ネットオークションで5000円→驚きの鑑定結果 福澤朗「これは奇跡だ!」

お笑い芸人の今田耕司がメインMCを務めるテレビ東京の人気番組『開運!なんでも鑑定団』の24日放送回に俳人・小林一茶の「新発見の句」が登場した。

24日放送の『開運!なんでも鑑定団』に超貴重お宝が登場した【写真:(C)テレビ東京】
24日放送の『開運!なんでも鑑定団』に超貴重お宝が登場した【写真:(C)テレビ東京】

ネットオークションで見つけ落札したもの

 お笑い芸人の今田耕司がメインMCを務めるテレビ東京の人気番組『開運!なんでも鑑定団』の24日放送回に俳人・小林一茶の「新発見の句」が登場した。

 自身の目利きを頼りに仕入れた骨董やブランド品を紹介、それらをネットオークションに出品し老後資金2000万円を目指すという動画配信に挑戦している依頼人。

 そんな依頼人のお宝は、江戸時代後期を代表する俳人・小林一茶、直筆の書による掛け軸。動画配信で使えるものがないかと、ネットオークションで見つけ落札したもの。教科書にも出てくるほど人物のものなので偽物ではないかと疑っていたが、実物を見るととても素晴らしく、ひょっとするととんでもない品ではないかと思い、それならばと自身の動画配信ではなく、大好きな「鑑定団」に持ってきた。

「お宝オープン!」の掛け声でお宝が披露され「小林一茶の掛け軸です」と紹介されると、なぜかスタジオは引き気味に。

 福澤は「パッと見、いいものかなと思ったんですけど、小林一茶と聞くと、ん? あれ?」、今田は書かれた「正月」の「月」の字を「下手すぎません?」、菅井は筆のかすれぐらいがわざとらしいと感じて「かすれさせたぜ! みたいな感じがちょっとしちゃいます」と話し、ゲストの秋吉久美子までもが「字がなんかね、(書かれた)時代が新しい気がする」と疑いの目を向ける。いくらで落札したか聞かれ「5000円」と答える依頼人に、思わず「厚かましいですね!」と今田。

 依頼品の書には、文頭に「東都にかへる人をおくる」とあり、その後に一句「むくかたや 一足 ツヽに花盛り」(足が向く方に一歩一歩進めると、目の前に咲き誇る花々が広がっていく…)風景の捉え方が心の持ちようと一体となる、素朴で一茶らしい一句が書かれている。

 依頼人の本人評価額は、「200万円といいたいところだが半分の100万円で」とかなりの強気。しかし、菅井は3000円、今田は300円、ゲストの秋吉久美子に至っては30円の予想額。

 気になる鑑定額はなんと驚きの300万円。思わぬ結果に、福澤朗は「これは奇跡だ!」、今田は「うっそ……」と絶句する。

 番組鑑定士の愛知東邦大学客員教授・増田孝氏によると、これは間違いなく一茶の書で、江戸へ向かう人へのはなむけの句が書かれているという。「閏正月 15日」と記されていることから、この書はおそらく1822年に書かれたと考えられる。「かへる人をおくる」の部分は非常に伸びやかな筆跡で、一茶の特徴がよく表れているそう。また、「むくかたや」あたりは墨継ぎと、かすれのリズムが非常に美しく出ているという。

 特に署名部分は、本人でなければ書けないような自然な運筆で記されており、「一茶発句全集」には載っていないことから、「新発見の一茶の発句であると考えられる」と増田氏。「表具は紙表具で、いかにも粗末な表具なんですけれども、作品が書かれた時の表具はそのまま伝わっていると思います。大切になってください」とコメントした。

 予想外の鑑定額に依頼人は「驚きしかない。冗談抜きで、この字のかすれ具合に惹かれたんです。本当ですよ!」と喜びをにじませた。

次のページへ (2/2) 【写真】幻の俳句・小林一茶の「新発見の句」
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