IWGP挑戦直前のSareee、岩谷麻優に「勝ち逃げは許さない」 ジュリアからは刺激「私も負けてられない」

21日、スターダムの東京・代々木第二体育館大会で、昨年の女子プロレス大賞を獲得したSareeeが王者・朱里の持つ、IWGP女子王座に挑戦する。今年1月、それまで腰に巻いていたマリーゴールドとSEAdLINNNGのベルトを失ってから、久々にビッグタイトル獲得のチャンスが巡ってきた。

Sareeeにとって今年最初の山場、2度目のIWGP王座挑戦に挑む
Sareeeにとって今年最初の山場、2度目のIWGP王座挑戦に挑む

マーベラスの彩羽匠を信頼している

 21日、スターダムの東京・代々木第二体育館大会で、昨年の女子プロレス大賞を獲得したSareeeが王者・朱里の持つ、IWGP女子王座に挑戦する。今年1月、それまで腰に巻いていたマリーゴールドとSEAdLINNNGのベルトを失ってから、久々にビッグタイトル獲得のチャンスが巡ってきた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 現在、Sareeeはマーベラスの彩羽匠とのタッグで、第23代AAAWタッグ王座のベルトを腰に巻いている。シングル王者のイメージが強いSareeeだが、それは「この人とやっていきたいと思える人がなかなかいなかった」からだという。

 その点、Sareeeにとって彩羽は「ライバル」と位置付けており、「信頼している」と話す。

 ちなみに現在、彩羽はGHC女子王者でもあり、SareeeがIWGP女子王座を獲得した場合、IWGP&GHCという異例の王者コンビが誕生することになる。
「そんな王者同士のタッグチームなんて、今後出てこないんじゃないか」とSareeeは期待を膨らませる。

 しかし、そんなSareeeに対し、一部メディアを通じ“女子プロレス界の傾奇者”ウナギ・サヤカが苦言を呈していた。

 要約すると、ウナギは「Sareeeはベルトを巻いて落としてはその団体からいなくなって。Sareeeは団体に何も還元していない」という見解だった。

 これに対しSareeeは「あいつ噛み付いてくるんですよね、私に。なんかグチグチ言ってますけど、言わせとけばいいんじゃないって。それだけ大きいことを言うんだったら試合で見せろよって、そう思いますよ」と、以前から口にしていたリング上での結果を見せろとウナギに突きつける。

 興味深いのは、そうは言いながらもSareeeはウナギに対し、「言いたいことを言えない人がいるなかで、ああやって言える人は少ないから、まあ、いいんですけど」と話し、最近、徐々にリング上での評価が上がってきたウナギを認めつつあることを明かすと、「もっと深い戦いができたらいいんですけど、そしたらリング上で決着をつけられる」とつないだ。

Sareee(左)はスターダムからマリーゴールドに移籍した岩谷麻優を「絶対に逃がさない」と宣言
Sareee(左)はスターダムからマリーゴールドに移籍した岩谷麻優を「絶対に逃がさない」と宣言

IWGP王座の存在意義

 その一方で、5月にスターダムを退団しマリーゴールドに移籍した岩谷麻優に対して、「勝ち逃げは許さない」と鼻息を荒くする。

 というのもSareeeは昨年4月、神奈川・横浜BUNTAIで、当時、IWGP王座に君臨していた岩谷に挑戦し、惜しくも敗れているからだ。私見では、この一戦は昨年のベストバウトと言ってもいい、他の追随を許さないほどの“激闘”だった。結局、岩谷は今年4月、朱里に敗れてIWGP王者から陥落した。

「私はホントは岩谷から(IWGPベルトを)取りたかったので。でも、絶対に私は岩谷から(白星を)取り返さないといけない。ベルトがかかっているかかっていない関係なく、一度負けているので、それはずっと根に持っているので、いつか必ず行きますよ」

 さらにSareeeは、海を渡ったジュリアが、WWEのNXTにおいて王座を獲得したことについて、「刺激になります」と目を輝かせた。

「ジュリアはあっちでいろんなものと戦っているんだなって、私行っていたので、アメリカに。すごく分かるんですよね。どれだけ頑張っているのか想像するだけですごいなあ、頑張ってほしいなあって思うと同時に、私も負けてられないなって」

 もちろん、仮にSareeeが首尾よく朱里からIWGP王座を奪取できたとしても、政治的な観点から、岩谷やジュリアを相手に防衛戦を行うことは容易ではない。

 それでもSareeeは「IWGPはもっともっと戦いのベルトにしていきたいし、強い相手と戦いたい」と繰り返す。

 実は昨年6月、アイスリボンのリング上で、藤本つかさが岩谷の持つ、IWGP王座に挑戦したことがあった。スターダム内ではなく、他団体のトップレスラーを巻き込みながら、他団体でIWGP戦を実施していく姿には、かつて「世界統一」を掲げて創設されたIWGPの理念に近いものを実感することができた。

 実際、Sareeeが今回の挑戦者に選ばれたこともその一環になると思われるが、果たしてそれが呼び水となって、Sareeeは2度目の挑戦でIWGP王座を腰に巻くことができるのか。

 そして、王者になった場合、Sareeeの思い描くような防衛ロードは描いていけるのか。できうることならIWGP王座には、そうした業界全体の中心格となるようなダイナミックな展開を期待したい――。

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