武庫川女子大、突然の共学化発表に学生混乱 学校は謝罪も…「到底納得できるものではありません」
兵庫・西宮の私立大学、武庫川女子大が17日、ホームページ(HP)上で同校の共学化を発表。突然の発表に、在校生や関係者の間では大きな波紋が広がっている。当事者の学生たちに話を聞いた。

日本の女子大の中では最も多い学生数を誇るマンモス女子大
兵庫・西宮の私立大学、武庫川女子大が17日、ホームページ(HP)上で同校の共学化を発表。突然の発表に、在校生や関係者の間では大きな波紋が広がっている。当事者の学生たちに話を聞いた。
武庫川女子大は兵庫・西宮に位置する1939年創立の女子大学。同校の発表によると、2025年5月1日時点で在籍する学生は短期学部・大学院生含め1万41人で、日本の女子大の中では最も多い学生数を誇るマンモス女子大となっている。
今月16日午後10時56分、同校の共学化決定に関するメールが学生のメールアドレスに一斉送信。翌17日には「武庫川女子大学の共学化について」と題された同様の文書がHP上に掲載された。文書の中では「学校法人武庫川学院は令和9年度(2027年度)から武庫川女子大学を共学化する方針を固めましたのでお知らせいたします。大学名は同年度から武庫川大学とする予定です」と同校の理事長、学長名義で共学化を発表している。
文書では在校生に対し、「女子大学である本学を選んだ在学生のみなさんは、皆学化の方針に戸惑われると思いますが、施設・設備のさらなる充実、多様な価値観が加わることによる学びの活性化など、これまで以上に充実したキャンパスライフを支援することをお約束いたします」と説明。その保証人である父母には「女子大学である本学を選んでご息女を入学させてくださった父母等のみなさまには、在学途中で共学化の方針を決定することになりましたこと、まず、お詫び申し上げます。皆学を機に、本学の教育・研究をさらに充実、発展させるとともに、安心して学業が続けられる教育環境づくりに全力を挙げて取り組みます。父母等のみなさまには、皆学化が本学のさらなる発展につながる決断であることをご理解いただき、変わらぬご支援をいただければ幸いです」と謝罪した上で、共学化への理解を求めている。
突然発表された大学側からの一方的な決定に、ネット上では「入学した子たちがかわいそうすぎる」「4年後から開始でないとアカンのでは?」「男性にトラウマある人とか普通にいるだろうし、安心して学べると思ってる人たちにしてみたら詐欺じゃんこんなの」「男性恐怖症とかの事情ある人なら自主退学出ちゃうレベルの話…」「なぜ父母 卒業生にだけ謝ってるんです? まず一番に謝るべきは(2027年度以降も在学する)在学生ではないでしょうか?」など、批判の声が殺到している。
武庫川女子大の経営学部に通う1年生の女子学生は、ENCOUNTの取材に「共学化するとのメールが送られてきたのは、6月16日午後10時56分です。それまで共学化するとの話は、少しも聞いたことがなかったので、まずはとても驚きました。メールが来てすぐに共学化反対のオープンチャットが立ち上がりました。メール以外の学生達に対する説明は今のところまだありません」と突然の発表からここまでの経緯を説明。
「女子大に入りたくてこの大学を志望したため、だまされたような気持ちになりました。近隣の女子大学が共学化したり、閉校となったりしている話はもちろん知っていましたが、まさか、日本で一番大きな女子大である武庫女が共学化するなんて考えたこともありませんでした」と率直な思いを吐露しつつ、「共学化は経営的に致し方ないことなのかもしれません。ですが、私含め、今の在校生は少なくとも『女子大学』である武庫川女子大学を志望し入学しているので、共学化の話は到底納得できるものではありません。せめて今の1年生が卒業するまで延期してほしい。また、女子校である附属の中学・高校から武庫川女子大に入った子もたくさんいます。今の武庫川学院の中高生の中にも、武庫川女子大学に入りたくて受験した人もいると思うので、その子たちの気持ちも考えるとつらいなと思います……」と切実な思いを口にする。
共学化反対の署名活動を目的としたアカウント「武庫川女子大学の共学化に反対します_二次(@No_kyo_gaku)」には、19日午前11時時点で3万5000人を超えるオンライン署名が寄せられている。アカウントを開設した別の在校生は「メールで知らされたのみで、私たち生徒は背景を知りません。動揺している人が多く、反対というスタンスの人が多いです。私たちは武庫川女子大学で学びたいです。女子大で学びたいのです」と訴えている。
