フジ親会社FMH、午前10時から株主総会…社員のオンカジ事件も加わり大荒れか【中居氏問題からの経過まとめ】
フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(以下、FMH)の株主総会が25日午前10時から、東京・有明アリーナで開催される。元タレント・中居正広氏による同局元アナウンサー女性Aさんへの性暴力が第三者委員会に認定され、今月に入って社員によるオンラインカジノへの関与が刑事事件になった。文字通り、ガバナンス(企業統治)不全が露呈する中、FMHは新取締役人事案を出しており、大株主の米投資ファンドも独自の人事案を含めた株主提案をしている。大荒れになることも考えられ、結果が注目される。

大株主も人事案、どうなる新取締役
フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(以下、FMH)の株主総会が25日午前10時から、東京・有明アリーナで開催される。元タレント・中居正広氏による同局元アナウンサー女性Aさんへの性暴力が第三者委員会に認定され、今月に入って社員によるオンラインカジノへの関与が刑事事件になった。文字通り、ガバナンス(企業統治)不全が露呈する中、FMHは新取締役人事案を出しており、大株主の米投資ファンドも独自の人事案を含めた株主提案をしている。大荒れになることも考えられ、結果が注目される。
FMHは、次期社長候補の清水賢治専務(フジテレビ社長)や前ファミリーマート社長の沢田貴司氏ら11人(清水氏以外の10人が新任で女性5人)を新取締役とする人事案を表明している。一方で、米投資ファンドで大株主のダルトン・インベストメンツは、約40年間続いた日枝久取締役相談役の体制が終わることも踏まえ、「これまで生じた課題の解消と、フジテレビの放送・メディア事業の発展を実現するための取り組みが求められている」などと主張。SBIHDの北尾吉孝会長兼社長ら12人を社外取締役に入れるように株主提案をしている。
だが、清水氏は5月16日、「取締役会における真摯な検討の結果、会社提案の候補者が最適であり、さらに望ましい取締役会の規模を考慮すると、取締役会の数を増やすことは適切ではないと判断しました」と説明。ダルトン側とは「敵対はしない」としながら、提案に対しては「ゼロ回答」の姿勢を示した。
株主は取締役候補ごとに賛否を表明でき、過半数の賛成を得た候補の内、賛成率の上位から最多で定員の18人が選任される。
○フジテレビ問題の経過とFMHの動き
2023年6月末 フジテレビが中居正広氏と女性Aさんとのトラブルを把握
23年8月 フジが港浩一社長にトラブルを報告
24年12月 週刊文春が中居氏と女性とのトラブルを報道。フジはトラブル当日の食事会に対する編成幹部の関与を否定
25年1月9日 中居氏がトラブルを認め、謝罪する文書を発表
25年1月17日 フジが参加者を限定した初の記者会見を開き、批判される。スポンサー離れにきっかけに
25年1月23日 中居氏が芸能活動引退を発表
25年1月27日 フジが10時間以上に及ぶ「やり直し会見」。港浩一社長と嘉納修治会長の引責辞任し、フジ社長に清水賢治FMH専務が就任
25年3月27日 FMHが、日枝久氏を含めた取締役10人の退任を発表
25年3月31日 第三者委員会が中居氏による女性Aさんへ性暴力加害を認定
25年4月16日 ダルトンが計12人の取締役候補を提案
25年4月30日 FMH金光修社長ら4人の退任を発表
25年5月16日 FMHがダルトン案を受け入れず、新たな4人を含めた計11人の取締役候補を公表。
25年6月19日 清水社長がAさんに対面謝罪
25年6月25日 FMH株主総会
【FMHが提案する取締役11人】
社長 清水賢治(FMH専務)
常務 若生伸子(フジテレビ取締役、TVer社長)
取締役 安田美智代(フジテレビ取締役)
柳敦史(フジテレビ執行役員財経局長)
柳沢恵子(フジテレビ人事局上席HRアドバイザー)
沢田貴司(元ファミリーマート社長)
堀内勉(元森ビルCFO)
稲田雅彦(エミウム代表取締役)
森山進(英国勅許会計士協会フェロー)
花田さおり(弁護士)
石戸奈々子(慶応大大学院教授)
【ダルトンが提案する取締役12人】
北尾吉孝(SBI HD 会長兼社長)
北谷賢司(ワーナー・ミュージック・ジャパン会長)
福田淳(STARTO ENTERTAINMENT CEO)
堤伸輔(新潮社・フォーサイト元編集長)
坂野尚子(元フジテレビアナウンサー)
岡村宏太郎(サッポロHD 社外取締役)
菊岡稔(元ジャパンディスプレイ社長)
松島恵美(弁護士)
近藤太香巳(NEXYZ.Group社長)
田中渓(ゴールドマン・サックス証券出身)
水落一隆(弁護士)
西田真澄(ダルトン パートナー)
※敬称略
