青木マッチョ、『ラヴィット!』で自信喪失→大ブレイク 語った川島明への感謝「ご恩を一生忘れてはいけない」
昨年、TBS系『ラヴィット!』(月~金曜午前8時)をきっかけにブレイクを果たした筋肉芸人、青木マッチョ。2021年、吉本興業の養成所(NSC東京校27期)時代に結成したお笑いトリオ・かけおち(現在はコンビ)で活動を開始。ピン芸人としてもマッチョな肉体でカリンバなどの楽器演奏というギャップが受け注目を集めている。消防士から転身した異色の経歴を持ち、ENCOUNTでは、芸人になったきっかけや今後挑戦したいことなどについて話を聞いた。

コンビでテレビに出たことがほとんどない
昨年、TBS系『ラヴィット!』(月~金曜午前8時)をきっかけにブレイクを果たした筋肉芸人、青木マッチョ。2021年、吉本興業の養成所(NSC東京校27期)時代に結成したお笑いトリオ・かけおち(現在はコンビ)で活動を開始。ピン芸人としてもマッチョな肉体でカリンバなどの楽器演奏というギャップが受け注目を集めている。消防士から転身した異色の経歴を持ち、ENCOUNTでは、芸人になったきっかけや今後挑戦したいことなどについて話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)
――マッチョさんは芸人になる前は消防士だったそうですね。
「高校2年の時、兄に『消防士はどう?』と勧められたのがきっかけです。僕は高校でラグビーをやっていて、中1から筋トレも続けていたので筋肉を使う仕事に就きたいと思っていました。そしたら兄の同級生が消防士をやっていて、やりがいがある仕事だと聞いていたので、『筋肉が必要な仕事で、親も安心させられる』と思い、消防士になりました」
――約6年間務めた消防士を辞めたのは芸人になるためですか。
「実は芸人になるためではなくて、『東京に行きたかった』だけなんです。僕は4人兄弟で、兄が2人いるんですけど、2人とも結婚して子どもがいて家も車もあってローンもない――。ものすごくしっかりした兄だったので、自分は親の目を気にせず、もっと自由に好きなことをやろうと思いました。それで24歳で消防士を辞めて上京しました」
――芸人になろうと思ったきっかけは。
「フリーターをしていた時、お笑いが好きだったのでYouTubeで芸人さんの動画をよく見ていました。すごく気持ちも解放されていたので、『この世界入ったら楽しく生きていけるだろうな』って、単純な動機で吉本興業の養成所(NSC)に入りました」
――引っ込み思案で大人しい性格だったマッチョさんが人前で笑わせる側に。
「今でもめちゃくちゃ恥ずかしがり屋なんですけど、あの頃は『なんか楽しそう』ってそれだけでした。NSCに入ってすぐに3人で『かけおち』を組んで、初めての舞台でめちゃくちゃウケたんです。大学出身芸人とか元プロ芸人とかいる中で、NSCで1位となり、『意外と俺らいけるかも』みたいな空気になりました」
――どんなネタを披露しましたか。
「はじめは相方2人でやっていて僕は袖に引っ込んでいました。それでお客さんにはコンビだと思わせておいて、全裸にオムツ姿の僕が途中から入ってきて全くしゃべらないという出オチです。すごく受けたので『筋肉って受けるんだな』って思いました(笑)」
――マッチョさんお得意のカリンバを演奏するネタは。
「その後です。NSCで東西合わせて1400人くらいの若手芸人が動画で特技を投稿するという大会みたいなものがあったんです。自分は消防士の頃からカリンバを演奏していたので『これにしよう』と思って筋肉を見せながらカリンバを演奏した動画を投稿したら優勝してしまいました。すごく驚いて、『ここでやっていけるかも』って自信がつきました」
――その後、かけおちはトリオからコンビになり、マッチョさんはピンで活動することが増えました。
「コンビでテレビに出たことがほとんどないんです。今でこそ1人で出演させていただいていますけど、お笑いの世界では絶対相方がいないと自分は無理だと思っています」
――コンビとしてのこだわりがある、と。
「こだわりというか、僕がピンで出演させていただいているのは偉大なMCの方や先輩方がいるからだけなので」

『ラヴィット!』出演で「自信を失くした」
――マッチョさんは、TBS系『ラヴィット!』出演をきっかけにブレイクしました。マッチョさんの魅力を引き出してくれた、MCの川島明(麒麟)さんについて印象的なことなどはありますか。
「川島さんと『ラヴィット!』のみなさんとのご縁がなかったら、今この場に自分はいないですし、本当に感謝というか、このご恩を一生忘れてはいけないと思っています。川島さんは本当にすごすぎて、最初に出させていただいた時、自分は自信を失くしたんです。でも、『ちゃんと面白さで売るならこのレベルじゃないとダメだ』と分からせてもらったというか……。そのおかげで『しゃべりで売るのは絶対無理だ』と分かり、筋肉とか楽器とか別のキャラで売っていこうと、完全にシフトすることができました。これからも『ラヴィット!』に呼んでいただけるように一回一回、頑張りたいと思います」
――これから挑戦したいことは。
「やっぱりコンビで活動したいっていう気持ちがあり、かけおちとしてテレビに出ることが目標です。自分自身はキャンプとかバイクとか趣味がたくさんあるので、好きなことを生かせる仕事をいただけるように頑張りたいと思います。楽器は一番大切な芸で、この前も30分間、ひたすら楽器だけを演奏するライブをやりましたけど、楽器の仕事もどんどんやっていきたいですね」
――楽器といえば、今回、カリンバを習得するきっかけになったカリンバ奏者のMisaさんとYouTubeで共演しました。
「そうなんです。消防士の頃にMisaさんのYouTubeに出会わなかったら、今、芸人として、ここに立っていなかったので、Misaさんも川島さんと同じくらい大切な存在です。今回、Misaさんが入門書『ていねいなレッスンでくじけさせない! とってもやさしいカリンバ入門』(Gakken刊、6月5日発売)を出すと聞いて、Misaさんは顔出しされない方なので、代わりに自分がみなさんにカリンバの魅力を紹介出来たらいいなと思って、話をさせていただきました。青木マッチョでも、Misaさんでも、きっかけは何でもいいので、カリンバを知らない方はぜひネットで調べて、きれいな音を味わってほしいです」
□青木マッチョ 1995年7月31日生まれ。愛知・名古屋市出身。高校時代から消防士になった社会人までの9年間、ラグビーに励む。消防士を24歳で退職し、2020年、NSC(吉本総合芸能学院)に東京27期生として入学。卒業して、2022年4月に、お笑いトリオ・かけおちを結成。現在は赤木細マッチョとコンビで活動する。マッチョ芸人としてピンでも活動中。腕の太さは女性モデルのウエストサイズ並みの50センチ近くを誇り(上腕47センチ)、デッドリフトは260キロを挙げる怪力。お笑いコンビ・マヂカルラブリーの野田クリスタルがオーナーを務める「クリスタルジム」のパーソナルトレーナーも務めている。特技はピアノ、ドラム、カリンバなどの楽器演奏、絵画など。身長180センチ、体重90キロ。
