苦労時代は「時間つぶしにパチンコ」 阿部寛の俳優人生を変えた高倉健さんとのドラマ共演
俳優の阿部寛が22日、日本テレビ系『おしゃれクリップ』(日曜午後10時)に出演。20代半ばの苦労時代と、高倉健さんとの思い出を語った。

1987年に俳優デビュー
俳優の阿部寛が22日、日本テレビ系『おしゃれクリップ』(日曜午後10時)に出演。20代半ばの苦労時代と、高倉健さんとの思い出を語った。
阿部は1985年、中央大2年生の時にファッション誌『ノンノ』のボーイフレンド大賞で優勝。『メンズノンノ』の初代モデルに抜擢され、43号連続で表紙を飾った。87年には映画『はいからさんが通る』で俳優デビュー。初作品でヒロインの相手役を務めた。
番組中、MCの山崎育三郎が「役者業は順調に決まっていくわけですか?」と聞くと、阿部は「最初はモデルの人気というか、時代に乗ったっていうのがあるから、こう(上に)は行ったんですけど、やっぱりそんな甘い世界じゃないんで……」と返答。「次にどんどんどんどん新しい人が出てきたら乗り換えられる」と述べ、「もうあっという間でしたね。(俳優デビューから)2年、3年したら、それこそ『あの人は今』じゃないけど、『そういう写真貸してくれ』って事務所から言われました」と明かした。
当時、「25(歳)くらい」。阿部は「それで気付かされたんです。もうやばいんだなって。なかなか、そういうものって分からないから。仕事が減ってるのは分かるけど……」と振り返った。「じゃあ、どうしたらいいんだ。下積みもないし。逆に下積み持ってる舞台の人とかアクションの人とか、どうやったら、ああいう風になれるんだろう」などと考えるも、「なかなか入っていくって感じもないし。時間つぶしにパチンコ行ったりとか、そういう風な生活をやっていて……」と告げた。
それでも、「何かをやらなきゃ」とは感じていたそうで、憧れの俳優である高倉健さんが15年ぶりにドラマ出演すると聞いた阿部は、そのスタッフに直談判。「キャストは全部決まった段階」だったものの、「健さんと、とりあえず絡む役はないですか?」と頼み込み、高倉さんとひと言交わす“工事人A”という役をもらったという。
その出演時間はわずか3秒ながらも、阿部は「どんなドラマの撮影よりも覚えてますよ。鮮明に、その瞬間っていうのを……」と感謝。現場では高倉さんから「阿部くん、なんでこんな役で出たの?」と声をかけられたそうで、「健さんの現場の雰囲気を見たいと思って」と答えたところ、「そうか。今度はちゃんとした役でやりましょう」と激励されたという。
しかも、高倉さんから名刺を渡されたそうで、阿部は「こんな僕に名刺をくださるんだって、すごいうれしかった」と回想。「そこから共演することはなかったけど……。今もこうやってしゃべれるくらい一生の宝になったんで、よかったです」と語った。
