕生した。

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