「ドイツでは着ません」 初来日で日本人の服装に驚き、猛暑日になぜ?…母国では「特別な日だけ」

6月にして早くも真夏のような暑さの日本だが、訪れる外国人旅行客は後を絶たない。ドイツ人の2人組は、東京の街を歩き、母国との服装の違いに驚いたそう。詳しい話を聞いた。

東京を観光中のセバスチャンさん(左)とダニエルさん【写真:ENCOUNT編集部】
東京を観光中のセバスチャンさん(左)とダニエルさん【写真:ENCOUNT編集部】

一蘭のラーメンには衝撃「無駄な時間が全くない」

 6月にして早くも真夏のような暑さの日本だが、訪れる外国人旅行客は後を絶たない。ドイツ人の2人組は、東京の街を歩き、母国との服装の違いに驚いたそう。詳しい話を聞いた。

 ダニエルさん、セバスチャンさんの2人はドイツ・ミュンヘン近郊から日本にやってきた。滞在は約2週間で、東京のほか、京都や広島を回る計画を立てている。

 東京では秋葉原に宿を取り、最初の1週間を観光した。セバスチャンさんはポケモンカードを収集しており、自宅にはかなりの数を所有しているそうだ。連日インバウンドで大盛況のポケモンセンターももちろんチェック。「フシギダネ(Bulbasaur)が好きなんだ」と、スマホで写真を見せてくれた。

 また、ダニエルさんは、日本の漫画について「『DEATH NOTE』がおすすめだよ」と笑顔。「日本は西洋の文化とは違うから、とても面白い」と話し、京都での神社・仏閣巡りを楽しみにしていた。

 そんな2人が東京でまず驚いたのが、一蘭のラーメンだった。

「面白いのはコンセプト。簡単に言うと、券売機で食券を買い、着席して食べる。無駄な時間が全くない。とても効率的だった」

 一蘭は外国人に大人気のとんこつラーメンだ。客席に仕切りがあり、食事に集中する空間が作られている。日本でも珍しいタイプのラーメン店に、衝撃を受けた様子だった。

 物価については、「高いか安いかというなら安いです。ドイツと比べると7割で安いですね」とダニエルさん。

 飲み物の値段は変わらないというものの、食事やその他の価格は、総じて割安に感じている。「ラーメンが日本で5ドル(約720円)なら、ドイツでは8~9ドル(約1150~1300円)します」。ドイツに限らず、外国人にとっては旅行しやすい国になっている。

 一方で、自国との比較で、戸惑ったこともあった。

「日本では車は左側通行だけど、ドイツは右側通行。最初は混乱したよ」と、セバスチャンさんは苦笑い。

 些細なことでも、気づくことはほかにもあった。

「日本はスーツの人が多いですね。ドイツでスーツを着ているのは銀行員ぐらい。あとはみんなTシャツやポロシャツにジーパンです。スーツを着ることがあっても、結婚式とか特別なセレモニーの時だけですね。ネクタイも同じです。昔からそうですね」

スーツは堅苦しい? カジュアルが浸透するドイツ

 梅雨のじめじめした季節。17日には、甲府で38.2度、都心でも34.8度に達する真夏日となった。

 にもかかわらず、東京ではスーツにシャツ、ネクタイ姿の人をあちこちで見かけた。

「ドイツでは新入社員がスーツを着用することもありません。私は会社を3回転職していますが、スーツを着たことは一度もないです。Tシャツにロングパンツです」(セバスチャンさん)

 西洋から日本に持ち込まれたスーツの文化。しかし、ドイツでは、ほとんど見かけることがないシロモノに……。金融関係を除き、カジュアルが浸透しているという。

 クールビズが普及する日本だが、ビジネスの場において一定の着こなしを求める風潮は根強くある。ちょうど就活の季節。リクルートスーツ姿の若い女性が通りかかると、2人は“服装文化の違い”を興味深そうに見つめていた。

次のページへ (2/2) 【写真】ドイツ人が驚いた日本人の服装(写真はイメージ)
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