THE YELLOW MONKEY 史上最も凶暴な新曲を2万人の前で披露→観客は大笑い「反則級」「モフモフ」
4人組ロックバンド・THE YELLOW MONKEYが13日、全国ツアー『THE YELLOW MONKEY TOUR 2024/25 ~Sparkleの惑星X~』FINAL BLOCKの最終公演をKアリーナ横浜で開催。最新アルバム『Sparkle X』のナンバーを中心に『SPARK』『JAM』といった代表曲や7月9日リリースのニュー・シングル『CAT CITY』のお披露目など全18曲を演奏し、2万人の観衆を魅了した。

『THE YELLOW MONKEY TOUR 2024/25 ~Sparkleの惑星X~FINAL BLOCK』Kアリーナ横浜ライブレポート
4人組ロックバンド・THE YELLOW MONKEYが13日、全国ツアー『THE YELLOW MONKEY TOUR 2024/25 ~Sparkleの惑星X~』FINAL BLOCKの最終公演をKアリーナ横浜で開催。最新アルバム『Sparkle X』のナンバーを中心に『SPARK』『JAM』といった代表曲や7月9日リリースのニュー・シングル『CAT CITY』のお披露目など全18曲を演奏し、2万人の観衆を魅了した。
2024年5月にリリースした通算10枚目のオリジナルアルバム『Sparkle X』を引っ提げた全国ツアー『THE YELLOW MONKEY TOUR 2024/25 ~Sparkleの惑星X』は、その年の10月から始まった。ブロックごとにセットリストが変わり、ブロック1のツアー(13公演)は、3rdアルバム『jaguar hard pain 1944-1994』、ブロック2(8公演)は4thアルバム『smile』、ブロック3(9公演)は5thアルバム『FOUR SEASONS』と各リリース30周年のアルバムと最新アルバム『Sparkle X』のコラボによるセットリストが組まれた。そして今回のファイナルブロック(5公演)は、1996年に行われた初の全国ホールツアー『TOUR’96 FOUR SEASON “野性の証明”』のセットリストを再現しながら、新たに『Sparkle X』の楽曲も加えたスペシャルなプログラムが用意された、
開演時刻の午後7時を回り、メンバーの登場を待ちきれないオーディエンスが館内BGMに合わせて手拍子を始める。すると場内が暗転し、インストナンバー『考える煙』のSEが流れた。大歓声が響く中、サポートメンバーの鶴谷崇(キーボード)がピアノ伴奏を始めると会場は一瞬で静まり返り、幕が降りたままのステージには真っ赤なライトに照らされた吉井和哉(ボーカル・ギター)がぼんやりと映し出される。1曲目は、厳かな雰囲気で『アヴェ・マリア』の歌唱から始まった。その神秘的とも言える美しい吉井のシルエットに観客も心を奪われる。

「今夜は俺たちが一番やりたかったメニューでお届けします!」
菊地英昭(ギター)、廣瀬洋一(ベース)、菊地英二(ドラムス)も順番にステージに上がり、曲が終わると静けさを吹き飛ばす吉井の「ようこそー!」という声に合わせて幕が降り、ステージは一転、まぶしい光に包まれた。ANNIE(菊地英二)のカウントでヒット曲『SPARK』へ。キラキラと輝く4人が一気にスパークした。
妖艶に歌う吉井の姿に「キャー!」という女性ファンの黄色い声が鳴り響く。総立ちの観客は、拳を高くつき上げ大合唱。続けて92年のロックナンバー『Chelsea Girl』へ。ロックンロールのベースラインを華麗に弾くHEESEY(廣瀬)が観客をあおり、広い会場があっという間に熱気に包まれた。
3曲歌い終えてMCへ。明るく照らされた客席を見て吉井は、「何ここ? すげー! エネルギーがやばい!」と初めて立ったKアリーナ横浜にしばし絶句する。続けて「去年この横浜の地でスタートした全国ホールツアー『Sparkleの惑星X』ですが約半年にわたる旅をしてきました。たくさんのオーディエンスのエネルギー、周波数をいただき、最高の状態で帰ってまいりました」と報告すると会場から大きな拍手が。「今夜は俺たちが一番やりたかったメニューでお届けします! THE YELLOW MONKEYのど真ん中をお見せします!」と力を込めて宣言した。
4曲目はニューアルバムから『罠』、続けて5曲目はファンの人気も高い95年のナンバー『Tactics』と新旧のアッパーなグラムロックを演奏。HEESEYとANNIEがパワフルにリズムを刻み、EMMAの重厚でキラキラしたギターサウンドがバンドに色彩を加える。そこにLOVIN(吉井)のセクシーなボーカルが、グラマラスな世界を描く――。圧倒的な存在感と歳を重ねるたびに音にも表情にも色気が増していくメンバーの一挙手一投足に観衆はくぎ付けとなる。
その後も96年のセットリストを軸に新旧織り交ぜた曲順で進む。中盤には、この日、Kアリーナ横浜に集まった多くのオーディエンスが圧倒された『天国旅行』と『Four Seasons』を披露した。ピンスポットを浴びた吉井がイントロのギターをかき鳴らし、闇を切り裂くような轟音を響かせながら魂を込めて歌った。演奏が終わると、大きな拍手と共に客席からはすすり泣く声も聞こえてきた。終演後のSNSでも「『天国旅行』と『Four Seasons』の流れでうちのめされた」「凄すぎる」「涙腺崩壊」といったコメントが多く寄せられ、間違いなく、この日の劇的な場面だった。
そんなシリアスな一面を見せたかと思うと『ラプソディ』では、ちゃめっ気たっぷりに「オパオパ♪」と歌い、笑顔を見せながらオーディエンスと楽しんだ。

7月9日リリースのニュー・シングル『CAT CITY』を披露
本編最後に歌ったのは『ホテルニュートリノ』。その前に吉井が「1つどうしてもお話したいことがあります」と言ってこの曲を作った時のことを振り返った。
「THE YELLOW MONKEYは、2022年の秋に更なる活動を始めようとアルバムのレコーディングをすることが決まり、そんな時にドラマのタイアップの話をいただきました。その時、自分の喉に“ブラックスター”がありまして、急きょ治療と静養が必要になりました。自分の命がいつまでもある訳ではないと宣告されて本当に目の前が暗くなったんですけど、逆に光が見えたというか……。やたら闘志に燃えた瞬間でした」
ブラックスターとは、吉井が敬愛するデヴィッド・ボウイ(2016年没)の生前最後のアルバムタイトルを想像させる言葉だ。まるで心の師と自らの思いを重ね合わせたかのような言葉にも思えた。
「人間の魂は体に宿ると言いますが、生まれた時にチェックインして、この世からいなくなる時にチェックアウトする――。ニュートリノという言葉の響きがホテルみたいに思えて、そのホテルが廃墟みたいな汚いホテルになるか、すごく一流なホテルになるか、すごく癒されるホテルになるか、それは、魂次第だと思いました。そんなことを考えながら歌詞を書いているうちに、THE YELLOW MONKEYを結成して、ずっと歌いたかったことに通じるというか、さらに身をもってその世界を覗かせていただくことができたと思います。そんな気持ちで作った楽曲です。楽曲自体は、すごくノリノリなのでぜひみなさんで踊って、今の魂を大いに楽しんでもらいたいと思います」
そう話すと死生観にも触れるような深い言葉でつづられた歌詞を軽快なメロディーで歌った。
アンコールに入ると7月9日リリースのニュー・シングル『CAT CITY』を披露した。この曲は7月7日から放送されるテレビ東京系アニメ『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』オープニングテーマに起用される。
吉井が作品について説明を始めると隣でEMMAが、かわいらしい猫のポーズを決める。すると「こちらの“あざとい”菊地英昭さんが作曲しました。そしてお題をもらうとすごく寄り添った歌詞を書く吉井和哉が詞を書かせていただきました」と曲を紹介。加えて吉井が「THE YELLOW MONKEY史上、最も凶暴で血みどろな歌詞でございます。気分が悪くなりましたら、すぐに近くの係員にお知らせください。サビは非常に難解なワードですけど、皆さんなら覚えられます!」と言って両サイドの大型モニターに歌詞が映し出された。
いよいよサビが近づくと初めて新曲を聴くファンは、どれほど凶暴で血みどろな歌詞なのかとドキドキしながらスクリーンに集中する。すると「ネコニャンパリ♪」とかわいらしい言葉が次々と飛び出した。クールなロックンロールと何度も繰り返すかわいい歌詞のギャップに観客も笑いながら一緒にサビを歌った。終演後のSNSにも「ニャンニャンでモフモフ」「反則級なキューティーソング」「あんなに笑ったの初めて」という投稿が目立った。

「THE YELLOW MONKEYの本編は始まったばかりです」
アンコール2曲目に演奏したのは『SUCK OF LIFE』。グラマラスでカッコいいTHE YELLOW MONKEYに酔いしれた。EMMAのギターソロに突入すると吉井がEMMAの前でしゃがみ込み、EMMAのギターを怪しげに撫でる仕草を見せた後、吉井とEMMAが熱い口づけを交わす――。グラムロックの伝説的なショーを連想させるエロティックなパフォーマンスで会場を沸かせた。
ここでメンバー紹介を行い、HEESEYが「ボーカル! 完全復活のストロングマン! 吉井和哉、LOVIN!」と大きな声で紹介するとオーディエンスは大きな拍手で吉井の完全復活を喜んだ。
吉井は「去年の10月、まだまだ今よりも全然声出なくて、本当に続けられるんだろうかと正直心配でした。けれど皆さんの祈り、願い、そして歓声――。いろんな周波数が、僕の細胞を活性化してくれて、どんどん声が出るようになりました。本当に感謝しています。THE YELLOW MONKEYの本編は始まったばかりです。まだまだ俺たち元気なので、また集まろうぜ! 1996年の重要なロックンロールを最後にお届けします」とあいさつし、大ヒット曲『JAM』を最後に歌い、会場は大合唱となった。ここで吉井が「俺たちまだツアー終わりたくないから! さらに追加してもいいですか。また来てくれますか!」と本音を吐き出すと会場はこの日一番の歓声と拍手に包まれた。
吉井の言葉通り、まさにTHE YELLOW MONKEYのど真ん中を見ることができた今回のステージ。96年のライブの素晴らしさに加え、2025年の今がど真ん中であることも証明してくれた。これからも美しくまぶしいスパークを放ち続けるロックンロールショーを楽しみに待ちたい。
全国ツアー『THE YELLOW MONKEY TOUR 2024/25 ~Sparkleの惑星X~FINAL BLOCK』
2025年6月13日。Kアリーナ横浜
セットリスト
SE:考える煙
01:アヴェ・マリア
02:SPARK
03:Chelsea Girl
04:罠
05:Tactics
06:VERMILION HANDS
07:This Is For You
08:Beaver
09:Make Over
10:天国旅行
11:Four Seasons
12:ソナタの暗闇
13:MOONLIGHT DRIVE
14:ラプソディ
15:ホテルニュートリノ
アンコール
16:CAT CITY(新曲)
17:SUCK OF LIFE
18:JAM
THE YELLOW MONKEY 26thSINGLE『CAT CITY』7月9日リリース
※初回盤はTOUR 2024/25~Sparkleの惑星X~よりLIVE TRACKSを12曲収録
通常盤/初回生産限定盤の予約サイト:https://tym.lnk.to/26th_Sg
