ハロー！プロジェクト所属のアイドルグループ・アンジュルムの上國料萌衣の卒業コンサート「アンジュルム 10th Anniversary tour 2025春 『桜梅桃李』 上國料萌衣 FINAL ～お先はまっキラ！～」が18日に神奈川・横浜アリーナで開催され、ファン1万2000人を動員。約9年半のアイドル活動に別れを告げた。（取材・文＝大宮高史）

「かみこ」の愛称で親しまれたアンジュルムの3代目リーダー・上國料は2015年11月にグループに加入し、23年6月からリーダーを務めてきた。グループの楽曲では“クリスタルボイス”とも称される透明感あふれる歌声で魅了してきたほか、『マックフルーリー』CM出演やTBS系『ラヴィット！』レギュラー（2023年4～6月期／月曜）、ファッション誌『bis』『LARME』などのモデル業でも活躍した。

　開演前から客席は上國料のメンバーカラーのアクアブルーで染まり、彼女の加入後初のシングルで人気の高いキラーチューン『次々続々』でコンサートは開演。序盤からファンの熱い声がラストステージを盛り上げていく。

「開演前に円陣を組んだ時、泣いちゃうかもと思ったけど全然そんなことなかった」という上國料は「皆さん盛り上がっていけますか！」とカラッとした笑顔で客席をあおり、5月21日発売の最新シングル曲『アンドロイドは夢を見るか？』などをアンジュルムの10人全員で披露していく。中盤にはダンストラックで華麗なダンスを見せたかと思えば、VTRでメンバーが高尾山を訪れた時の和気あいあいとした映像が流れるなど緩急の効いた構成。さらにVTRが終われば『大器晩成』のパフォーマンスへ転じてラスラビをメンバーとファンで一緒に歌い、続く『SHAKA SHAKA TO LOVE』ではメンバーが客席通路を練り歩いてファンに急接近。熱気はさらにヒートアップしていった。

　後半も『人生、すなわちパンタ・レイ』では再度メンバーが客席通路に登場、さらに『アイノケダモノ』『ドンデンガエシ』『友よ』と3曲連続でのセンターステージでのパフォーマンスに、客席のクラップやコールのボリュームも最高潮に達したところで一旦コンサート本編が終わる。

　熱い「かみこ」のコールの中、スクリーンにメンバーから上國料へのメッセージが映し出され、続いて白をベースに黒をあしらった、キラキラと輝くドレスで上國料が登場。「9年半もいたのでアンジュルムにもいろんな時代があって、たくさんのメンバーと過ごして、思い出も数えきれないほどです」というアンジュルムへの思いを読み上げていく。

「アンジュルム、大好きでした。どの時代もずっとずっと大好きでした。大好きと心から言えないような苦しい時期も少しだけあったけど、今の私は、その時期も含めて、アンジュルムが大好きだ!!　と心の底から言いたいです。大好きで大好きで大好き！」

　時折声を震わせながらもメンバーとの思い出や感謝、リーダーを務めてきた思いも語っていき、「皆さんの未来もまっキラでありますように!!」とファンの幸せを祈ってメッセージを締めくくった。

　そして「メンバーで楽しい時間を過ごした日の帰り道はいつも皆この曲を口ずさんでいました」という、『帰りたくないな。』を上國料がソロで歌唱し、音域広くクリアな歌声を改めて印象付けた。

　メンバー10人が再びステージに勢ぞろいして『交差点』をセンターステージで歌い上げた後、最新シングルに収録の明るいゴスペル風楽曲『光のうた』で湿っぽさは晴れていき、3番のサビになるとメンバーとファンが一緒に歌い、ともに精一杯の思いを込めた。全26曲のラストはハッピーオーラあふれる『愛すべきべき Human Life』で、アンジュルムからファンへの愛とエネルギーにあふれたライブは幕を下ろした。

　それでも名残を惜しむファンからのコールに応えて、上国料はドレス姿で再びメインステージに登場、そのまま客席通路を歩いて一周し、至近距離でファンに手を振って最後の時間をかみしめていく。ステージを去る瞬間まで笑顔で、9年半のアイドル人生を全うした。

【セットリスト】
M1 次々続々
M2 地球は今日も愛を育む
M3 Uraha=Lover
M4 ハデにやっちゃいな！
M5 ミステリーナイト！
M6 アンドロイドは夢を見るか？
M7 RED LINE
M8 涙は蝶に変わる
M9 愛・魔性
M10 うわさのナルシー
M11 大器晩成
M12 SHAKA SHAKA TO LOVE
M13 ええか？
M14 ライフ イズ ビューティフル！
M15 初恋、花冷え
M16 忘れてあげる
M17 人生、すなわちパンタ・レイ
M18 汗かいてカルナバル
M19 美々たる一撃
M20 アイノケダモノ
M21 ドンデンガエシ
M22 友よ
（ENCORE）
M23帰りたくないな。（上國料ソロ）
M24 交差点
M25 光のうた
M26 愛すべきべき Human Life